[将棋]女流王将戦準決勝:里見女流四冠辛勝 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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本日18時より、囲碁将棋チャンネルで女流王将戦準決勝の第1局の放送がありました。

先手となった里見女流四冠が中飛車を採用、後手の伊藤女流三段が三間飛車で迎え撃つという出だしでした。
対局日が7/28で、この時はまだ眼鏡でしたね...。(8/10加藤圭戦からコンタクト?) 
対局相手の伊藤さん。新型コロナ発症が8月中旬でしたので、その少し前。しかし、改めて通算成績を見ると流石の7割越です。
解説は片上七段、聞き手が室谷女流三段で、このお二人は森信雄門下の兄妹弟子関係になりますね。 
力戦模様となり、先に長考したのは伊藤さんでしたが...。 
形勢が思わしくなく、里見さんも時間を使い、中盤の途中からは両者互いに40秒将棋となるスリリングな展開になりました。
ツイートで片上七段が面白い将棋だったと宣伝していた通り、大激戦でした。
(ので、結果等は今日はいったんは書かないでおこうかと。。。)
 
----ここから、8/29記)---
相手に限らず、先手で里見さんが中飛車にし、相手が振ってくるというのはよくあるケース。ただし、中飛車左玉はあまり使っているのを見たことがありません。作戦というより、局面を見ていて(数分考えて)左に行くかと決めたような感じには見えましたが実際にはよく分かりません。そう言えば、昔の対局でも、振った飛車を戻して作戦勝ちした相手が確か伊藤さんではなかったか?(2019年の女流名人戦)。とにかく、2筋で振り飛車側の歩が伸びているという以外は普通の対抗形となり、居飛車が5筋位取りという将棋に。
35▲4五歩と開戦し、38△4二飛を見て、39▲2六歩と2筋を逆襲したものの41▲4八飛と戻り、45▲2八歩と受けた局面はぐっと辛抱という感じ(▲4七飛と受ける手が推奨されていましたが)。伊藤さん側のいわゆる左桂が捌けて、角も交換し、後手調子良しという展開になってしまいました。
 
テレビ画面上では勝率の%表示が出て候補手も出てきますが、解説の片上七段のプロの読みと感覚の話とセットで聞いて、局面の理解が進む感じです。(ちょっと例えが違うかもしれませんが、名画鑑賞も山田五郎教授の話を聞くと趣が増すというのに似てる?) 中盤戦のまだまだこれからというころから両者持ち時間を使い切り、40秒将棋に。一時は伊藤さん必勝かとも思われるところまで追い込まれましたが、詰む詰まないの自玉と相手玉を読む最終盤の読みのスピードと正確さを競う戦いに。女流王将戦予選ならではのスリリングな勝負となりました。これが持ち時間の長い将棋であれば、序中盤はじっくり読んで考えたい局面も多かったでしょうし、終盤あの形勢になって伊藤さんにもう少し時間があったら逆転できなかったのかもしれません。ただ、そういうのを全部ひっくるめて一局が成り立っている訳でもあるし...。番組の解説の中でも触れられていましたが、伊藤さんは68△9三玉、84△8四玉と、これは伊藤さんの玉が上に逃げる棋風なのでしょうが、それが結果としては良くなかったかもとのこと。秒読みの中では、指運というかその人の個性が出てくるところでしょうか?
流石に肝を冷やす場面も多かったか、勝った里見さんも終局直後は安堵しつつも疲労困憊?
伊藤さんは、終局直後にすぐ感想(戦)で、ここはどうでしたかというように話しかけていましたので、やはり勝ちを逃した悔しさが少し見えましたでしょうか。
勝者インタビューの時は、また普段通りあっさりしていました。「あっさり」は表現としておかしいかもしれませんが、淡々と一局を振り返られ、終盤96△7五香のところで勝ちになったと言われてました。