節分、封印を解く①ふ菓子で鬼門へ向かって食べてみた | いろいろしぃーのブログ

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今日は節分。


今年の恵方巻き、開運の方向は南南東……


学生のひとり暮らし賃貸へ戻ってきた名二茂 鴨生(ナニモ カモオ)は部屋に戻ってから気づいた。


「あ、今日は節分じゃん! 忘れちまってた!」


鴨生はいきなり思い出す。


生憎何も用意をしていない。


豆まき用の豆も……


恵方巻きすらも……


「まー節分なんて、やんなくなって死にゃしねーし」


鴨生は呟いた。


それでも……つい何かないか探してみる。


実家から送られてきたものの中に何かないかと。


米……キャベツ、後はちょっとしたお菓子ぐらいで。


その中に黒糖のふ菓子が入っていた。

1本取り出してみると、


「お、このふ菓子、黒糖だから黒いし何気に長いし、恵方巻きっぽい!」


鴨生は妙なことを思い付く。


この黒糖のふ菓子を恵方巻きのように食べてみよう! と。


「どの方向を向いて食べれば良かったっけ?」


スマホで調べると、南南東と出た。


「南南東ね~~、どこ向いたって同じだろう」


鴨生はまさかの全く別の方向を向いて、そのふ菓子を食べ始めた。


その方向はまさかの……北東の方角! まさに鬼門!


鴨生はサクサク……と黙々と食べて最後の一口を食べ終わりゴクンと飲み込んだ瞬間!


目の前の壁が黒く渦を巻き出すとそれはドアぐらいの大きさになり……!


「わ、何だ!?」


鴨生は後ずさりをした。


するとまもなく壁は黒い戸が出来、そこがゴゴゴゴ……と引き戸のように開き始めていき……


そこから大きな黒い手がにゅっと出てくると、


「お前か~~魔界と現世の狭間の封印を解くものは~~」


なんと中から大きな人とも鬼とも言えない異形なる姿の者が現れた!


「ええ~~、魔界! 狭間……封印!」


鴨生は半ばパニックになる。


「何せ現世は何百年ぶりだ。


封印を解いたお前に何か褒美を与えよう」


「え、え、え、え……褒美って……あなたはどちら様ですか?」


鴨生はその大きな異形なる者に尋ねた。


すると、


「オレか? オレは鬼の首領、羅門(ラモン)


と答えてきて……!


「お、鬼……首領、羅門……」


鴨生はただただ動揺するしかなくて……


「ふ菓子はな、オレの好物なんだ。


しかも節分の2月3日、更に鬼門へ向かって食べる奴はここ何百年居なかったわ。


さあ、遠慮をするな、何が欲しい?」


ふ菓子が好物、そんな……


面白半分にしたことが、こんなとんでないことになるなんて。


「……その前に……あの教えて下さい、ら、羅門さんはこちらに出てきたら何をしようとお思いで?」


鴨生は恐る恐る尋ねた。


「そりゃあ……お前達人間どもに不利なことさ、オレの手下どもの鬼達をこの世に再び解き放とうと思っている」


鴨生は更に動揺する。


大変なことをしでかしたと……



続き