毎日新聞
女流タイトル戦で最年長の記録を更新して初の50代挑戦者となった中井広恵女流六段(51)が、里見香奈倉敷藤花(28)に挑む第28期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負の第1局が5日、関西将棋会館で指され、里見倉敷藤花が115手で勝利しました。(写真は対局開始前の様子。日本将棋連盟提供) pic.twitter.com/bLRd981rfj
— 毎日新聞・将棋 (@mainichi_shogi) November 5, 2020
山陽新聞
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本日、関西将棋会館で行われた第28期倉敷藤花戦三番勝負の初戦は、先手となった里見倉敷藤花の中飛車採用で対抗形となりましたが、115手で挑戦者の中井女流六段を下し、幸先よく先勝しました。
(棋譜はこちら)
里見さんの先手中飛車はいつ見ても気持ちがいい(もちろん勝てばなおさらです)。後手の中井さんが角道をなかなか開けない左美濃で、仮に先に△6四銀と上がると▲6六銀の銀対抗になることが多い気がしますが、一手先に25▲5六銀と中央に上がり、26△6四歩と突く展開に。(必然性があるのかどうかは分からないのですが・・・。)その後、後手中井さんの7筋からの仕掛けに対し、39▲7八飛とぶつけて、40△7八飛成、41▲同金の飛車交換に。この辺りで、後手陣のほうが飛車打ちの隙があるのことで先手よしとのことでしたが、それよりも後手がここまで持ち時間2時間中の50分を費やしているのに対して、先手はわずかの5分。順調そうに見えます。後手はその後、先手陣にいろいろと手を付け、午後になって58△6九飛と先手陣の狭いスペースに飛車を打ち込み、7三の桂が、60△6五桂と調子よく跳ねてきた辺りは、形勢逆転ではないかとのこと。70△3六桂と3七の先手の桂の上から王手され、71▲2九玉の局面で後手に持ち駒はありませんが、金があれば先手玉はいきなり頭金で即詰みという恐い形に。後手の6九の飛車を捕獲するにも金との交換はできない状況でどうなるのかと思いましたが、73▲8八金、75▲7八龍と後手の飛車をただ取りする包囲網を完成することに成功しました(先手の駒を何か取ろうと思っても歩しかとれない)。その時点で、里見さんの残り時間は35分、後手の中井さんは1分将棋となり、あとはいかに勝ち切るかという流れになって、結果的には危なげのない勝利となりました。とは言うものの、先手玉が狭いところにいる状況は続いたままですので、見た目は恐い感じで、「お前、こっから変わって指してみなよ」と言われたら、たぶん詰まされて頓死してます
。
モバイル中継終盤の小林健二九段のコメントで「中井さんが執念の追い込みを見せていますね」とのことで、1局通して、プロレベルとして結果は壮絶ノックアウトかもしれませんが、ジリ貧で見せ場なく終わるより、隙あらば食いつこうと殴り合う将棋で盛り上がりました。
改めて、里見倉敷藤花、先勝おめでとうございます。(番勝負で一つ勝って、おめでとうとは言わないかな?他になんて言えば良いのか?「まずは、おめでとうございます」でいいのかな?)敗れた中井女流六段も、ナイスファイトでお疲れさまでした。早速、御本人がツイートされていました。
今日の将棋は飛車を打ち込む時に取られる順に気を付けなきゃ・・と思っていながら、金を反対に寄られるのを見落として飛車が詰んでしまいました💦
— 中井広恵 (@HIROE624) November 5, 2020
あの辺りで何かありそうな気もするのですが・・。
皆様からのメッセージ、励みになります。有難うございました🙇♀️また第二局頑張ります!
あと、こんなツイートも(73▲8八金に関し)。
つよっ#ShogiLive #第28期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第1局 #里見香中井 #73手
— 折田翔吾(プロ棋士) (@ageageshougi) November 5, 2020
11月21日の現地大盤解説会参加が楽しみになってきました。順番的には、その前に女流王座の第2局があるので、まずは打倒西山さんです。里見さん、頑張れ~。私も他にできること無いんで、今度の週末は、鎌倉の鶴ケ丘八幡宮に行って必勝祈願のお詣りして来ようっと。