はあ? 何を言い出すんだ……
銀河冬太は本当は良夢を見ていたって……
そしてオレの不幸を願った……て……
「嘘をつくなよ! 良夢を見たなんて……、最初に言ったよな⁉️ 銀河は悪夢を見たから死んだって!」
喜多良は声を荒げました。
「うん、そうだね、間違えなくそう言った」
男の子は飄々(ヒョウヒョウ)とします。
「だから嘘なんだろう?」
喜多良は言いました。
「どれのこと?」と男の子。
「どれがって……全…部……」
喜多良はそう言いかけた時あれ? となりました。
悪夢も……良夢も……てことはないのか、どちらかは……?
喜多良に迷いがあると、
「残念ながら、全て本当だよ、良夢を見たことも……そして願ったことが人の不幸だったから、その反動で悪夢を見るはめになったことも……」
男の子は言いました。
……え? 良夢を見て人の不幸を願った、でもそれは良くないことで……結局、結果は悪夢を見たってこと⁉️
「てことは……本当なのか? 銀河が……オレの不幸を願ったって……だから今こういう状況で……」
喜多良が恐る恐る言うと、
「……ボクは本当のことしか言っていないよ。
浅尾喜多良、君は……まれな強運の持ち主なんだ。
今までのことを思い出してみなよ、ピンチはあってもいつも必ず大丈夫だっただろう?
だから、最初に君が見つけた金貨だって、君だから拾えることが出来たし、そのことによって君自身だけは不幸にならずに済んだんだよ」
男の子はすんなり説明をしました。
「あ……」
男の子に言われて喜多良はいよいよ自覚します。
金貨は結局、自分で使わずに済んでいた……
「……人の不幸を願った代償は……銀河冬太の魂を5つの金貨に分けられた、その2枚がそうだ」
「え……」
喜多良は2枚の金貨を見つめると、全身に寒気が走っていました。
「……ちょっと待てよ、じゃあこの2枚を使ったら……銀河は? それよりどうしてこんな重要なことを今頃……!」
「だから、ボクには悪夢が必要なんだ。
銀河冬太が良夢を見たから、新たな悪夢を見つけないとならない。
でも銀河は……君の不幸を願った。
おあつらいむきだった、だから君に全ての金貨授けたんだ。
そうしたら次から次へと……しかも金貨自ら人を選んでいただろう?
銀河冬太の意思だからだよ」
「……なぜ、オレは銀河に恨まれないといけないんだ?」
「だからその強運でもある幸運な力のせいで妬まれているんだろう? 覚えがあるはずだろう?
何回か仕事でピンチになったことを……」
え? まさか……
確かに立て続けにあったけれど、何とかなっていた。
でもそれって……銀河がわざと足を引っ張るように仕向けて……!
「そんな……」
喜多良はがく然としました。
「君はここまで聞いたら、この先一体どうするつもりだい?」
男の子は淡々と言います。
喜多良がこれからどう選択をして、結末を迎えるのか楽しんでいるようにも見えました。
続き
最初から
![](https://ssl-stat.amebame.com/pub/content/9477400408/amebapick/item/picktag_autoAd_301.png)