招き猫はじめました⑪3年目の大惨事 | いろいろしぃーのブログ

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前回分



そうして月日は経ち……


もうすぐ3年になる頃だった。



玉井実太緒(タマイ ミタオ)があるラーメン屋の休業日、親しい知人、友人、常連客などが店に集まっていた。


そして、


「みんな、集まってくれてありがとう、みんなに報告があります」


実太緒はカウンターの外で言い始めると、誰かをうながした。


すると奥からひとりの若い女性が実太緒の隣にやってくると、


「近々、こちらの若井夏世(ワカイ カヨ)さんと結婚しようと思っています


まさかの実太緒の結婚宣言が!


「これからも玉井実太緒、夏世共々このラーメン屋をよろしくお願いします!」


もちろんみんなはめでたいので、歓声が上がり拍手をパチパチ……おめでとうの声があちこちあがった。


でも、そこに呼ばれた人達はみんな実太緒が3年前、このラーメン屋で希音子にプロポーズをしたのを知っている人達ばかり……


心の中では、調子良いなちゃっかり他の女をつくったかと少しあきれていた人達もいた。


もちろん表面上、みんな祝福する。



招き猫になっている希音子はもちろんその様子を見下ろしていた。


そして、ピシッピシピシ……

 

なんと招き猫の置物にヒビが入り出すと…… 


とうとう招き猫の置物は全部、割れてしまった!


途端、パッと暗転して……!


昼間なのに辺りは真っ暗闇になってしまい、知人、友人達の姿が一切消えてしまうと……


「どれだけ、私があなたの為に招き猫として3年間耐え抜いていたのか……


てめえ、判ってんのかあぁぁ~~‼️ ごらぁぁぁ~~‼️


人間と猫が融合したような姿で希音子は実太緒の前に姿を現しメチャクチャキレていた。 


希音子の以前のようなおしとやかなたたずまいはどこにもなく、


髪の毛は長く乱れまくり白い着物を着て、そして猫の耳、猫の黄色の目、爪は猫のように鋭い姿で、それは猫又でもなくまるで化け猫のようだった。


「まさか希音子!? い、生きていたのか!」


「それはこちらのセリフだ!


てめえがうちの親父に喉元掻き切られて瀕死のところを助けてやったのに、


恩を仇でかえしんじゃねーよ! このクソヤロウがっ‼️


化け猫のような凄い形相になった希音子は汚い言葉を吐き出すと、若井夏世の喉をその鋭い爪で掻き切ってしまった!


夏世はすぐ倒れて……


「ごめん、悪かった! 何も知らないで許してくれ~~、希音子~~」


実太緒は血だらけで横たわる夏世のことを気にかける素振りすらなく、ただひたすらガタガタ震えて土下座をして謝り続けるだけだった。



その姿を見たら、急に興ざめしてしまった希音子。


「こんな奴に尽くしていたなんて、私、バカみたい……さようなら……」


希音子は実太緒を殺さずに去っていってしまった。



そして次に気づいた時には、


「ぎゃあー!」「わ~~!」


なんといつの間にか、実太緒は包丁を持っていてその包丁には血の跡が……


そのかたわらには血だらけになって生き絶えた夏世が横たわっているだけだった。



続き