混線〈後半〉 | いろいろしぃーのブログ

いろいろしぃーのブログ

いいねを連続まとめてするのはなるべく3つまでにして下さい。
フォロー申請した際フォロバが欲しい方はいいね下さい。
(記事があまりなかったり何ヵ月も記事がないのにはフォロバしません)
かなり前の(1ヶ月以上)記事のいいねやコメントは不要です。

前回分

お待たせしました!?遅くなりましたが続きです。


阿瀬等世流(アセラ セル)の願い通り、本当に唐突にイケ女がやってきた!


オレはただただ驚くしかなくて……


「おはようございます、池城菜ノ花(イケジョウ ナノカ)22歳よろしくお願いします」


オレの目の前には頭を深々下げる女子が……


本当にあのかけ間違いとも違うエラー回線先のナビ通りで……!


「これ何かのドッキリ?」


一応、尋ねる。


「違います、こちらの阿瀬等世流さんのところへ行って下さいと誰かも判らない人から、電話でそう言われて来ました」


うわ、マジかよ。


混線ありがと~~望み通りにしてくれて、となったけど。


まー多分、前回の選択そっちか~~てみんな落胆というかワハハハとなったと思う。



そうオレは選択を間違えてしまったのだ。


よお~く考えれば判ることだろう? と説教されそうだけど、


その時俺は自分が正社員で働いているから、自分の稼ぎで何とかなるだろうと安易に考えていた。


だから、お金よりイケ女と付き合うことを優先したのだが……


池城菜ノ花はオレの金を宛てにしてくるとんでもないイケ女だった!


実家は家出同然で出てきたといい、オレのマンションの部屋に入り浸り……


とうとうバイトすらも辞めて、オレに完全寄生してきた!


化粧品代も服もヘアーセットするのも全部オレの金から巻き上げてゆき……


とうとうマイナス決済になり……


家賃を払えなくなったオレは実家に戻る。



そして、


「世流(セル)どうしたの? 実家に戻るなんて仕事辞めたの?」


母親が出迎えると次の瞬間、


「ぎゃあっ! 誰なの!? 後ろのケバい大きな人はっ!」


なんとあの池城菜ノ花はスレンダーボディからは程遠いぐらいな、かなりな巨体な女性に成り果ててしまった。


食べるものも与えるだけ食べるので、どんどんブクブクと太ってしまったのだ。



「……あの~~彼女も出来たら、この家で一緒に暮らしてもいいかな?」


オレは恐る恐る母親に尋ねると、


「いいわけないでしょ~~!? さっさと別れてからあんただけにしなさあい‼️」


母親はぶちギレてオレに言い放つと、玄関のドアをピシャッと閉めてしまった。


「そんな~~困るよ~~、彼女も実家と疎遠で帰るところがないんだ! だから頼むよ~~」


オレはドアの外から訴え続けた。



これで路頭に迷ったふたりはどこへ行くやら、おしまい……


ではなく、


なんと粘ったら奇跡的に家に入れて貰った!


見かねた父親が母親をいさめてくれたらしい。


そして、条件が……


「池城さんは1年以内にダイエットと自立出来るようにすることと、お金は必要以上のものを極力使わないように…」


その条件をのむことで家においてもらうことになるオレ達。


てことでダイエットに励む池城菜ノ花……


お金は絶対与えないようにして……


隙を見てたまに盗み食いやらしていたが、彼女も元の体に戻りたい気持ちがあるようで、ダイエットに励む。



そして1年後、


「ありがとう、私、ダイエット30キロ減量して元通りになったし、オーディションにも合格したからもうここ出ていくね。


今までありがとう、世流君」


池城菜ノ花はオレから巣立って行くと、その後、まさかの芸能界デビューを果たす。


数年後たちまち人気俳優になり、これまた人気俳優の男性と電撃結婚してしまった。



その報道を実家のテレビで見ながらオレは、


「オレって一体なんだったの? 踏み台?」


とポツリと言うと、オレの両親は黙ってうなずくだけだった。



そうそう、あれからあの混線したエラー回線には本当に2度と繋がることはなかった。



〈終わり〉



あとがきなるもの


混線、夫が昔経験してことを聞いて思い付きました。


やっぱり主電話機ではない子機でかけたら、呼び出し音も鳴らずに全くカンケーないところにかかってしまったそうですびっくり


もう1度かけると、任天堂のピコーンという音がなぜか鳴ると今度は、


『はい、サカイです』


とこれまた知らない小さな女の子の声で言われて、夫は怖くなり即切ったそうですガーン


「オレ、パラレルワールドかどこかに迷い込んだかと思ったアセアセ


という不思議な話。


たまになぜか、回線のエラーが生じて全く別のところへかかることが今もあるとかないとか……