……ここは? どこだ?
喜多良が次に気づいた時には、辺りは何もない真っ白な風景しかありませんでした。
そういえば、モドルは?
この状態で、古地羅茂録(コチラ モドル)は絶対近くには居ない様子ですが、喜多良はモドルを探します。
そうしていると、ブツブツとどこからか声が聞こえてきました。
「誰かいるのか?」
声のする方へ喜多良は懸命に走ります。
すると、声はいよいよ鮮明になり……
「……喜多良~~、ずーとこのままなの?」
喜多良の母親の声が聞こえました。
「それは判らない、医者も言っただろう? 車の事故に巻き込まれて意識不明になったけれど、いつ目を覚ますか判らないって。
このまま覚めないままかもしれないし、明日突然目を覚ますかもしれないって」
その声が聞こえると、だんだん風景が見えてきます。
そして喜多良の目の前をスクリーンのように広がり、病院の1部を映し出しました。
そして、次はなだめるように喜多良の父親が、喜多良の母親に寄り添うのが見えます。
「何だよ、これ……どうなってんだ? 親父、無事なのか!」
あれ? あそこで寝ているのってオレ!
そういえば事故に巻き込まれたって……⁉️ オレが……!
喜多良は何がなんだか状態です。
とにかく、そこから見える喜多良の両親はふたりとも無事で、でも喜多良は病院のベッドで寝たままの状態でした。
「あれって……まさか⁉️」
今のオレは意識だけ?
じゃあオレは……⁉️
喜多良はハッとしました!
「モドル! いないのか? モドル、お前は無事なのか⁉️」
どことも言えない空間に向かって訴えかけました。
でも、モドルからは何も返事はありません。
「古地羅茂録(コチラ モドル)はここにはいないよ」
「え⁉️ 誰だ!」
喜多良が振り返るとそこには、
「銀河……」
銀河冬太がいつの間にかいました。
「おれと話がしたかったんだって? 良かったな、願いが叶って…」
銀河はなぜか無表情でした。
「じゃあ、これはオレの良夢……なのか?」
喜多良は問います。
「それはおれも判らない、聞きたいのはそれだけか?」
銀河も問い返しました。
「いや、聞きたいのは……オレの不幸を金貨に願ったって本当なのか?」
喜多良は思いきって聞きます。
はじめから