鴨生と黄邪鬼は一緒にいたのですっかり仲良くなっていた。
「最初はパチンコ玉って豆みたいに怖かったけど、こっちに飛んで来ないから大丈夫かなって思ってさ~」
高そうなバッグなどを質へ持っていった鴨生と黄邪鬼。
黄邪鬼は意外と冷静なようで……
「黄邪鬼ってあの中では1番年下?」
何となく鴨生は言ってみると、
「そう! 1番下なんだよ、だからさ~みんなからいじられるから嫌なんだよ~~」
「ボケるからいけないんじゃない?」
「だってみんなマジメに怒るから、余計やっちゃうんだよね~~」
あ~~ドリフの長さん的な? じゃあ、黄邪鬼は志村さんとか?
ブッと思わず吹き出す鴨生。
「何、吹き出してんの?」と黄邪鬼。
「だってさ、いじられているとみせかけて、黄邪鬼が1番みんなを翻弄(ホンロウ)してんじゃん!」
どうしてもドリフの志村さんか加藤茶さんにしか見えなくなってきた。
「すげえ、ドリフみたいだな~~、黄邪鬼が志村さんで、
長さんは絶対黒邪鬼で赤邪鬼は仲本さんで青邪鬼は無難に高木さん、で緑邪鬼は加藤さんかな? それとも仲本さんが赤、青で高木さんだけ不在? う~~ん……」
「何それ?」
「昔、会場に人をたくさん入れて生放送したんだよ、コントとか歌とかみんな面白くて笑えることしかしない番組があってさ~~」
つい8時だよ全員集合のドリフの話をし出す鴨生。
詳しくは知らないが、よくドリフの特番をテレビでOAする度についつい見ていた鴨生。
「でさ~~長さん、カミナリさんっていう鬼もやっていてさ、やっぱり黒い鬼だったんだよ!」と鴨生。
「へ~~何それ~~見てみたいな~~」と黄邪鬼。
その時だった!
「きゃあーー!」「わーー!」
どこからか騒ぎが!
行ってみようと鴨生は言い、黄邪鬼と共に悲鳴がした方向へ行くと……
「黒い鬼が……お酒をたくさん飲んで管を巻いてる~~!」
店員さんが慌てた様子で……
見ると、
「あ!」
黒邪鬼が酒をたくさん飲んだらしくかなり酔っぱらって座り込んでいた。
「何だバカヤロ~~、このヤロウ!」
マジメな黒邪鬼が酒を飲むとなんたる醜態に……
こんな風になっちゃうんだとつい鴨生はスマホで撮ってしまった。
「おい! てめえ、今何をした!?」と急にこちらを見る黒邪鬼。
「ちょっと画像を撮っただけです」
「ふざけたことしてんじゃねーぞ!」
とまさかの瓶を叩き割る。
大変だ~~! となり何とか鴨生と黄邪鬼で止めて結局、
「これで穏便に……」
せっかく高級バッグを換金したというのに、黒邪鬼のおかげで酒代にかなりお金を使ってしまった。
そして、他の鬼達はどこへ?
続き