気のせいかと思ったけれど、あ~~! やっぱりパトカーがやってくる!
音がだんだん近づいてきて……
ヤバイ! トラックの運転手さんは焦る!
「うるせえ音が近づいてくる! 早くだせよ!」
と赤邪鬼が助手席からあおった。
「いや~~勘弁してください! 逃げてもこのままじゃあ目立つし、追いかけられて余計ダメです! 困ります~~!」
運転手は運転するのを拒否気味に……
「何だと~~? 早く動かせって! 聞こえねーのかよ!」
もうパワハラだって~~!
「止めて下さい! 運転手さんに迷惑がかかります! みんな降りて下さい!」
鴨生は荷台から降りると、みんなを説得しようとした。
「あん? 何でだよ? 走ったり歩くより速いのにはさ~~、やだよ」
赤邪鬼は荷台に居ないから抵抗する。
「ダメですって~~! トラックの荷台に人が乗ると……あ、人じゃなくて鬼かって、とにかく違反になるんですって」
鴨生は頑張った。
すると黄邪鬼はあっさり荷台から降りて……
「ヤバイんだろう? やっちゃあいけないことなんだろう? カモちゃんが困っているから…」
すると、青邪鬼、緑邪鬼も降りる。
「おい、てめえら!」
赤邪鬼は叫んだ。
でもその時、黒邪鬼だけが荷台に取り残されて……!
あ、酔っぱらってて……
「黒邪鬼! 早くっ!」
みんなで下ろそうとした。
が黒邪鬼は腕を振りほどくと、
「うるせえ~~! オレに命令すんなっ! とにかくあのうるせい音を何とかすればいいんだろう?」
そうしている内にとうとうパトカーは直進コースに入ってきて……!
黒邪鬼はキレ気味で言いのけると、のしっと立ち上がる。
そして荷台の外へ思い切り尻を向けると、ブオッ! ともの凄い大きな屁を出した!
すると、黒邪鬼が放った屁は台風かちょっとしたつむじ風を起こして、なんとパトカーをひっくり返して吹っ飛ばす。
もの凄い爆発的なエネルギーで、鴨生はあっけにとられた。
そして、突然その後なぜなのか向かい風になり、
「わ、クッセエ!」
また黒邪鬼の屁が向かい風と共にこちらに戻ってきてしまった!
しかもメチャクチャ臭くて……
みんな悶絶する。
「お前~~何を食った~~」
鬼達は声をふりしぼる。
「あ~~酒を飲んだ時、すっげえちっちゃい白いまん丸したものを食べさせられたぜ。
それが臭くて旨いんだ」
黒邪鬼の言葉を聞いた鴨生は気づく。
それは……
「ニンニクだ~~~~!」と。
「オレはそのニンニクなんて食べてねえぞ」と黒邪鬼。
思い切り言ってんじゃん!
しばらくすると、まさかのパトカーがなぜか爆発してしまい……!
ギリギリ警察官は外に出た時に爆発したので、大丈夫なようだ。
「やべえ、アルコール70パーが効いたかな? 確かテキーラにウォッカってのも飲んだ気がするけど……」
黒邪鬼は呟く。
……アルコール70パー恐るべし、黒邪鬼の屁から引火した? っぽい……
続き
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