まぼろし工場、自宅作業現場をイラストでご紹介。 | Tempo rubato

Tempo rubato

アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

 


人気ブログランキング 

 

 

岡田麿里監督作品『アリスとテレスのまぼろし工場』

副監督で参加しています。

 

公開は9月15日!

 

主題歌に中島みゆきさんの「心音」!

若い頃から聴いていた大好きな中島みゆきさんのご参加で心音が高鳴りました。

 

 

#まぼろし工場 #maboroshi

 

お楽しみに!

 

 

平松禎史 アニメーション画集 平松禎史 アニメーション画集                          

 

Amazon

                                                       

平松禎史 SketchBook 平松禎史 SketchBook                          

 

                         

Amazon

 

 

===========================================

 

ひと月ぶりの投稿です。

 

9月4日に岡田麿里監督「アリスとテレスのまぼろし工場」の完成版試写会に参加しました。

岡田監督、睦実役の上田麗奈さん、五実役の久野美咲さん、本職のままラジオパーソナリティ役の吉田尚記さんの進行で舞台挨拶もありまして、ほんわかした雰囲気がとっても良かったですね。

ビデオ編集に向かう途中張り切りすぎて段差を踏み外してしまい、ひねった程度かと思いきや「骨折」!…その日は痛みと戦いながらの作業で辛そうでしたが、この日の岡田さんはすっかり元気になっていてホッとしました。

 

と、メインスタッフなのにおかしな書き様になってしまったのは、最後の1週間は自宅で集中的に作業していたからです。残るは足りない素材やリテイク素材をひたすら制作スタッフに送り込む感じで、全集中が必要でした。てなわけで、完成試写の場でちょっと久しぶりにお会いしたという次第。

 

公開まであと9日に迫りました。ドキドキします!

公開前なので、内容について書くのは控えまして、ちょっとしたメイキングをお披露目したいと思います。

 

自宅作業現場って大袈裟ですが、ようするに自宅のテーブル周りのことです。

今の物件に引っ越したときは、なるべく仕事を持ち帰らないようにセッティングしてたんだけども、まぼろし工場の絵コンテ作業を自宅でやることにしたため、作業机じゃないイイ感じのテーブルを買ったのに、結局仕事机に変貌したというわけです。

 

絵コンテに入ったのは、ちょうどコロナ禍がはじまったころでした。それもあって本格的に自宅作業へ切り替えました。

外出自粛はマクロ的には経済的打撃が大きいもので、政府が財政支援を強化すれば被害を埋められたものを、不十分すぎたため現在まで水面下の被害が長期化しています。ただ、個人的に言えば、外出自粛は仕事に集中するのに好都合でした。週4とかで居酒屋に行ってたボクが月1くらいしか行かなくなるってのは異常事態なんだけどもw とにかく寝食とたまの買い物以外の時間を全部絵コンテ作業に注ぎ込むことができました。それでも、完了まで1年10ヶ月くらいかかってます。

アニメ制作では、劇場作品の場合、絵コンテが半分くらい進んだあたりで作画に入ります。スケジュールを短縮するためですが、そうすると全体が出来上がってから前半部分に手直しが必要になると進んでいた作業が無駄になったり、進めているから直しはやらないでおこうとか、問題が生じます。なので、今回は絵コンテが完成してから作画インする計画で進めていました。絵コンテを描きながら、イメージボードや特殊現象の設定等を作ってもいました。絵コンテで完成イメージを徹底的に作り込むことが今回の最初のテーマでした。脚本が作曲者のピアノ譜だとすれば、オーケストレーションを施すような感じ。絵コンテは総譜のようなものですから。

制作終盤は初期の環境が戻ってきた感じで、自宅集中モードになりました。

 

そんなわけで、自宅の作業環境も徐々に構築されて、増改築を繰り返した建物みたいなヘンテコな空間になっています。手を伸ばせば必要なものに手が届く、これが理想的ですもんね。

 

ではまず、アナログ作業モードです。

ありゃ、iPhoneの数字が抜けてますね。。。(9月7日、リテイク作業済み)

 

 

譜面立てはウクレレのために買ったんですが、紙素材を置くのにちょうど良くて大活躍。CDをプラケースからソフトケースに移し替えたので、余った箱をいろいろと利用しています。

 

次は、デジタル作業モード。

ライトテーブルは右横に立てかけてあります。

 

 

絵が歪まないよう、紙の作業でもライトテーブルはデフォルトより傾けていますが、液タブの場合は油彩画のキャンバスに近いくらい立てています。どういうわけか、液タブだと手に力が入ってしまうので、それを防ぐため。

終盤はデジタル作業が続いたので、指の腱が痛くなってしまい、かなり焦りました。どうにか走り抜けられて良かったです。

 

制作現場では、数ヶ月前から仕出し弁当を会社が用意してくれたんですが、疲れが溜まっていたスタッフに好評でした。やっぱり食べ物って大事ですよね。

誰ひとり脱落することなく、最後まで素晴らしい集中と熱意で取り組んでくれた全スタッフに感謝です!

 

 

 

とまー、全ての作業が終了して突然やることがなくなって呆然としてたんですが、解消手段はやっぱり絵を描くことなんですよね〜。職業病ですな(^_^;)

 

というわけで、自宅からは以上です。

 

9月15日の公開をどうかお楽しみに。

 

 

===================

 

なるほど… と思われた皆さんクリックお願いします。

 


人気ブログランキング

 

…………………………………………………

 

オススメの参考資料

 

NEW!

 

 

 

佐藤健志著

 

 

 

中野剛志著

 

1,604円

 

 


 

河合隼雄著