5つの金貨、悪夢or良夢⑩ | いろいろしぃーのブログ

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はあ? 何を言い出すんだ……


銀河冬太は本当は良夢を見ていたって……


そしてオレの不幸を願った……て……


「嘘をつくなよ! 良夢を見たなんて……、最初に言ったよな⁉️ 銀河は悪夢を見たから死んだって!」


喜多良は声を荒げました。


「うん、そうだね、間違えなくそう言った」


男の子は飄々(ヒョウヒョウ)とします。


「だから嘘なんだろう?」


喜多良は言いました。


「どれのこと?」と男の子。


「どれがって……全…部……」


喜多良はそう言いかけた時あれ? となりました。


悪夢も……良夢も……てことはないのか、どちらかは……?


喜多良に迷いがあると、


「残念ながら、全て本当だよ、良夢を見たことも……そして願ったことが人の不幸だったから、その反動で悪夢を見るはめになったことも……」


男の子は言いました。


……え? 良夢を見て人の不幸を願った、でもそれは良くないことで……結局、結果は悪夢を見たってこと⁉️


「てことは……本当なのか? 銀河が……オレの不幸を願ったって……だから今こういう状況で……」


喜多良が恐る恐る言うと、


「……ボクは本当のことしか言っていないよ。


浅尾喜多良、君は……まれな強運の持ち主なんだ。


今までのことを思い出してみなよ、ピンチはあってもいつも必ず大丈夫だっただろう?


だから、最初に君が見つけた金貨だって、君だから拾えることが出来たし、そのことによって君自身だけは不幸にならずに済んだんだよ」


男の子はすんなり説明をしました。


「あ……」


男の子に言われて喜多良はいよいよ自覚します。


金貨は結局、自分で使わずに済んでいた……


「……人の不幸を願った代償は……銀河冬太の魂を5つの金貨に分けられた、その2枚がそうだ」


「え……」


喜多良は2枚の金貨を見つめると、全身に寒気が走っていました。


「……ちょっと待てよ、じゃあこの2枚を使ったら……銀河は? それよりどうしてこんな重要なことを今頃……!」


「だから、ボクには悪夢が必要なんだ。


銀河冬太が良夢を見たから、新たな悪夢を見つけないとならない。


でも銀河は……君の不幸を願った。


おあつらいむきだった、だから君に全ての金貨授けたんだ。


そうしたら次から次へと……しかも金貨自ら人を選んでいただろう?


銀河冬太の意思だからだよ」


「……なぜ、オレは銀河に恨まれないといけないんだ?」


「だからその強運でもある幸運な力のせいで妬まれているんだろう? 覚えがあるはずだろう?


何回か仕事でピンチになったことを……」


え? まさか……


確かに立て続けにあったけれど、何とかなっていた。


でもそれって……銀河がわざと足を引っ張るように仕向けて……!


「そんな……」


喜多良はがく然としました。


「君はここまで聞いたら、この先一体どうするつもりだい?」


男の子は淡々と言います。


喜多良がこれからどう選択をして、結末を迎えるのか楽しんでいるようにも見えました。



続き


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