一昨日のブログに書いたように、今日は注目の対局がありました。里見女流四冠が朝日杯1次予選に登場。1回戦の相手は村田智七段でした。持ち時間40分の早指し棋戦、後手番となった里見さんですが、迷わず中飛車を採用し対抗形の将棋に。居飛車側が7筋の位を取って盛り上がっていくのに対し、3筋に振り直した飛車を捌きに出て応戦。結局、飛車交換になって互いに敵陣に飛車を打ち下ろして攻め合う勝負となり、里見さんが先に持ち時間を使い切る熱戦に。そこから玉頭戦の様相も含みつつでしたが、里見さんが見事に指し切った一局、見事な勝利となりました。先週の白玲戦では、苦い思いをしましたが、やっぱり勝つのが最高。居飛車側が5六の歩を突き、5五の位を取らせない形になったからかもしれませんが、割と序盤早々に自分から仕掛けて動いていき、臆せず戦い切って挙げた勝利と言う感じで、戦ってるんだよなって....。御本人の気持ちは分かりませんが、普段どれだけタイトル戦などで勝利を積み重ねても、淡々ともっと実力をつけていきたいと話されている訳で、負けた時(白玲戦のこと)でも、同じように淡々と、と言う訳にはいかないかもしれませんが、やっぱり平常心、向上心を持ち続けて次に進むということなんじゃないかなぁと。そこが勝負師の辛いところでもあり、我々から見れば純粋に戦い続ける人という棋士の魅力の根幹でもあり。
午後に行われた2回戦の相手は、安用寺七段。またしても里見さんが後手番となり、最近はずっと後手ばかりじゃないかと、振り駒の駒たちに文句を言いたくもなりますが、そこは仕方がないかと。相振り飛車戦となり、最終盤のところで(ちょうど今日は1日中、会議続きだった私も無事に仕事を抜け出し)モバイル中継にへばりついて見てました。97手目で先手に王手された局面のコメントで、「ここ数手で勝負はハッキリ」と書いてあり、まだ勝負はどうなるか分からないのかと思いましたが、101手で先手勝ちとなってしまいました。狐につままれたという感じでしたが、ソフトによると先の王手された局面で△7二玉と逃げれば詰まずに勝勢だったところ、7一に逃げたために詰みが生じて逆転負けになってしまったようです。ちょうど1分将棋に入ったところでもあり、もう少し時間があれば良かったのでしょうが、お互い同じ持ち時間で戦っている訳ですから・・・・・・、無念です。
さて本日の注目局に清麗戦の挑決戦があり、モバイル中継では久しぶりに実験動画放送もやっていました。
タイトル戦初登場の期待がかかった鈴木環那女流三段とタイトル復活を目指す加藤桃子女流三段の激突でしたが、こちらは加藤さんが勝利し、9月23日から始まる里見清麗と五番勝負に進むこととなりました。初戦の9/23は秋分の日で休日、場所はホテル・オークラということで、ひょっとすると大盤解説会があるんじゃないかと期待してしまいますが...。ただ、やるとなったらアナウンスとか含めて今から準備になるので、ちょっときついかな?
鈴木さんは残念でしたが、加藤さんのインタビューは対里見戦への率直な気持ちの吐露などがあり、なかなかよく語られていて、読まされる記事になってます。タイトル戦では熱戦が期待されます。(と書いてはみたものの、本音では気を揉むことがないよう、里見さんの3連勝がベストという気持ちも正直なところある...。)
加藤さんご自身のブログもありました。
あと、王位戦、夕方からAbemaで最終盤を見ていましたが、普段通りというか、今日は普通に強い藤井王位が戻ってきましたね。豊島さんを苦手とする劣勢意識?みたいなのは払拭されたのでしょうか?