本日、里見女流四冠は関西将棋会館で村田女流二段と白玲戦のG組リーグ3回戦での対局を行い、後手番中飛車で168手という長い戦いを制し、3勝目を上げました。最後は両者秒読みとなりましたが、今日の1局では全体的に里見さんの方が早く時間を消費し、持ち時間2時間と短めということもあるかもしれませんが、慎重に指したという面と、なかなか思うような（有利となる）展開に持ち込めずに苦労していたと、そんな印象を受けました。村田さんは関西の先輩で、ここ一番度胸が据わっている（とお兄さんの村田智弘七段が昔ニコ生で言ってた）とかもあるのかもしれませんが、実績、実力合わせ見れば、里見さんが負ける可能性は5%くらいじゃないかと思うんですが（今日も最後は実際に勝ったし）、結構もつれた激戦になったような感じです。里見さんの方は、盤面に向かえば勝つことに集中ということでいつもと同じなのでしょうが、タイトル戦などと比べればここを目標にしてきた訳でもないと思うので、気持ちの作り方、研究の準備を含めて、盤の前に座る前からリードする勢いというより、盤面向かってそこでの瞬発力の勝負的なニュアンスがあったのかどうか......。
先手の村田さんが居飛車、後手の里見さんが中飛車の出だしで、5▲５六歩と突いて中飛車に５五の位を取らせない指し方。その後、角が睨み合った形でしたが22△４四歩と角道を止め三間飛車に振り直す展開に。3筋の歩がぶつかりましたが、どちらからも取りにくい様子で、36△１二香と手渡しの一手。その後、先手は57▲９九玉と穴熊に組み直し、この時点で先手49分に対し後手1時間の消費で、このまま固められると嫌かなぁって予感。66△９二玉は、先手の角筋で狙われる様子もないことから、戦場から一路でも遠くという意味なら、ますますもって苦労してたのでしょうか？78△６二飛と回り、先手79▲１一とで、香車を取りに行くも、１二に上がっておいた効果でもう一手必要で序盤に貯金した一手が生きてきて、80△５五銀と上がりようやく後手の攻撃開始。この辺から里見ペースで、村田さんも苦し紛れ？に99▲６三歩と飛車先を叩き、その後も先手先手で飛車をいじめて盛り返されました。109▲６四金に110△同飛と食いちぎり、112△６八歩成でいよいよフィニッシュへ一直線かと思いきや、ここで先手残り5分、後手残り2分とほとんど時間が残っていない状況に。こうなると、やっぱり穴熊の強みで簡単に寄らず、両者1分将棋に突入する中、135▲７八金と当てられて、７九の龍がやむなく136△１九龍と香車を取りつつながらも、いったん引き上げ。最終盤の寄せ合い勝負になって負けるってことはまずないだろうとはいえ、この辺りは若干心配しながら見てました（仕事の合間に(^^;）。その後、146△８六歩と玉頭に歩を突き、その後もしつこく8筋を歩で攻め、先手陣を崩壊させ、168手までの勝利となりました。追い込まれる展開ではなかったかもしれませんが、苦労を重ねて楽には勝たせてもらえないなぁって一局でした。でも、勝って何よりです
。
里見さん、今日もナイスファイトでした。
村田智穂さんもお疲れさまでした。