前回分
魔女が地井斉矢(チイ サイヤ)は自分が差し向けたと言い出し……!
「……差し向けたって……!」
小白瀬琉羽(コジラセ ルワ)はまさかとなる……けれど、そう言われてみれば……
地井斉矢、年齢はそこそこ自分と近いし同じ職場、話しやすいし、そして何より自分に興味を持ち……かけてくれた。
琉羽がこじらせるまでは……
「どうかして?」
「いえ……」
「もう1度言うわ、私が地井斉矢をあなたにあてがおうとしたのよ。
でも、あなたはやはりあらがった、こじらせた。
片思いの相手とは付き合う可能性が極めて低いのにも関わらず、
好きな人がいるとあからさまに地井斉矢に告げて、先を繋げることもせずその場で断ち切ってしまったものね」
魔女は、琉羽のことは全て把握しており……
琉羽は何も言えない。
「え? 相手も酷いと、はあ~~なるほどね~~、確かにその後気まずい対応しか出来ないのは男としてある意味問題よね~~。
そして、あなたもその状況に対して何も対処しなかった、そうよね?
嘘でもまだ言うべきではなかったかもね……」
魔女の言葉が頭にガンガン響く。
その通り過ぎて、言い返せなかった。
「確かに心の片隅に片思いの相手がいたとしても、地井斉矢とまだ先を繋げられていたら……
見逃そうとも思っていたけれど、まーあなたに限ってほぼあり得ないわね!
だから……菜乃のおとしまえはあなたからはあまり取れそうにないから、まわりから頂くことにするわね!」
魔女は思い切り真顔を言い切る。
「え、まわりからって……?」
琉羽は気になった。
「菜乃へのおとしまえの代償はあなたのまわりの人から頂くということよ」
魔女は静かに返す。
「それは……誰とかですか!?」と琉羽は尋ねる。
「聞きたい?」
「……は、い……」
「あなたの母親、父親、弟、親しい友人、それからあなたの片思いの相手」
「まさか、みんな殺すんですか!?」
「そうとも言えるし、そうとも言えないかしらね」
「それはやめて下さい! 私だけでなんとかなりませんか?」
琉羽は懇願した。
「それは無理よ、だってわたしの娘の菜乃はこの世にいないのだから、例えばお金、本人が居ないから返しようがないじゃないの?
だから、あなたの大事なものを代償にさせてもらうのよ」
「それはやめて下さい! それならば私の命を捧げますから」
「それは残念ながら釣り合わないのよ、菜乃の当時の貸しなり借りがね……」
「そんな……」
「だからね、諦めなさいな」
魔女は琉羽を見つめる。
「というか……あなた、何も判っていないわね」
「え?」
「あなた、いつも自分の恋が空回りして実らないのはなぜだと思う?」
「自分から好きになった人しか受け付けないから?」
「あなた……前世で相当恨まれていたかしたのね。
多分、他の魔女の反感か何かを昔に買ってしまい、それが今も呪いにかかっているってことを知っていたかしら?」
「ええっ!?」
……だから、未だに男性と付き合うどころか両思いすらなれないのか……?
琉羽はショックを受けて……
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