ゴールデンウィークは、毎年、とても忙しい。
今年も4月29日の昭和の日を中心とした前半の三連休は東京でセミナーをし、5月3日からの後半の四連休は、同じく東京で私の師匠の恒例の来日セミナーがあったので、そのお手伝いに、というか、足手まといをしにいった。
4月30日はいちおうオフなのであるが、ぜんぜんオフではないのである。
この日、事務所はお休みなのであるが、月末なので、月末の社長業をこなさねばならぬ。
つまり、銀行に行って、いろいろな振込をするのである。
ふだんはうちの近所の三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行や郵便局あたりで振込をするのだが、田舎の支店はそんなに混まない。
ところが、4月30日、東京でいつものように軽い気持ちで振込に行ったところ、「おや、銀行強盗でも入ったのか‥‥?」と思うほど、銀行の外に人が集まっていたのである。
「なにごと?」とのぞいてみると、ただATMを利用するために並んでいる人の行列であった。
支店の中に入り、いつものように番号札を取ると、36人待ちであった。
もちろん、座る椅子などまったく空いていない。
どうも、きのうまでハードな3日間のセミナーをしていた私に、神は「立って瞑想でもしていなさい」という試練を与えてくださったようである。
最近、山登りなどを始めて、歩くことは苦にならなくなっている私であるが、電車なんかでじーっとおとなしく立っていることはものすごく苦手である。
退屈に耐えられないのである。
多少、多動症気味である。
落ち着きがないのは、子どものとき以来。
定宿の蒲田から品川までJRで移動することが多いのであるが、たった10分がものすごい苦痛である。
そんな私が、月末の銀行で1時間近くも立ったまま瞑想状態とは‥‥。
しかも、この日にかぎって、なんの雑誌も持ってきていなかった。
言っておくが、これは一番目に行った銀行での出来事で、私はほかの銀行や郵便局も回らねばならないのである。
午前のうちに用事を済ませ、昼からはこの疲れた体をお風呂とアカすりあたりで癒そうという魂胆だったのだが、どうやら午前中には終わりそうにない。
ただでさえ疲れていたわけで、おまけにストレスまで増大し、気分はもうボロボロ‥‥。
1時過ぎになんとかすべての振込を終えたのであるが、ヤケになった私は、「ええいっ、こうなったら、ウマいもんでも食いにいってやるっ!」と、蒲田からJRに乗ったのである。
ウマいものといえば、銀座。
銀座でメシを食ったことは一度もないけれど、きょうは「がんばった自分へのご褒美をあげちゃうもんね」と勇んで京浜東北線に乗ったのである。
が、なにも考えずに乗った電車は快速であった。
有楽町で降りたかった私にはおかまいなく、浜松町を出た電車は東京駅まで停まらなかったのである。
しかし、プロセスを信頼し、信心深く、神を愛する私は、どことは言わぬ(いや、言えぬ)が、東京駅付近の某ホテルに入ったのである。
そして、「おいしいものを食べたいのです!」とすがるような目で訴えたところ、「よい獲物が来た」と目をランランと光らせたホテルマンの餌食となった。
いわれるがままにシャンパンなども飲んでしまい、それはそれは素晴らしいひとときと、その後の長い後悔と自己いじめを体験したことをここに書いておく。
一瞬の快楽と末永い後悔というやつであろうか‥‥。
最近はどうも、奥さまに秘密にしなければいけないことが増えてきたような気がする‥‥。
ああ、それにしても、子牛の頬肉はウマかった。
しかし、メインはなんであんなにちょびっとなのであろう?
お子様ランチのメイン並みである。
そして、レストランのあの混み具合はどうしたものか?
ほとんどが女性のグループであった。
おかげで、私は隅っこのほうで、一人もごもごと食べるハメになったのである。
ちなみに、このあと、東京駅の大丸の山グッズ・コーナーに行ったのだが、なにも買わないという快挙を成し遂げたことをここに報告する。
なぜなら、そのとき、私は富士山よりも高い罪悪感を抱えていたのである。
ああ、ウマかった!
でも、高かった‥‥‥‥。