ブラック免許証〈5〉知人の宇藤椎河 | いろいろしぃーのブログ

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結局、時東は宇藤のスピード違反を助けに行ってしまった。


なぜかというと……



『お前、来ない気だろう? そんなことしたらブラック免許証のこと拡散してやるからなー』


「な、おまっ、脅す気かよ? やれるもんならやってみな」


『……あーそう、やっぱりそんなの葉合は持っていなかったんだな~』


ついつい宇藤に小バカにされてしまい、


「何、言ってんだよ! 持ってるよ! ブラック免許証! これで何度も助かってきたんだ!」


むきになってしまう時東。


『じゃあ、早く来て使ってみせろよ』


時東は見事に宇藤の術中にはまってしまい……



というわけで結局、ブラック免許証を行使してしまった。



「お前な~、隣町だったから15分ぐらいで着いたものの、それより遠かったら絶対行かないからなー」


「悪かったな~、ありがとう助かったよ~」


宇藤は手を合わせた。


「どういう風に聞いたんだ?」


「は?」


「ブラック免許証のことだよ!」


時東が凄むと、宇藤は、あーと言い出し……


「グループLINEで言ってたよ」


「はあ!?」


又尚カヨは時東には知らないまた別のグループLINEで、時東のブラック免許証のことをトークにあげていたようだった。


「みんな……どういう反応だった?」


時東は状況を知ろうとする。


「そりゃあ、半信半疑だったよ」


「お前は何で信じたんだよ?」


「今、スピードに捕まったから試しに葉合を呼んでみたら、本当だったんだなーて」


あのなー、本当だったって……


「そのグループLINE、俺の知ってる奴いる? 何人?」


「それは教えるけど、それだったら又尚に聞いた方がいいんじゃね?


他にもグループLINE持っているだろうから、いろんなところで言ってるかもしれないし……もしかしたら、Facebookとかでも……ねー……」


あーそうかー……


時東はうなだれる。


「ケンカしたんだって? 愚痴ってたよ」


更に宇藤はペラペラとしゃべる。


「あいつ……!」


時東がカアッとなったところを、


「まーまー、この際だからさ、そのブラック免許証でうまいこと活用しようぜ」


宇藤はたしなめて、そして言い寄ってきた。


「あのなー、俺も良く判らないけど、これ、わざとやるとブラックじゃなくなるからダメなんだって~」


「マジか! ムズッ、それはそうと、どういう経緯でそのブラック免許証入手したか教えてよ」


宇藤椎河は、時東から詳しく聞くことに。


「へーすげえなーそれ……じゃあさ、例えば煽り運転をするんじゃなくて、された時はどうなんの?」


「え……」


煽り運転をされた場合は……


確かに、どうなるんだろう?



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