不思議な寝癖枕①父親からごり押しされた枕 | いろいろしぃーのブログ

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「なあ見出生(ミテオ)、枕やるよ」


突然、父の根手未流蔵(ネテ ミルゾウ)からの枕の話になる。


「いや~~別にいらない」


見出生は即断った。


「それがな、この枕、不思議な枕なんだそうだ


既にその枕がありポンポンしてみせる父の未流蔵。


「不思議って?」


「この枕で寝て起きた時の寝癖でその日の運? だったか? 性格? が決まる……とか言っていたな」


はあ!? 寝癖で……!


「何でオレなんだよ、父さんが試してみればいいじゃんよ」


「俺は髪の毛がない! だから寝癖にならんからだ!」


未流蔵がしゅう恥を捨てながら言い放つ。


そんなことを本人が言うから、つい見出生は吹き出して大笑いしてしまった!


未流蔵はイラッとしてその枕を見出生の顔に投げつける。


「何すんだよ!」と見出生。


「うるせえ、笑い過ぎだ」と父の未流蔵。


「何でそんな枕持ってんだよ!?」


怒り気味に言う見出生。


「……親切にしたら貰ったんだ」


唐突な答えが返ってきた。


「はあ? 親切? どんな?」


途端、興味を持つ見出生。


「それが……自販機で老人が小銭を下に落としてさ、で更に転がっちまってさ、あげくは取れなくなっていたから150円やった」


ええ~~!? それだけで~~!!


「でこの枕を……」


「同じ道を通るだろうと張られていてさ、この枕をお礼にって、まあ…」


「押し付けられたってことかよ!」


「てことで騙されたと思って使ってみろ!


デターー! よく言うやつ~~~~!


「そうだ、箱もあったんだ、ほらよ」


父の未流蔵は箱まで投げてきた。


おい~~、箱から出して別々によこすな~~。



てことでほぼ押し付けられてしまった謎の枕……


見出生は結局、持ち帰ることにした。



見出生は27歳独身、彼女なし。


仕事の関係上、ひとり暮らし中。


休みなのでたまに実家に帰ったら、何だかいきなりわけの判らない枕を押し付けられてしまった。



まー今の枕はとりたててフツーの枕だ。


不も可もなく……


「合わないなら使わなければいいんだ」


見出生はひとりごとを言うと、試しに寝てみると。


何と! なかなかなフィット感があり、ピターと見出生の頭におさまった。

おお~~何これ意外と寝心地がいい……かも……


なんとそのまま寝てしまう見出生だった。



そして起きると、何と朝になっていて……!


「ええ、朝までしっかり寝ちまった~~」


慌てて見出生は起きて鏡を見ると、


「わ~~何これ、メッチャ髪の毛サラサラ~~!」


なんとボサボサではなく、髪の毛が妙にサラサラななんと言うかイケメン!? 的な寝癖というよりヘアーセットされていた!


その髪の毛はなぜかヘアークリームをつけても元に戻らず、仕方ないので出勤すると女性社員から妙にちやほやされる1日になり……


どうやらあの父から譲られた変な……不思議な枕のせいだとやっと気づく見出生だった。



続き