本日行われた白玲順位戦リーグA級にて、先手番の福間香奈女流五冠は石本女流二段との相中飛車戦を制し、リーグ5連勝できっちり首位をキープしました。敗れた石本さんはこれで3勝2敗と一歩後退。また加藤桃子女流四段対伊藤沙恵女流四段の2勝1敗同士の対戦も本日ありましたが、伊藤さんが勝って3勝1敗で単独2番手となりました。
福間さんの公式戦は約4週間前の女流名人戦第4局以来となるので、戦いぶりが注目されました。今日は先手だったので、お約束の初手▲５六歩からの中飛車を選択。対する石本さんも基本的には振り飛車党と思いますが、作戦だったのか途中まで先後同形となる、いわゆる真似っこ相中飛車。そこから相三間飛車となり、福間さんは（石本さんも？）相振り飛車戦の引き出しは多いと思いますが、基本的には力戦に突入かと。今日は持ち時間3時間でしたが両者だいたい同じようなペースで時間を使い、最後は二人とも秒読みとなるほぼ形勢互角の時間が長かったかと。終盤最後の方は地力で勝る福間さんが石本さんの攻めを受け切って徐々に抜け出していったようですが、見た目は一つウッカリが有ればひっくり返されるんじゃないかと恐い感じでした。まぁ、そんな簡単なウッカリは無いものだとしても...。石本さんもA級在籍ですから序中盤で圧倒と言う訳いもいかず、むしろ中盤ではやや後手良しではという控室見解もあったようで、終盤の殴り合いに持ち込んで最後は倒した感じでした。ヒヤッとするところまでは行ってない気もしますが、目一杯時間を使って慎重に着地まで持っていた感もあり、考えようによってはそういう風に勝てる方が実は強いってことかもしれません。競馬に例えると（出た
）、直線4馬身、5馬身と引き離して圧勝するよりも、鼻差、首差で並んで走っても絶対に抜かせず先にゴールするのが本当に強い馬という、そんなイメージでしょうか？
もう一方の注目カードの加藤vs伊藤戦ですが、伊藤さんは女流王位の挑決戦での直接対決で加藤さん敗れ、前局では女流名人リーグ入りの一戦を落とし、バイオリズム的に急下降のようでもありましたが、今日は踏ん張って（むしろ気合が入って？）、どちらかというと加藤さんが駒損で突っ込むみたいな展開になったからかもしれませんが、それでもやっぱりちょっと間違えれば頓死みたいな局面を冷静に凌いで快勝したと言えそうです。
さて、今週末の24日（日）はNHK杯の女流棋士出場決定戦ですね。
福間さん
、頑張れ～
