宇藤椎河(ウトウ シイガ)……時東と同い年で、高校の時の隣のクラス。
3年の選択科目で知り合った程度である。
ちなみに又尚カヨも同じ高校、が時東より2つ下だ。
「せっかく、そんな凄いもの持ってるんだから、試してみようぜ!」
あーあ、変なのにとりつかれてしまったと思う時東。
今のところ、宇藤以外すぐ来てくれの要請がないものの……
「あーあ、どうなるんだろう?」
時東は自宅でうなだれる。
その1日後にまたもや宇藤から着信が。
つい、
「うっとうし~~」
とぼやく。
名前の通りだ。
『おい、今から行くぞ』
「は? どこへ?」
『煽り運転されにだよ』
「え~~!? ヤダよ~! こえよ~! ……どうやって煽られるわけ?」
時東は嫌がるものの、どうやって煽られるのか不思議に思う。
『ネットで情報をキャッチしたからだよ』
「マジかよ! 余計なことするなよ~」
時東はうなだれた。
『しっかりドラレコも搭載した車で今から迎えに行くからなっ!』
宇藤は言い放つとスマホを切った。
「も~~~」
時東はしっかり宇藤のペースになる。
そして結局、数分後には律儀に宇藤の車を待ち素直に助手席に乗り込む。
「……ネットの情報だと◯◯方面のバイパス近くに現れるらしい、車は……黒のワンボックス……」
ほぼ宇藤の話を時東は聞いていなかった。
ただただ、何で野郎とドライブなんてしてるんだろう? となっていた。
その夜、煽り運転の車は現れなかった。
また次の夜もトライ……
そしてまた次の夜も……
「もう止めようぜ、既に捕まったかもしれないし……」
「いや、多分捕まってない、そういう情報もないからまだどこかでやっているはずだ」
宇藤は躍起になっていた。
その時だ。
背後から来た車がいきなり、宇藤と時東達の車の前に無理矢理入り込んできたのは……!
「あ、あぶねーなー!」
宇藤は思わず、ヴィィーーー! とクラクションを鳴らす。
「わ、バカ! やめろ!」
時東は注意した。
その宇藤達の車の前に無理矢理入ってきた車は間違いなく、宇藤の言っていた黒のワンボックスだったから……
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