浅尾喜多良は思いきって尋ねました。
すると、銀河冬太はフッと一瞬笑ったように見えて、
「何だ?」
と喜多良は、いぶかしいく思いますが次の瞬間、
「……おれ、喜多良と友達だよな、なのにおれがお前の不幸を願うなんて、そんなこと……」
銀河は切なそうな顔をしました。
喜多良が安心しかけた時です。
「な~~んて、どこかで言って欲しいんだろう? 自分は大丈夫だって安心したいんだろう?」
銀河は顔を歪ませて、ニタリと笑むを浮かべて辛らつに言い放ちました。
「……お前、銀河じゃないだろう? 本人と話をしたいって言ってるんだ、いい加減にしろ」
喜多良は冷静に言います。
「なーんだ、バレていたんだ」
銀河は途端、あの金貨の男の子の姿に戻りました。
「……銀河は?」
喜多良は男の子に問います。
「銀河冬太にはもう会えないよ」
「は?」
「だから、言っただろう? あの5つの金貨は銀河冬太だって、君ともうひとりのお友達でとうとう使いきってしまったんだよ」
「お前! ふざけんなっ!」
喜多良は叫びます。
「おかげさまで、悪夢がたくさんとれそうだ……」
男の子は笑みました。
「じゃあ、モドルはどうなった? 無事なのか?」
「君は知らなくてもいいと思うんだけど?」
男の子はあしらいます。
「モドルは良夢を見ることが出来たのか?」
それでも喜多良は気にかけました。
「あ~~そんな心配か……、まー残念ながら?」
が男の子はそう言い……
「……そんな……」
がく然とします。
「人の心配よりも自分の心配をしたらどうなの?」
男の子はニヤニヤしました。
「オレはなんとかなる、だからモドルを心配してる!」
その言葉で男の子は思い切り笑いだします。
「おれは強運の持ち主なんだろう? 例え、銀河がオレの不幸を願ってもきっと大丈夫なんだ」
「何? その自信、その強運もとうとう尽きていたらどうする?」
「判らない、でも……自分のことは自分だけでも信じてやろうと思う、だから、
オレを…いや、せめて古地羅茂録(コチラ モドル)を元の世界へ還してやってくれ!」
そう一気に言うと喜多良は、男の子の髪の毛を掴み思い切り振りました!
すると……金貨が何枚かチャリンチャリンと落ちます。
その横へ慌てて喜多良は寝転びました。
そして……
心の中で願います!
“全てを元に戻して下さい!”と……
すると地響きがはじまり……!
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