紅葉の名所でもある吉野山へ行く ~まほろばの国~奈良探訪記 14 | 太田忠の縦横無尽

紅葉の名所でもある吉野山へ行く ~まほろばの国~奈良探訪記 14

吉野山ロープウェイからの眺め

 

さて、私のブログ『まほろばの国~奈良探訪記』の1~13において奈良公園について記述してきた。

「奈良公園は世界一の都市公園(第1回)」

「やっぱり東大寺の大仏が一番!(第13回)」 まで

 

今回は奈良公園を離れ、吉野山へ行ってきた。

 

冒頭の写真は吉野山ロープウェイから見た千本口駅および近鉄吉野駅付近の眺めである(両駅はほぼ隣接)。

 

吉野と言えば何と言っても日本一の桜の名所。

吉野山の上千本、中千本、下千本に咲き誇る圧巻のソメイヨシノで魅了してくれるが、実は紅葉シーズンもなかなか楽しめる場所だ。しかも、人が比較的少ないので穴場と言える。

 

今回は3時間ほどしか滞在時間がなかったので、下千本エリアのみの探訪であったが、最初に出くわした吉野山ロープウェイ付近の眺めはなかなか迫力があった。

 

吉野は奈良県のほぼ中央部に位置するが、それより南へ行くと広大な山岳地帯が広がっており、観光地として足を踏み入れることのほとんどない地域だ。なので、この吉野が一般的には観光における最南端と言える。

 

吉野山ロープウェイは日本最古のロープウェイで昭和4年(1929年)に開通。支柱は建設当時のものがそのまま使われており、2台のゴンドラで往復運行されている。箱根ロープウェイのように大型のゴンドラが次から次へと来る姿に慣れている者としては、ちょっとびっくりするくらい小さく、しかも15分間隔でしか動いていない。下の千本口駅と上の吉野山駅の高低差は103メートル。走行距離は349メートルで所要時間はわずか3分だ。

 

ゴンドラのデザインは「さくら」と「かえで」であるが、写真を撮った「かえで」を見ていただくとその小さくてカワイイ姿にほっこりさせられる。20人も乗れば満員の感じだ。

 

千本口駅に到着した「かえで」

 

もちろんロープウェイに乗らず、近鉄吉野駅から歩いて上の吉野山駅まで登ることができる。「七曲り」と呼ばれる坂だが、私の小学生の遠足では歩いて登った。30分くらいかかるものの、春は桜、秋は紅葉の景色がゆっくり楽しめる。ロープウェイを利用したのは今回が初めてだった。

 

吉野山駅から徒歩10分ほどのところに有名な金峯山寺(きんぷせんじ)がある。現在、仁王門が改修中なので写真は撮らなかったが、広い境内には大きな本堂があって多くの参拝者で賑わう。金峯山寺は世界遺産にも登録されている。

 

本来、吉野山の素晴らしい眺めを楽しむためには、中千本や上千本まで上がる必要がある。しかし、交通の便が悪くマイカーで行く必要がある。私は車を運転しないのでタクシーを基本使うのだが、こんな観光地のはずなのにタクシーを見つけるのもままならない。事前予約の観光タクシーという手もあるのだが今回は時間がないため、結局上の方には上がらなかった。

 

しかし、である。

実はこのエリアから素晴らしい景観が楽しめる場所があるのだ。それが、金峯山寺から徒歩10分くらいのところにある吉水神社である(こちらも世界遺産)。ここは南北朝時代、後醍醐天皇の行在所であった。吉水神社入口の右手の広い駐車場に「一目千本」という場所がある。

 

吉水神社の一目千本

 

ここからの眺めが、ほんとに「一目千本」の壮観なのだ。

 

「一目千本」からの景観

 

上の写真のように、中千本(手前)、さらには上千本(右奥)まで下から上に向かって見渡すことができる。豊臣秀吉がこの場所で盛大な花見をしたことが知られている。

 

紅葉シーズンなので桜の葉がすべて散った状態の眺めであるが、細かな枝ぶりが透き通るようにキラキラしていて綺麗だった。これが春には桜が満開になってピンク色の山肌に変わる。花見シーズンはおそらくこの場所はもの凄い人でごった返していると思うが、11月中旬にやって来た時には2~3組の観光客しかいなかった。いつまでもずっと眺めていられるほど素晴らしかった。

 

吉水神社からロープウェイの吉野山駅までは徒歩で20分くらい。少し時間があったので、お食事処や土産物屋が並んでいる参道の喫茶「弁慶」で少し休憩した。

 

「弁慶」にて。わらび餅とお抹茶で

 

短時間の散策で名残惜しかったが、近鉄吉野駅から特急に乗って橿原神宮前へと向かった。

 

 

太田忠の縦横無尽 2021.1.5

『紅葉の名所でもある吉野山へ行く ~まほろばの国~奈良探訪記 14』

 

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