結局、時東は宇藤のスピード違反を助けに行ってしまった。
なぜかというと……
『お前、来ない気だろう? そんなことしたらブラック免許証のこと拡散してやるからなー』
「な、おまっ、脅す気かよ? やれるもんならやってみな」
『……あーそう、やっぱりそんなの葉合は持っていなかったんだな~』
ついつい宇藤に小バカにされてしまい、
「何、言ってんだよ! 持ってるよ! ブラック免許証! これで何度も助かってきたんだ!」
むきになってしまう時東。
『じゃあ、早く来て使ってみせろよ』
時東は見事に宇藤の術中にはまってしまい……
というわけで結局、ブラック免許証を行使してしまった。
「お前な~、隣町だったから15分ぐらいで着いたものの、それより遠かったら絶対行かないからなー」
「悪かったな~、ありがとう助かったよ~」
宇藤は手を合わせた。
「どういう風に聞いたんだ?」
「は?」
「ブラック免許証のことだよ!」
時東が凄むと、宇藤は、あーと言い出し……
「グループLINEで言ってたよ」
「はあ!?」
又尚カヨは時東には知らないまた別のグループLINEで、時東のブラック免許証のことをトークにあげていたようだった。
「みんな……どういう反応だった?」
時東は状況を知ろうとする。
「そりゃあ、半信半疑だったよ」
「お前は何で信じたんだよ?」
「今、スピードに捕まったから試しに葉合を呼んでみたら、本当だったんだなーて」
あのなー、本当だったって……
「そのグループLINE、俺の知ってる奴いる? 何人?」
「それは教えるけど、それだったら又尚に聞いた方がいいんじゃね?
他にもグループLINE持っているだろうから、いろんなところで言ってるかもしれないし……もしかしたら、Facebookとかでも……ねー……」
あーそうかー……
時東はうなだれる。
「ケンカしたんだって? 愚痴ってたよ」
更に宇藤はペラペラとしゃべる。
「あいつ……!」
時東がカアッとなったところを、
「まーまー、この際だからさ、そのブラック免許証でうまいこと活用しようぜ」
宇藤はたしなめて、そして言い寄ってきた。
「あのなー、俺も良く判らないけど、これ、わざとやるとブラックじゃなくなるからダメなんだって~」
「マジか! ムズッ、それはそうと、どういう経緯でそのブラック免許証入手したか教えてよ」
宇藤椎河は、時東から詳しく聞くことに。
「へーすげえなーそれ……じゃあさ、例えば煽り運転をするんじゃなくて、された時はどうなんの?」
「え……」
煽り運転をされた場合は……
確かに、どうなるんだろう?
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