昨日行われたマイナビの挑決戦は、後手三間飛車採用の甲斐女流五段が先手居飛車穴熊とした加藤桃子女流三段に勝って、西山女王とのタイトル戦五番勝負へ名乗りを上げました。加藤さんはここまで女流棋戦10連勝中とのことで絶好調。対する甲斐さんも今期は好調。大方の予想通り対抗形になりましたが、加藤さんが中盤戦に入るところ、穴熊の堅さを活かそうと5筋から銀をぶつけての仕掛けから、9筋の歩を突き玉頭戦の展開としましたが、どうも無理気味だったようです。大局観が悪かったとの反省の弁でしたが、最近が絶好調過ぎてのためなのか慎重さを欠いたような感もあり、大一番だっただけにいかにも残念。甲斐さんの勝利者インタビューで、最近好調な理由は特に勉強方法を変えたとかではなく、自分から仕掛けて良くしようとするより難しい局面が続く状態を楽しもうと受け入れているというようなことだったので、まさにその自然体のゆったりした落ち着きで、相手が勝手にこけたみたいな一局でしょうか......（ちょっと言葉はきついですが）。
加藤さんがマイナビで挑戦者となれば、対西山戦で結構チャンスありという空気もあったのですが、そんなに簡単にはいかないものですね。女流王位戦で伊藤さん、甲斐さんに連勝すれば挑戦者になりますが、里見さん相手の方が少しやりにくさはあるのかも。
というように思いつつも、西山さんもタイトル戦になればそれまでとは違ってやっぱり強いところを見せるかもしれませんし、甲斐さんが実はめっちゃ強い状態かもしれないし、女流王位戦も誰が挑戦者になっても油断できないという話かもしれません。両方で甲斐さんが挑戦者になると、それはそれで挑戦者が二人のタイトル保持者と戦う変則ダブルヘッダーで、それはそれで忙しかったりするでしょうが、誰が勝ち上がるのか予想は難しい。と、諸々あるのですが、とにかく春は女流王位戦で里見さんが勝つことが第一です。