[将棋]伊藤匠七段、藤井叡王からタイトル奪取 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 もう一昨日の話になりますが、伊藤新叡王が誕生。藤井さんはついにタイトル戦番勝負無敗の記録が途切れてしまいました。

私も終盤戦はAbemaの中継を見ていました。中盤戦では藤井さんが優勢だったようですが、安全策?で105▲6六銀と上がったところから後手にもチャンスが出てきて、その後は徐々に伊藤さんのペースになっていったようでした。最後は両者1分将棋に突入する終盤戦でした。
 

まだ互角の範疇とはいえ、先手の穴熊は逃げ場がなく、後手の玉を捕まえられるのかという展開に。上の解説から少し進んだ131手目の桂打ちが勝負手気味だったのかもしれませんが、伊藤さんが冷静に対応し(というか、怯まずに踏み込んで)...。
 

いよいよ後手玉が詰まないとはっきりして力なく肩を落とす藤井さん。
 

勝った伊藤さんが強かったということになりますかね。
 
藤井さん関連の話はこの2日間で沢山出ているので今さら私が書くことは無い気もしますが、2点だけ。
 
1つ目は、叡王戦の最終戦に向けて対局前に、中村八段(と肇先生)の展開予想動画、それと渡辺九段がなるほどと感心した永瀬九段の見解動画があったので、それを張り付けておくことに。皆さん既に見ているとは思いますが...。

 

 

 

2つ目は純粋な私の感想キョロキョロ。基本的に藤井さんがうんと強いということと、藤井さんと戦って勝てる(ことがある)人は藤井さんに及ばずとも、うんと強いと、そこは前提としますが、藤井さんが負けるのは結構、人間的というか精神的なことの影響があるのかなと思ったりします。藤井さんが他の多くのプロ棋士でさえ気づかないような手順であっても、中終盤に入ってきて将棋ソフトのいわゆる最善手を指し続けることがあって、それが怪物たる所以とも言えますが。 

 藤井さんは盤上最善手を追求するタイプで、相手が誰であっても変わらないのでしょうが、相手によって精度が落ちるというか...、昔は豊島九段に連敗していましたし、深浦九段、佐々木大地七段、大橋七段とかにも少し余計に負けているかなと。藤井さんが嫌な相手だなぁと思って熱くなって冷静さを失う・・・とまでは行かない気がしますが、若干人間的なブレが出てないかなぁって。豊島さんも、佐々木さんもタイトル戦で(しかも、時間が長くなればなるほど)何回も戦っていくうちに、特別な(余計な)意識が(そんなに意識しているというより無意識レベルの話にも思いますが)なくなって、自然と普段通りの実力を出せるようになっていった、のかなと。

 伊藤さんの場合は、逆に藤井さんが伊藤さんの強さ、潜在的な恐ろしさを熟知しているがゆえに少しの隙も与えぬよう徹底的に勝ち続けて、叡王戦が始まる前までは対戦成績で10連勝してガードしていたのが、番勝負の中で一つ敗れたところから、将棋サイボーグにその人間的な「意識」が忍び込んで、最後まで拭いきれなかったのかなと。

 

 しかし、叡王戦は何かドラマを生みますね。最初の番勝負は誰もが予想しなかった高見さんをfeatureし、永瀬さんと豊島さんの終わりのなき戦い、そして最後は勝ったけれどもその豊島さんと藤井さんで最終局まで進み、そして今回は藤井さん失冠と。

 対局後のインタビューとかは全部ちゃんと見ていないのですが、藤井さんもずっと一人でタイトルを保持している状況は必要以上の重荷に感じられていたのかなというようにも聞こえました。あと、やっぱり伊藤さんも勝ちそうだと分かって震えるみたいなことも感じさせず(内心は見えないので分かりませんが)、盤上没我で戦う勇者でしたね。(と思いました。)

 

 

(最近は園芸のブログばかりだったので、久々に将棋観戦の感想を書いてみました。)