前回分
「地獄を巡るよりも魔界で待ちましょうよ」
名二茂 鴨生(ナニモ カモオ)はこんな生きた心地がしない地獄から早く逃げ出したかった。
「何で~~? 地獄巡りなんてしたことないだろうから、行こうよ、カモちゃん」
黄邪鬼が不思議そうに言う。
「いや~~……」
鴨生は濁す。
「もしかして地獄が怖いのだろう?」
ギクーッ!
黒邪鬼が指摘する。
「みんな一緒だから大丈夫だよ」
カケルはニコニコしながら言う。
「まー確かにな~~、こんなところ人間には馴染みがないだろうからな」
羅門が言った。
「そうかー、だったらこれを飲めばもう怖いものなしだぞ!」
そう言うと、黒邪鬼がたくさんあるひょうたんのひとつをいきなり何の有無も言わさず、鴨生に無理矢理飲ませる!
わ~~何これ~~!? 酒? とにかくパワハラだよね。(坂上○口調)
鴨生はかなり飲まされた。
そして……
「いい気持ちになってきた~~よお~~し、いくぞ~~地獄巡り~~!」
鴨生は突然人が変わったように地獄巡りに行くと言い出す。
「おお~~、そうこないとな~~!」
黒邪鬼は満足そうだった。
「黒邪鬼さん、カモ兄ちゃんに何を飲ませたの?」
カケルが尋ねる。
「おお~~、ちょっとなオレのサイコーの逸品だ、って……
やべえ、景気づけにオレが作った酒米から作った地獄山錦を飲ませようとしたら、間違ってこっちの地獄人参の入った漢方薬をやってしまった!」
黒邪鬼は慌てだす。
地獄人参……高麗人参みたいな?
みんなはええ~~~~!? となり、
「人間に飲ませて大丈夫なのか?」
羅門は焦りながら問うと、
「まー滋養強壮的なものだから害はないけど、人間はこーなるようだ」
黒邪鬼はアバウトだった。
「ワハハハハ~~! どこから行こうか! わ~~何あのトゲトゲなところ~~行っちゃえ~~え~~い!」
鴨生が最初に目を付けたのはなんと針山で……!
「鴨生! 止めるのだ! 生きてる人間が入るでない!」
羅門は鴨生を制ししようとするが、
「ワハハハ~~!」
まるでちびまる子ちゃんの山田みたいだ。
すると、バリンバリンと音を立ててなんと鴨生が歩いた後はみんな針山が壊れて倒れていく!
「無敵かよ!」
黄邪鬼は驚がくしていた。
その後をみんなついていく。
管理をしていた地獄の鬼達はその様子をあ然と見守るしかなかった。
続き
はじめから