[将棋]第43期岡田美術館杯女流名人戦第一局 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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まずは昨日の前夜祭の補足から。

 最初に座席に着いたところからですが、お箸の袋が2つ有る?しかも一つはどでかいぞ?と思ったら、そちらは開けてみたら写真のとおり扇子でごんした。その後、前菜以外はビュッフェ形式だったのでお寿司、カレー、ローストビーフ、ete.etc.で最後コーヒーとデザートで満腹・満足◎でした。あと「金将」の写真は揚げパンにチョコで文字書きの将棋イベントならではの一品。で、あと(という紹介の仕方は変だろ>自分)森下先生。

 前夜祭のお開きの言葉は青野専務理事でしたが、着席方式でファンの方々はあまり棋士と話が出来なかったかもしれないので、お開きの後残った人達とは歓談くださいとの有りがたい言葉。そうなんですよね。対局前日のイベントなので対局者のお二人は途中退席で、また、あんまり気楽に話しかけたら悪いと思うので(と言いつつも私は無茶しましたが(-_-;)、解説者や聞き手の先生方とはたくさん話がしたかったなぁと思うところ。ですが、実はイベント後半には飯野女流がテーブルに廻ってきて、全員に飲み物を注いでくださいました。それで思い出しましたが、会場内に2,3名の謎のミニスカのおねえさん(コンパニオン?)が居て、お酒を注ぎに廻っていました。普段だったら、鼻の下伸ばしてデレデレしたかもしらんのだが、昨日の状況ではちょっと違う;と思ったのは私だけ?あと場馴れしているファンの方達が多くいて、望遠でバシャバシャ決めていました。私はスマホとコンパクトカメラだけ。。。その人達は将棋も詳しいようで最後お開きの後、むろやんと仲良さそうにおしゃべりしながら記念写真を撮ったりしていました。私は里見さんと握手したので浮気っぽいことはしたらアカンと、誰もそうは思わないだろうけど、自分的には納得の一夜でした。

 

 さて今日の対局ですが、残念ながら里見さんが負けてしまいました。無念。最強のチャレンジャー、上田さんは子育てしながらの出産後復帰で、単に将棋云々だけなら里見さんの中に負ける要素は無いと思ってたのですが、そういう人生の大きな局面を経て勝負に臨む人はやっぱり恐いかなという感じが出てしまった気がします。限られた時間をやりくりして集中して勝負に臨んだ上田さんの気合に勝利の女神がほほ笑んだかなと。あと旦那さんがプロ棋士っていうのも。。。理解が有るだろうし、将棋そのものも教えてもらったりするのかなぁ?どうだろう。里見さんにも現役バリバリの一流男性棋士がコーチしてくれたらさらに早く強くなるんじゃないかとか思うんだけど。。。

 大盤解説会は13:30スタートで12:20には会場の岡田美術館の中にいたのですが、美術館だけにカメラ、スマホ等一切持ち込み禁止。ただお昼の時点でもう局面は中盤まで進んでいたので形勢がすごく気になるところ。スマホが有ればブログとか棋譜とかリアルタイムで追跡確認出来るのだが。。。で、13:30スタート。森下先生の解説の良かったところ良くなかったのではないかと大変僭越ながら思ってしまったところをまとめてみました。(なお戦型は先手上田さん居飛車、後手里見さん中飛車)

1)良かった所

・序盤、角道止めない振り飛車に対し、先手▲2四歩と突っ込んだ時の後手の受け方(意外とこういう基本的なところが分からないんだよね。)特に私の理解は角道止める大山先生の振り飛車時代で止まっているので。最後△3三角でなく△2三銀(2二だったか??)という形が良いとのことで、室谷さんも勉強になったとか(知ってて言っているのかどうかは不明)

・あと手筋や詰めろの応酬とかの最終局面あたりの説明は丁寧で分かりやすかった。

・博識で人柄良く、楽しいおしゃべり満載(で、これが少しクセモノでして。。。)

2)良くは無かったのでは?辛口評価で疑問手!

・初手から解説を始めるのはオーソドックスな形ですが、展開が早いのを分かっている割には手を進めるペースが遅く、少しまどろっこしかった。現局面がどう展開しているのか気になって、こぼれ話も有難味が半減。

・形勢判断がずっと不明だった。棋士の先生方は形勢が分かっていてもファンが白けるといけないという配慮から、よっぽどの大差にならない限りはまだ難しいと言う傾向はあるものの、最近の二コ生では評価値を見ながらの観戦が定着しているし、特に今日の場合、本当に難しいのか、分かっていて難しいと言っているのか判別しずらく、局面をうまく理解できずに消化不良な感じとなってしまった。

⇒青野先生は時々、会場に顔を出されていましたが、途中で気になってか(次の一手という趣向もあり)、少し解説のペースを上げろと示唆。また形勢判断でズバリ先手有利との指摘(71手目の▲4一銀成の場面)

 

昨日、里見先生に話しかけてしまったのが(縁起が)悪かったのかなぁとか一人気まずい感じ。(もちろんプロだから関係ないでしょうが、野球とかサッカーとかでも自分が観に行くと贔屓チームが負けるとか、そういうめぐりあわせの人がいるじゃないですか。。)あと、どこで形勢が悪くなったのか釈然としなかったので、ボナンザ君(Bonanza6.0)に解析してもらいました。

(注:評価値のグラフは絶対的なものでは無く、またソフトの種類や計算条件によってもかなり変わるものだと思っています。)

このグラフを見ると、

・序盤の先手▲3六歩~▲3七銀の戦型はやや先手持ちで推移

・青野先生が指摘した63▲5四桂打ち、64△5四飛と飛車を切って、66△5二歩と謝る局面で後手優勢から先手優勢に変わったというのは合ってるような合っていないような。。。67▲5三歩成で先手良しに跳ね上がっているので、これは67手目単独手をボナ君が良しとしたということではないと見れば、そういうことかなと。

・71▲4一銀成が良かったのかどうかは最後までそこを起点に攻めが繋がったので好手だったと思いますが、72△3六角で後手に振れているのをどう解釈すべきか?

・84△8五桂で後手優勢かという話も有りましたが、ボナ君的にはそれでは足りないと見切っていたようで△1九飛成を推奨。なおボナ君は78、80手でどちらも△3九飛を推奨。九段目に飛車を打って先手に金を守りに使わせようとしていた。後では5九歩と底歩になって意味無しになってしまうのですが。。。

・プロ棋士のみなさんが絶賛した85▲5一角はボナ君の読み筋とも一致。あらかじめ読み筋内だったのでその手で先手に大きく振れることはなし。

・最後95▲3五歩で後手2四角の先手玉を睨む角筋を止めてからはほぼ一直線。

 

コンピューターソフトの評価値は指した手から十数手先の先手後手両者最善手の応酬が有った局面での点数なので、あらかじめ読み筋内の手だと人間的には発見しにくい絶妙手だとしても、あっさり織り込み済みとしてスルーされてしまう。逆に読み筋から外れた疑問手を放つと相手方に一気に振れるのは納得しやすい。でも上のグラフで67▲5三歩成、72△3六角、83▲8八玉での振れ方はいったい何なんだ!コンピューターソフトをもう少し正しく理解しないと難しいです。それで、思い出しましたが、森下先生のお話の中に、中原16世名人にも褒められた森下先生の指した生涯最高の一手について、何年も経った後に定跡化されているため渡辺竜王からは普通に覚えたただの一手と言われて愕然としたとの経験談が有りました。情報社会の行く末は感動を無に帰する儚さが有りますね。。。

 

 第二戦は里見先生の地元島根での対局なので観に行くことは出来ませんが(また私は観に行かないほうが良いという巡り合わせと信じて)、スマホの棋譜中継を見て応援します。

頑張れ里見先生!!!

 

***結構長くなったので、ここには追記しませんが、次のページに訂正を載せています。***