本日、関西将棋会館で行われた第3局（棋譜はこちら）にて、先手番の里見女流王位が挑戦者の加藤桃子女流三段を下した結果、3勝0敗で女流王位の防衛を決めました。昨年クイーン王位の資格を得たところですが、これで通算6期となり、また女流棋戦のタイトル獲得数もキリの良い数字の通算40期となりました。おめでとうございます。
おそらく、ご本人はあまり記録とか数字を意識したりすることなく、今後これからもまだ、どれくらい強くなれるのかという、そういう基準で考えられているのではないかと思いますが・・・（でも、やっぱり勝てば嬉しいねん
）。プロ棋士編入試験云々は置いとくとして、女流棋士のトップでいる間は一般棋戦への出場チャンスがあり、力試しというのか、まあ勝ったり負けたりしつつも、さらに向上するよう目指しておられるのかと・・・。（本当は勝って勝って勝ちまくってほしいんだけど...。） しかし、女流棋戦タイトルも40まで来ると、清水市代さんの通算43期という数字も（そこを目標にしないとしても）射程距離内ですね。来月からは早速、第2期清麗戦の防衛戦が始まりますし、秋には倉敷藤花、それと女流王将、女流王座のリターンマッチに向けて挑戦者争いのトーナメントもあり、冬には女流名人戦もあり・・・。そういう意味で、順調に行けば43期はいつかは自然と通過していきそうですけども、そこに一喜一憂することなく、単純に一つ勝つたびに嬉しいってことで行きたいなと。
今日も先手、里見さんの中飛車、後手、加藤さんの居飛車穴熊で、第1局と比べると先手が1筋の端歩を▲１五歩と詰め、飛車が５八にいるのに対し、後手の右銀が３一まで到達し角を４二に引いた位置で、41▲６五銀に42△８六歩と飛車先を突いて開戦という序盤戦。45▲８八飛と回って後手の飛車を自陣に追い返しつつ、57▲１四歩とやはり本局も里見さんが端から手をつけていきました(しかも少し後に角を見捨てることに)。中継ブログの先崎九段のコメントでは、少し早いんではないかとのことでしたが、今日も里見さんがテンポよく仕掛けていく流れ。第1局、第2局ともそんなイメージでしたが、対穴熊戦だからかもしれませんが、意外と今シリーズは里見さんがあまり時間も使わず早めに仕掛けて、加藤さんも長考に沈まず強気に返して激戦化し、そこでのやり取りで里見さんが一気に流れをつかんで持っていくという感じでした。局面的に違うということも当然あるでしょうが、今日の加藤さんは相手のペースに引き込まれず、じっくり時間を使って腰を据えて戦うという感じで、最終的に手数も143手、消費時間も勝った里見さんが残り14分、加藤さんは最後1分将棋ということで終局がほぼほぼ7時。夏至に近い時期なので、まだ外は明るかったものの昼休憩空けた13時から6時間も戦っていたのですね。持ち時間が4時間と長い女流王位戦ならではの終局時刻かと。
私は広い意味では加藤さんも応援しているし、フェア精神の観点で、両者が遺憾なく実力を発揮してもらいたいと思いつつも、実際に対局中継を見ているときは出来るだけ早く優勢になって、終盤も間違いが起こりにくい一方的な展開にならないかなとか、ついつい思っちゃいます
。今シリーズは3勝0敗で、結果的には危なげなかったのかもしれませんが、一つ取られたらどうなるか分かりませんし。特に、加藤さんは本局を含めて対里見戦で9連敗となり、疑心暗鬼状態でなおさら手が見えない、伸びないということなっているのかもしれないので。それで、一つ勝つとメンタル的にガラッと変わる可能性はあるかもと。対する里見さんは、シリーズ通して積極性を保って、やってみようと思ったことをやり抜いた・・・・・・のかな？(^^;
いずれにせよ、両者ともお疲れさまでした。（私個人としては今日は午後半休を取って、大正解でした。）