[将棋]美サイレンス | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 叡王戦の藤井聡太四段の佐々木大地四段戦の最後逆転劇は凄まじかったですね。今日は仕事やんなきゃなぁと思いながら、ついつい杉本vs三枚堂戦も終盤のギリギリのスリリングな寄せを見てしまったし...。杉本さんが途中寄せ間違いそうになってか、一分将棋の中、脇息にもたれてぐったりしてしまうし(最後はなんとか粘る三枚堂五段を振り切って勝ちましたが)。ちょうど最近は森九段の「寄せが見える本」を復習で読んでいるのですが、自玉が詰まなければ必死をかけて勝ち、ただし自玉が詰むなら一手隙で負けという、まぁ読み切れるのであれば単純明快な話にはなるのでしょうが、しかし、藤井さん、評価値では3000点くらいマイナスで必敗形だったのをひっくり返してしまいましたね。7時からの杉本四段戦も見たい。。。

 後手番、相掛りで中終盤から形成を損ね、最後必敗形と思われ玉が追われる中で、佐々木四段が王手をせず退路を防ぐ一手隙のやや自信なさげな▲6四銀の瞬間、待ち構えて狙っていたかのように3六の馬が△5八馬と金を取って佐々木四段の6八玉に王手。その一瞬に、佐々木四段も気づいたかのように弱々しい手つきで同玉と取り、続く△3六角の王手に、そっと置くだけのような▲4七金合い。もうニコ生の画面の中では場面が静寂しきって完全に皆が終局を見守るだけの状況となってしまいました。解説陣の及川六段と藤田女流もその一瞬の大逆転劇に沈黙したのち、詰み筋の解説を再開しましたが、それでも場は完全にサイレントな空気になり、ただ視聴者からの驚愕コメントががんがんと画面を横切るような絵になっていました。

 お互い一分将棋の中、敵玉の詰みと自玉の詰みの両方を読み切っていないと最後勝利に至らない、そんな逆転劇はアマチュア将棋では、普通に有る気がしますが、プロの対局でもこんなに完全な状態で起こるんですね。5三の地点でばらして結構盤面はスッキリしていたので後手玉は逃げにくく紛れにくい感じかなとか思っていましたが。

 藤井四段は先手番では依然として無敗記録を更新中で、後手番で6敗。その中に佐々木大地戦も含まれるので、今回もまた後手番となり、二連敗となると味が悪いのですが、そういう意味でも大きな一勝だったかなと思います。

 

もう今日の仕事はいいっか?>いやダメ、明日死ぬ。