前回分
神社でまとめて貰ったブラック飴……
数限りがあるので、たまに1日空けたりして節約する。
そうするとある時、仕事場で岳生が席を外していると……
「富楽君、最近言葉遣いが酷くならないか?」
「そうなんだよな~~、一応営業だから自重して貰いたいところだが……」
「富楽にはあの言葉で、助けられたところもあるからな~~」
「しょっちゅうではないけれど……」
微妙に仕事場の上司や先輩達は、岳生のことで思い悩んでいて岳生は内心かなりショックを受けていた。
やべっ……ブラック飴、自分に有利にはなるけれど、まわりで聞いてる人達にとっては言葉が汚いと思われるのか。
ブラック飴を行使すると、こんなリスクが生じるとは……
うちでも、
「最近、言葉酷くなったよ? モラハラって言われないようにね……」
母親からも言われる始末。
そして、最近出来た彼女と外で会っていた時だった。
「……ちくしょうとか、舌打ちとか……あまりよくないと思う……けど」
と指摘されて……
とうとう岳生は、
「てめえもか! ふざけんな! この◯ス◯タが!」
堪忍袋の尾が切れてブラックな言葉を思わず発していた!
途端、なんと岳生の彼女は豚になってしまう!
「え、え、ウソだろう!?」
フガフガ……
岳生の目の前にはいきなり1頭の豚が現れる。
「お、おい?」
やはりそこには岳生と豚しかいず……
ブヒブヒ~~と岳生に関係なく走り去っていき、遠くからわー! とか悲鳴が聞こえた。
「そうだ、今日はブラック飴をなめていたんだった」
なんと岳生はブラック飴をなめていたので、彼女にイラつき豚と言い本当に豚にしてしまったのだ!
「ど、どうしよ~~」
えーと確か、オレの言葉はその通りになるから……
「元に戻れ! 豚から人間に戻れっ!」
豚はとうに走り去ってどこかに行ってしまったのに、どうなったのか判らない。
多分、きっと戻らない。
なぜなら、ブラックな言葉でしか実行出来ないからだ。
「ヤべ~~!」
岳生は人目をはばからず叫んだ。
そこへ
「お~~い兄ちゃん、さっきからうるさいんだけど」
まさかの酔っぱらいのおじさんが絡んできた。
「ちょっと、やめて下さいよ」
岳生は振りきろうとするが、
「なんだよ~~、彼女にでもフラれたのか~~ひとりぼっちなんだろう~~? 俺とはしごに行くか~~」
しつこかったので、これまた我慢が出来なくなり岳生は、
「さっきからうるせえな! じじい! 早く死ねよ!」
つい禁断の言葉を口にしてしまう!
途端、見知らぬおじさんは、「うっ!」となるとうずくまり苦しみ出し、とうとう泡を吹いて倒れてしまった!
「ええっ!?」
岳生はうろたえた。
慌てて救急車を呼ぶものの、既に見知らぬおじさんは絶命していたのだ……
続き