血税・益税・消費税_インボイスを止めよう! | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

 

 

*岡田麿里監督作品『アリスとテレスのまぼろし工場』 9月15日より公開中。*

副監督で参加しています。

(旧車や鉄道ファンにも楽しんでいただけますよ、きっと♪)

 

 

「未来へ、未来へ、君だけでゆけ」

 

 

 

 

 

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さて、インボイス導入まで10日余りと迫ってきました。

 

消費税とインボイス制度について、インターネット上では様々な意見が飛び交っていますが、正確な情報を得るには消費税は複雑怪奇です。消費税を廃止すべきという主張を説明するにも貨幣や財政の仕組みから順序立てて説明しないと理解は難しい。さらに、日本が1990年代から緊縮財政を基本方針としており、政府支出を増やさなかったせいでどんどん衰退国へ向かっているという事実も、複数のデータで根拠を示しつつ説明するのは時間がかかります。財政拡大路線への転換が必要ですが、これまで信じられてきた通説や観念を覆すにはやってみせるしかない。しかし国民の大多数が求めなければ試すことすらできないので覆すことができないパラドックスが存在します。

 

ああー導入長いですね。

積極財政や消費税廃止、インボイス中止を訴える側にはこれだけのやりにくさがあって、前提や基礎からしっかり説明しなければいけません。基本的な誤解を改めねばならないからです。

しかし、賛成派や反対派を嘲笑する側は簡単です。誤解に乗っかれば良いからです。

 

免税事業者は消費者が払った消費税を納めずにネコババしている。

みんな努力して納税してるのに払いたくないと文句言ってる。

政府が金を使ってもどうせ利権に消える。

納税ごときで潰れるなら自己責任。

益税を着服とか草

などなど、ひとことで論破した気になれるのでSNSではこちらのほうが目に触れやすく賛同も得やすくなっている。

 

最近ホリエモン氏は、「インボイス反対派は情弱だ」と言っているようです。YouTubeにそんな動画があがってました。

 

益税、着服、情弱、短い単語で相手の印象を悪くできますから、短文が目に止まりやすいSNS時代には強力ですね。

「いや違うんです」と、ちゃんと説明しようとしても、めんどくさ、と聞いてもらえない。

まー、経済問題を観察してるとインボイスがはじめてじゃなくて、いつもの光景って感じですけどね。

 

しかしね。

その「いつも」が変わらず続いてきてどうなってしまったのか、しっかり見てみましょうよ。

何か変だなと思っている人は増えている。ボクが経済に興味を持って発信しはじめたときに比べれば、正確な情報を伝えてくれる有識者も増えてきたし、正確に理解しようと学ぶ人も、好奇心をもって見聞きする人も、増えています。

 

益税の類を言う人がしつこく反発してくるのも、正しい理解をした人からの批判が相当あるからではないかと思います。焦ってるんでしょうね。

自分が情弱だと認めたくない。

間違いを信じてたと認めたくない。

政治家や言論人、インフルエンサー的な人は発言で立場を作っています。間違いを認めたら終わりだと思い込んでいるんですかね。これ以上こじらせるとかえって立場を無くしかねないのに。

 

 

愚痴っぽい話はここまでで

なるべく簡潔に、消費税とインボイスについて基本情報を書いておきましょう。

 

消費税の納税義務者は事業者であって、消費者ではありません。

この基本は消費税法で定められています。

そして

消費者は、事業者が決めた価格を支払っているだけです。

事業者は、価格に消費税分を全て乗せる義務はありません。

事業者が価格に消費税をいくら乗せてるか乗せてないか、消費者にはわかりません。

レシートに書かれている消費税分は、消費者には無関係です。

 

というわけで「益税」なるものが発生する要素はどこにもないのです。

 

情弱はどっちでしょうね。

 

 

インボイスは、さまざまな値上げや利益減少で全ての人に害を与える増税です。アニメーターや声優やフリーランスだけが困るのではありません。

 

ところで

 

どうしてこうも税に対する誤解が解けないのか不思議でいろいろ考えた結果、論理ではなく、お気持ちが影響してるんじゃないかと思い至りました。

誤解の背景には「血税」という強力な固定観念が影響していると考えます。

 

こういうストーリーです

 

われわれ国民は、国が決めた税を払わされている。

血を搾るような苦労をして納めた税、「血税」だ。

その血税で政治家はメシを食っており、国はいろいろやっているのだ。

だから血税は、われわれが政治を動かす唯一の武器なのだ!

 

ここまで固い確信じゃなくとも、なんとなくそんなものだと思っていませんか。

日本人の特徴ですが、「なんとなく皆が思っている」は無敵です。理屈じゃないですから。

 

政府が何か政策を発表するたびに「財源はどこに!?」が議論にあがり、「わたしたちの血税をそんなものに使うのか!」とテレビコメンテーターが怒り、視聴者が「そうだそうだ」と同調する。政治家も本気で思ってるか不明だが「国民から預かった大切な血税」云々とよく言います。

 

そこで

 

財源は国債発行です。税は財源ではないんですよ。

 

とか言うともー、「バカなことを!」と猛反発ですよ。

 

じゃ、これはどうでしょう。

《商業銀行は、新規の貸出を行うことで、貨幣を銀行預金の形態で創造する。》

 

 

なんのことやら?

本文をしっかり理解するのは難しいけど、要点を掴むことはできます。図解もわかりやすい。

つまり

銀行は手持ち資金から貸出をするのではなく、借入に応えることで貨幣を生み出している。

 

まだわからん。

 

銀行は借入に応えて「はい300万円」と口座に書き込むことで貨幣_お金を生み出している、という説明です。

財源は不要。無から創造しているのです。たたし、借手に返済能力があれば、です。

 

そんなバカなと言いたくなるでしょう。手持ちの資金なしにどうやって!?と。

イングランド銀行は、「銀行ナメんな」と言ってますよ(言い方違うけど)。

 

ボクもはじめは半信半疑でしたが、事実なんですよ、これが。

 

そしてもうひとつ重要なこと。

 

《新規の借入が貨幣を創造するように、銀行ローンの返済は貨幣を破壊する》

つまり

借金返済は貨幣の破壊_消滅ってことです。

政府が支出して経済が回りその結果得た所得から税を支払うと、それは支出されたお金を国庫に返しているわけでして、納税とは所得の一部を消すことなのです。

特に消費税収の多くは、国債償還費に当てられている。はっきり借金返済ですから、納税した消費税の大半は消えているのです。そんなものがどうして財源に?

 

「税は財源ではない」がご理解いただけたでしょうか。

 

 

信じがたい話ですが、世界最古級の中央銀行がこう説明しているのです。

ちなみにこれは、商業銀行における説明になっていますが、国の中央銀行はその上位機関です。

商業銀行は中央銀行に準備金を持っていて業務はその規模に収まっています。

しかし、貨幣を発行できる政府と中央銀行には財源的な限界はありません。したがって財務省も言った通り、日本の財政破綻はあり得ません。

インフレ率、つまりその国の生産力が貨幣発行の制約になります。好きなだけ発行できるわけじゃありませんよ。

 

 

こうやって基本に立ち戻ってみると、税のことでごちゃごちゃ言い合うのはバカらしくなってきます。決して税を軽んじるわけじゃありませんが、今の日本の経済状況では増税や負担増をしてはいけません。もっと議論すべきは財政支出の拡大です。

国はお金を創り出すことができる。

それをしっかり国民に分配することこそ、政府の政治家の仕事じゃありませんか。

 

消費税なんて害しかなかったものはサクッと廃止してくれと。そうすりゃインボイスも消滅です。


 


「血税」の呪縛から解放され、「益税」の誤解を改め、消費税を廃止して、財政拡大路線へ転換させましょう。

 

その大きな転換の第一歩として、インボイスを止めよう。

もし止められなかったとしても、正しい理解という武器をひとりでも多く手にしましょう。

 

政治を動かすのは「血税」じゃなくひとりひとりの一票です。選挙で投票することこそ、国民の権利でありパワーです。

今は選挙がないけども、署名活動があります。

 

インボイス制度に抗議する署名活動。目標50万筆。現在もうすぐ40万超え!

 

まだ署名してない方は是非!

 

 

 

 

久々の経済ネタだったので長くなって、用意してた資料のとこまで届きませんでした。なるべく間をおかずに続編を書こうと思います。

 

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