ゴールデンウィークの前後、私は東京で12連泊もした。
その間、4月の月末を東京で過ごしたおかげで、先週も書いたように、銀行振込ではたいへんなストレスを体験した。
さらに、5月1日の夜はいきなり講座が入ったりしたものだからして、ゆっくり休んでもいられなかったのである。
しかしながら、スケジュールをよーく見ていくと、5月の2日、この日は19時30分から研修生ミーティングがあるだけだったのである。
「昼間が空いている‥‥」
しかも、週間天気予報を見ると、2日はとても天気がいいとのこと。
「そうだ、那須・茶臼岳に行こう‥‥!」
月末にたまったストレスをGW後半に持ち越し、みなさまにぶつけてしまうのもいかがなものかと考え、山で発散しようという英断を下したのである。
那須塩原エリアは、温泉マニアの私にとってはそれはもう庭先のようなものである。
しょっちゅう行ってはいたのだが、登山にまったく興味のなかった私は茶臼岳に登ったことはなかったのである。
しかしながら、ロープウェイに乗って、山頂駅までは行ったことがあったのである。
なぜかというと、この山頂駅から歩いて2時間のところに、三斗小屋温泉
という、歩いてしか行けないマニアな温泉があるのである。
そこに行くためのちょっとした下見として、山頂駅まで行ってみたからである。
東京から那須へは、まず、東北新幹線で1時間20分ほどの那須塩原駅に行く。
そこでレンタカーを借りると、あとは30~40分もあれば着くのでとても手軽である。
さらに、前述のロープウェイで山頂駅まで行くと、茶臼岳の山頂までは40分ほどで登れる。
超らくちん登山なのであるが、それなりにしっかりとした、いい山なのである。
ということで、うちの研修生たちに声をかけ、業務命令とし、会社を休ませ、無理やり同行させたようなしだいなのである。
基本的なコンセプトは、『水戸黄門漫遊記~那須・茶臼岳編』というかんじの旅だと思っていただきたい。
しかし、この日は19時30分から研修生ミーティングがあるので、私たちはゆっくりはしていられないのである。遅くとも17時半ぐらいの新幹線に乗らないと間に合わないのである。
だから、朝は早く、意外と忙しい。
東京駅9:16発の新幹線で旅立ったのであるが、親心として、朝ごはんを食べずに来るメンバーもいるからと、まい泉のカツサンドやエビサンドを朝食用にと山のように買っておいたのである。
しかしながら、とある研修生──仮に、顔四畳半広美さんといっておこう──、彼女はいつも「朝はフルーツしか食べないから‥‥」などと言うのである。
そして、新幹線の中でまい泉の包みを広げてみんなに配ったのであるが、ほぼ一人で食べまくったのが、この、朝はフルーツしか食べないはずの顔四畳半広美さんであったことをここに書き記しておく。
ちなみに、ほかのメンバーに聞いたところ、この「朝はフルーツしか食べないから‥‥」はあまりあてにならないようである。
そして、われわれ一同、レンタカーを借りて、とても素晴らしい天候のもと、那須・茶臼岳のロープウェイ乗り場に着いたのである。
じつは5月の2日とはいえ、1週間ほど前、この山では30センチ以上の積雪があり、登れるかどうかが微妙だったのである。
しかしながら、関係各所いろいろなところにリサーチし、ロープウェイの山頂駅から茶臼岳山頂にかけては、雪が溶け、なんとか登れる状態になっているという情報を、昨日、入手した。
そして、きょうのこの日を迎えたのである。
が、しかし、結論からすると、登れなかったのである。
「あれま!」
この日は素晴らしい晴天だったのであるが、強風のためにロープウェイが運休していたのである。
仕方なく、歩いて登ろうかとチャレンジしてみたものの、登山道は一面雪。
アイゼンと呼ばれる雪山用の登山靴を持っていないわれわれは登頂を断念し、那須・鹿の湯でまったりと温泉三昧をきめ込んだのであった‥‥。