[将棋]NHK杯女流棋士出場決定戦の結果 | 福間香奈さんを応援するブログ!

福間香奈さんを応援するブログ!

女流棋士の福間(旧姓里見)香奈さんを応援しています。その他将棋や自分の日常のことなど。

 本日は、福間香奈女流五冠と西山朋佳女流三冠の間でNHK杯本選出場権を掛けての対局の放送がありました。

両者の対戦成績はほとんど互角ですが、最近は若干、福間さんがリード気味。今年度の両者タイトル戦の激突で言えば、福間さんは清麗、倉敷藤花、女流名人の3つで星を引き離して勝ちましたが(3-1、2-0、3-1)、ビッグタイトルの白玲では4-3のフルセットでしたが西山さんに軍配が上がり。均衡しながらもやや傾きつつあるかどうか位でしょうか。
解説は振り飛車党というか三間飛車の山本博志五段、聞き手は鈴木環那女流三段。山本さんは西山さんとの研究会ほか色々なエピーソードを紹介してくれました。
対局前の福間さんのインタビュー時の表情。番宣に使われて写真でもだいたいこのような表情でしたが、なんか小学生の女の子みたいで可愛い...。飾りっ気が無いのはいつも通りかもしれませんが、無欲というか無心というか、気負いもなく自然体な感じに見えました。
戦形ですが、先手の福間さん(対局始まると流石に顔つきは真剣でやや恐いくらい)が予定通りの中飛車に対し、西山さんは相中飛車を選択。
序中盤は基本的には互角で推移し、最終的には両者向かい飛車に振り直す展開に。角道を開けたままの相振り飛車で角交換をすると手損という関係などもあり(か?)、先手が損をしないように慎重を期し、対する西山さんは概ね想定通りだったか、結果として福間さんの方がやや時間を削られる展開となりました。それでも互角以上(50~60%程度)で中盤戦に入りましたが、そこからの折衝を上手く立ち回った西山さんが抜け出す形に。途中、▲4三銀成で形勢互角に戻ってしまったところ、▲4三銀不成なら先手ややよしを維持だったようで、その意味がしばらく分かりませんでしたが(解説の山本さんも)、手が進んで後手から△3四角という飛車と成銀の両取りが発生しました。
終盤戦、苦しいながらも必死に粘り続けますが、今日は西山さんの日だったようで、全体を通じて後手の快勝という結果でした。
勝った西山さん。始終ポーカーフェイスというか、まったく浮ついた感がなかったと書くと失礼な表現かもしれませんが、ぐっと腰を深く据えて、いい感じの落ち着きがあったのかなと。
感想戦の放送は尺が5分ちょっとしか残っていませんでしたが、実際の現場ではもう少しやっていましかね?負けてしまったのは残念ですが、仕方ないです。福間さんには、いつかはNHK杯でベスト4くらいまで勝ち上がって欲しいと思っているし、この両者はどちらも本戦に出て良いくらいの実力と実績があると思いますが、男性棋士の予選も激烈な狭き門なので、現状では女流棋士枠が一つなのは妥当な線に思えます。西山さんは早指しが得意なはずですがNHK杯の本戦ではその強さをまだ発揮できていないので、今回は頑張って2つ3つ勝ち上がって欲しいですね。
 
 今日の対局に戻ると、両者の良い所が出たという感じよりは、むしろ両者それぞれご自身の課題と向き合う姿勢が垣間見えたのかなと。西山さんは元々は終盤型の早指し派だったのが、福間さんとの一連のタイトル戦を経て序盤研究にも力を注ぎ、序中盤から時間を注ぎ込むスタイルへと変貌しつつあるのかと。今日も序盤で大成功ではないにしても、マイペースには持ち込んだのかなと。福間さんは長考派で序盤研究が厚く、攻守のバランスを保ちつつ、終盤も強い。さらに勝負度胸があるので長考派ながら早指しも苦手ではない様子・・・、ということで、消去法で言うと時間が有ればいくらでも考えたいという局面の中盤戦で、良い時と悪い時の差が有るのかなと。それは誰でも同じかもしれませんし、最終盤でなくても指運の類のことかもしれませんが、冴えている時とそうでない時があるかなぁと。(誰でもそうか。当たり前かな?)年明けから春先は対局数が少ないので、(競馬に例えるとw)ギリギリに仕上がっている状態より、やや太め残し。これで一叩きして次は走るでしょうみたいな感じかなと...。
 圧倒的に差があれば強い方がいつも勝つのでしょうが、均衡状態を維持していると作用反作用でもないですが、ややビハインドの側が次は勝つというようなシーソー現象となりやすく...、そんな風にも思えます。