ブラック免許証〈6〉煽り運転の車を探す | いろいろしぃーのブログ

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宇藤椎河(ウトウ シイガ)……時東と同い年で、高校の時の隣のクラス。


3年の選択科目で知り合った程度である。


ちなみに又尚カヨも同じ高校、が時東より2つ下だ。



「せっかく、そんな凄いもの持ってるんだから、試してみようぜ!」


あーあ、変なのにとりつかれてしまったと思う時東。


今のところ、宇藤以外すぐ来てくれの要請がないものの……


「あーあ、どうなるんだろう?」


時東は自宅でうなだれる。



その1日後にまたもや宇藤から着信が。


つい、


「うっとうし~~」


とぼやく。


名前の通りだ。


『おい、今から行くぞ』


「は? どこへ?」


『煽り運転されにだよ』


「え~~!? ヤダよ~! こえよ~! ……どうやって煽られるわけ?」


時東は嫌がるものの、どうやって煽られるのか不思議に思う。


『ネットで情報をキャッチしたからだよ』


「マジかよ! 余計なことするなよ~」


時東はうなだれた。


『しっかりドラレコも搭載した車で今から迎えに行くからなっ!』


宇藤は言い放つとスマホを切った。


「も~~~」


時東はしっかり宇藤のペースになる。



そして結局、数分後には律儀に宇藤の車を待ち素直に助手席に乗り込む。



「……ネットの情報だと◯◯方面のバイパス近くに現れるらしい、車は……黒のワンボックス……」


ほぼ宇藤の話を時東は聞いていなかった。


ただただ、何で野郎とドライブなんてしてるんだろう? となっていた。


その夜、煽り運転の車は現れなかった。


また次の夜もトライ……


そしてまた次の夜も……


「もう止めようぜ、既に捕まったかもしれないし……」


「いや、多分捕まってない、そういう情報もないからまだどこかでやっているはずだ」


宇藤は躍起になっていた。


その時だ。


背後から来た車がいきなり、宇藤と時東達の車の前に無理矢理入り込んできたのは……!


「あ、あぶねーなー!」


宇藤は思わず、ヴィィーーー! とクラクションを鳴らす。


「わ、バカ! やめろ!」


時東は注意した。


その宇藤達の車の前に無理矢理入ってきた車は間違いなく、宇藤の言っていた黒のワンボックスだったから……



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