[将棋]女流王座戦第4局を見終えてほか | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 ニコ生を見ましたが、大平六段の解説は歯に衣着せずという感じで分かりやすかったです。そのことについても触れながら、まずは振り返りを。

 第二局と同じ進行で先手の加藤さんが居飛車穴熊、後手里見さんが中飛車の展開。49▲5五銀の仕掛けに対し、50△3五歩、51▲2六飛の交換が有ってから、銀交換し54△7五歩と急所に手が伸びる...、ということでしたが、そういうのがパッと見で全然分からないのが私の悲しいところ。大平さんがしきりに両玉の居る盤面の左側に駒の利きが行くようにしないといけないと言っていたので、そういうもんなんだなぁと。58△7五銀、60△7六歩と抑え込んで圧力をかけていきますが、elmoの評価値では-100程度で(ぽんぽこさん使ってみたいんだけど入れ方が分からないという…)やや後手持ち位の数値。ただし大平さんの解説ではこのあたりでは後手ペースで、もっと差が開いているようなイメージの解説でした。わりと解説棋士の方は多くの場合、はっきり形勢に差がついても不利な側を応援している視聴者に夢を持たせるため?か、あるいは一手で形勢逆転も起こるので慎重に控えめな評価をすることが多いようですが、それだと逆に聞いていて分からないところもあり、はっきり形勢判断して解説するのが良いとも悪いとも一概には言えないかもしれませんが潔いかなと。今回のニコ生放送はソフトでの評価値表示を使ってなかったので、その分はっきり言う必要が有ったのかもしれません。ただ私は里見ファンなので(みなさん知らなかったかもしれませんが(^^ゞ)、後手良しと言われて気分は悪くないのですが、加藤ファンは少し辛かったのかも。でも、よく分からないまま手が進行して突然これは敗勢ですねとか言われるともっと辛いし。。。

 ソフトの評価値の数字の大小とは別に、やはり先手がずっと重苦しい展開ではあったようで、66△8六銀に67▲同角と勝負手気味に角を切って加藤さんは局面打開を目指しましたが結果的には形勢悪化を加速させてしまった模様。里見さんの方も72△8七歩がやや疑問手で、大平さんは替えて72△6九角を推奨していましたが、反省して?じっと74△5九角成から後はじわじわと引き離し、結果的には92手での完勝に近い内容だったのかなと思われます。最後、大平さんからのコメントで、時間を使って考えたのだから三段リーグを抜ける人なら90△6九金は打って欲しい、との期待には抜かり無く読めていますよという感じでした。それと、最後少し時間を使ってなかなか投げなかった加藤さんがどこで投了するのか?これ以上指してはよろしくないと言った大平さんに対して、聞き手の千葉女流四段から、自分の体験も踏まえ、投了すると関係者がどっと対局室に入ってきて勝者にフラッシュがたかれ、その後インタビューで敗戦の弁と第五局に向けての抱負を聞かれることになるので、(泣いたりしないように)少し冷静になる時間が必要とコメントされました。さらに視聴者からも、タイトル戦に出たことのない棋士が言うな、という手厳しいコメントあり。視聴者の中にプロ棋士もいるでしょうが普通に考えればアマチュアの方だと思うので、正論だとしてもやや礼を失した発言のようにも聞こえますが、そのコメントを拾って、確かにタイトル戦に出たことのない自分が言ってはいけなかったと反省したのも、大平さんらしいところでした。

 プロ棋士は、一芸秀でるという面ではどなたもかなり際立った才能の持ち主と思っていますが、タイトルを取って脚光を浴びるのはその中のさらに一握りの方に限られます。先日、永世7冠となった羽生さんのように将棋が一流に留まらず、ノーベル賞受賞者の山中教授やソフトバンクの孫さんなどなど、各界の一流人と普通に対談して渡り合える人は希少かなと。2月に女流王座の就位式に行ったときに田中寅彦九段と少し話が出来ましたが、印象に残っているのは棋士も変わった奴が多いですが末永く見守ってやってくださいとのことでした(変わっているという点では私も社会のど真ん中を避けて路地裏を歩みたいほうなのでなんとも言い難いですが、スーツを着ているときは社会人なりのサラリーマン振る舞いをしている訳で…)。何が言いたいのかうまくまとめられませんが、末永く将棋ファンとして将棋、将棋界、棋士、女流棋士のみなさんを応援していきたい、とそんなスタンスでいたいとは思っています。

 そう言えば、話変わって渡辺棋王も鹿児島を旅行されているようで、傷心旅行かもしれませんが、行くとこ行くとこでファンからの手厚い歓迎を受けているようで、そういう触れ合いから気を新たに進んで欲しいですね。年齢も30代前半ですし、才能頼みだけでなく読みの力と研究や序盤戦略で勝ってきた人だと思うので、気力が充実すれば息の長いステイヤーだと思いますけど。

 女流王座戦に戻って、次局は12/22に最終戦となります。今日の第4局の感想戦では加藤さんが今一つ出来の悪い将棋だったからかもしれませんが、読みの深さで里見さんに及ばずという感じがでてましたので、結構辛いところかも。今年の夏場頃までにかけての女流棋戦の様子から、対上田女流三段戦、対伊藤女流二段戦の相対比較から加藤さんもひょっとすると里見さんを相手に五分以上に戦えるのではないかとの推論も成り立つように見え、今回の女流王座戦第1,2局からそのまま押し切れば、それが正しかったとも言えたのでしょうが、やはりここに至って星勘定はともかく地力差有りが見られたのかなと思われます。加藤さんの負けた時の姿は今回に限らず切なくて可哀想に見えちゃうんですが、勝負ですから…。流れから言って優勢には思いますが、油断は禁物。今年の最終戦になると思いますので、里見さんには体調だけには十分気を付けてもらって、オンとオフの切り替えをしながらリラックスして勉強を続ける日々を送り、最後締めてもらいたいなぁと思っています。ちなみに明後日の11日にはマイナビの準々決勝でvs貞升戦が有りますね。あと続く12日は女流王将の就位式ですが、私は舞い上がらないように気をつけて行ってきたいと思います(まぁ無理なんですけど)。