やっぱり東大寺の大仏が一番! ~まほろばの国~奈良探訪記 13
東大寺の大仏様 ① 真正面から
引き続き、前回ブログ「鏡池に映る大仏殿が素晴らしい ~奈良探訪記 12」の続きである。
前回ブログでは、南大門を過ぎるとほとんどの人はそのまま参道をまっすぐ進んで、大仏殿の中に入ってしまうと書いた。大仏殿の手前右側にある鏡池に映る大仏殿の素晴らしさを楽しんでいただけただろうか。観光客は意外と見落としてしまうことが多いので、ぜひとも鏡池にも立ち寄って欲しい。
奈良公園と言えば鹿、
東大寺と言えば日本一の大仏様。
全国にたくさんの大仏があれど、やはり東大寺の大仏が一番だと思う。正面から見た姿は冒頭の写真の通りだが、左側、右側から見た大仏様を見ていただこう。なお、大仏殿の中での写真撮影は完全に自由なのも、奈良の大仏の大きな魅力だと思う。皆さん一所懸命に写真を撮っています。
東大寺の大仏様 ② 右側から
東大寺の大仏様 ③ 左側から
実に存在感があって素晴らしい眺めだ。
東大寺大仏殿の正式名称は「東大寺金堂」で、最初の建立は758年(奈良時代)。その後、1181年(平安時代)と1567年(戦国時代)に戦火で焼失し、現在の大仏殿は1709年(江戸時代)に再建された3代目である(ただし、当時は資材調達難で幅だけ2/3に縮小された)。とはいえ、300年以上前の姿を残しており、木造建築としては世界最大級だ。
大仏の正式名称は廬舎那仏坐像(るしゃなぶつざそう)。
やはり消失の影響を受けて、当初から残っている部分は台座や右の脇腹などごく一部である。高さ15メートル。大仏様のポーズであるが、右手は「恐れることはない」と私たちに伝える施無畏(せむい)印、左手は「願いを叶えることを誓う」という意味を持つ与願(よがん)印である。頭のぶつぶつの螺髪(らほつ)は渦を巻いた髪で知恵の象徴。額の白毫(びゃくごう)も毛が丸まったものである。
ところで、大仏殿の左手後方に進むとなかなか迫力がある像に出逢うことができる。
広目天立像
こちらは江戸時代に制作された寄木造りの広目天立像。ものすごい迫力で、私のお気に入りだ。右手後方には多聞天立像があり一対になっているのだが、これら2体の像についてはほとんど情報がない。知っている方は教えてください。
そして最後に紹介するのが大仏殿名物の「柱の穴くぐり」
子供に人気の柱の穴くぐり
大仏殿には1か所だけ穴がくり抜かれた柱がある。
穴は縦37cm×横30cm、奥行き120cmの大きさで、大仏の鼻の穴と同じ大きさである。小柄な大人や子供なら楽々くぐり抜けることができる。私は小学生の遠足の時に一度くぐり抜けた記憶がある(もう45年くらい前の話…)。
柱の穴くぐりをすると「頭が良くなる」「無病息災」「祈願成就」などのご利益があると言われているが、どうやらそれは後付けされた話らしい。
柱は大仏殿の北東に位置しており、鬼門(陰陽道で鬼が出入りする方角)の場所に穴を開けることで邪気を逃す役割を持たせるために開けられたというのが本当のようだ。鎌倉時代にはすでに穴が開いた柱があったらしい(現存の柱は江戸時代に再建された時のもの)。
なお、コロナの影響で柱の穴くぐりは現在中止中である。
とりあえず奈良探訪記の1~13まで連続して取り上げた奈良公園についてはいったんここで切り上げ、次回は吉野山へ行くことにしよう。
太田忠の縦横無尽 2021.1.3
『やっぱり東大寺の大仏が一番! ~まほろばの国~奈良探訪記 13』