5つの金貨、悪夢or良夢⑪ | いろいろしぃーのブログ

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「……金貨、最初に拾った金貨も人の魂だっていうのか?」


喜多良は尋ねます。


「そうだよ」と簡潔に言う男の子。


「もし残りの2枚を使うと銀河はどうなるんだ?」


喜多良ははっきり尋ねました。


「いや、特に何もないかな」


と男の子。


「何もないって……」と喜多良。


「ただ消費されて消えていくだけさ」


消えていくって……やっぱり……


喜多良はがく然としました。


「それが銀河冬太の代償さ」


一瞬、喜多良は黙りますが……


「彼と……話は出来ないかな?」


喜多良は意外なことを口にします。


「話してどうするの?」と男の子。


「判らない……でも、放棄するにしても助けることに賭けることにしても、銀河と話をしないことにはどうにも……」


喜多良はうつむきました。


「浅尾喜多良……君はお人好しだね。


今、この状況になっているのは彼のせいなのかもしれないのにね、まだ銀河冬太のことを気にかけるなんて……」


「いや……オレは……」


その時でした。


喜多良の腕を急に引っ張って走り出す者が……!


「な?」


つられて喜多良は走り出すはめになります。


「どうしたんだよ⁉️」


古地羅茂録(コチラ モドル)に喜多良は言いました。


「もう逃げよう! どの選択をしても無駄だよ! きっと悪夢に飲み込まれるだけだ! だから逃げよう!」


モドルは腕を掴みながら言います。


「どこへ? どこへ逃げるんだよ! 逃げるところなんてないんだよ!」


喜多良は言いました。


「なくてもさ! 逃げよう!」


「まだ親父のこと……まだ何も判らないのに?」


喜多良は思い切り手を振りきります。


それでやっとモドルと喜多良は足を止めました。


「親父さんはもうダメかもしれない。


もしかしたら金貨になっているんじゃないのか? 親父さんも良夢を見て……」


とモドルは喜多良に言いますが……


「とにかく今は……銀河冬太と話がしたい」


喜多良は言います。


「全く曲げないよね、喜多良は……君には助けて貰ってる恩があるから俺は助けたいんだよ」


「ありがとう、気持ちだけに受け取っておく」


「全く……」


そう言うとモドルは寝転ぶと頭の横に金貨を置きました。


「決着をつけよう、他の余地はないのなら……」


モドルは目をつむります。


「判った」


モドルの様子を見て喜多良もモドルと同じように寝転び、そして頭の横に金貨を置きました。



悪夢を見ても良夢を見ても……きっと……


ふたりは目を閉じました。



続き