緊縮前提の「経済を回せ」策は 消費税増税と同じだ。政策転換が必要です。 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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10月2日より放送開始。

 TVアニメ『呪術廻戦』にキャラクターデザインなどで参加しております。

第1弾PV  演出を担当いたしました。

お楽しみに!

 

 

                                                     

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  COVD-19新型コロナウイルスの全国的な拡大が決定的な局面になってきました。

 

 政府の分科会が緊急提言を出しました。

 …慢性化が決定的だった10月半ばに出してほしかったですが。

 

 

 現在の増加傾向は10月の慢性化状況の時から懸念していた通りです。

 懸念の中身を具体的に列挙すれば、こうです。

 ・街の人出の傾向と感染動向はほぼ一致する。

 ・感染抑え込み策は個人任せで、政府や自治体は積極的におこなっていない。

 ・給付や企業助成が継続されておらず、休業・粗利益補償もされていない。

 ・人出を増やす「Go to キャンペーン」など経済を回す政策を次々おこなっている。

 

 第一波も第二波も、感染者数が横ばいに見える微増状態が、何らかの閾値を超えたかのように急増に転じている様子があった。増加が顕著になってから緊急提言したのでは遅い。

 しかしね。この状況は政策の結果です。失政です。

 

 

 街の人出と感染動向の一致は、ほぼ間違いないと考えています。第一波の時は判断が難しかったけども、第二波の発生から現在までを観察して、「人出が増えれば感染者が増える」という言ってしまえば当たり前のことを、再認識せざるを得ないのです。

 

 マスクや三密防止などの対策はどうなのか。

 欧米と比較すれば大きな効果が出ているのは確かです。欧米では、いまだにマスクを拒否してパーティや集会をする人たちが少なくなく、増えて当然の状況です。それに比べれば日本は少ない。しかし、人出が増えれば増えるほど、個々人や店舗などの防止努力は追いつかなくなり、うっかり者の割合も高くなり、クラスターが発生し、感染者数増加のスパイラルにはまってしまうのです。

 そうすれば、いくら「経済を回せ」と掛け声をかけたところで、外出・消費は抑制され、経済被害が拡大する。何度も懸念を書いてきましたが、このループが繰り返されました。

 

 

 現在の政治判断とその結果を整理しましょう。

 

 ■コロナ対策

  1. 企業を守るためには経済を回さねばならない。
  2. 個々人や店舗に対策を呼びかけるが、人出の増加とともに感染者が増えていく。
  3. 一時的な企業収入増加に安心して、感染拡大が起きても対策をしない。
  4. 感染者増加が顕著になり、国民が自主的に外出・消費を控える。
  5. 経済被害の増大で外出・消費の減少に拍車がかかり、失業や企業倒産が増える。
  6. 「1」に戻る。

 言っちゃ悪いですが、頭が悪いとしか言いようがない。

 

 この頭の悪い状況、何かに似ていませんか?

 

 そうです。消費税とその増税で起きてきたことと「同じ」と言って良い。

 

 ■経済対策

  1. 低成長で税収が減っているので社会保障財源確保のため消費税を導入・増税。
  2. 大企業に賃上げを要請するが、賃金全体の下落とともに消費は減少していく。
  3. 一時的な税収増に安心して、景気悪化しても対策をしない。
  4. 消費の減少で価格の低下圧力が高まり、ますます所得が下がるデフレスパイラルに陥る。
  5. 経済被害の増大で低成長に拍車がかかり、税収が減ってしまう。
  6. 「1」に戻る。

 

 グラフでみれば明らかです。

 増税後の落ち込みは一旦上がりますがすぐに減少してしまい元には戻りません。3%時、5%時と、状況が悪くなっているのがわかるでしょう。10%時は増税前の駆け込みすらほとんど増えず、落ちっぱなし状態でした。

 

 消費税は緊縮財政を前提にした政策です。

 コロナ前から、緊縮財政と消費税(増税)によって景気はどんどん悪化しました。

 その上、コロナ禍による景気悪化で、ふたつのループが重なっているのが現状です。

 恐怖の二重螺旋だ。

 

 要するに、コロナ対策も経済対策も、「1」の時点で間違えているから、そのあとも全て間違うのです。緊縮財政が諸悪の根源だ。

 

 コロナ禍も、緊縮財政を前提に「経済性を回せ」とやってしまった結果、悪循環に陥っているのです。

 

 

 データによって明らかな結果、現実は、個人の「好き・嫌い」「快・不快」「好・不都合」「手持ちの理論」で見てはいけません。

 

 人出が増えれば感染者数が増える。これが現実だからです。

 

 今は平常時ではありません。非常事態です。

 

 緊縮前提の「経済を回せ」策は平常時の発想であり、感染状況と経済状況を悪化させた。

 「景気刺激策」の類はすべて悪手だったと考えるべきでしょう。それが現実です。

 

 回したくても回せない非常事態だと、現実を受け止めるのです。

 

 「経済を回せ」策は緊縮財政思考から出てくるものだ。本人に自覚がなくても緊縮を前提にしてなければ出てこない発想と言える。「経済」を強く意識する人ほどこの発想に囚われるのではないかと思う。一般人のほうがわかっています。無理に動かしたら感染する人増えるだろ。お金配ってくれれば休めるのにな…と話す経営者がいた。程度の差はあれ、それが現場感覚だろうと思う。

 でしょ? アヒルちゃん。

 

 

 

 前回も書きましたが、この状況を脱するには政策転換が必要です。

 

 経済が回らなくても、個人・家庭・企業が守られるよう、政府が財政支援を強化し継続することです。単発では絶対にダメです。最短でも1年間、最少10万円の給付と、企業の平年収益を補償する休業補償・粗利益補償を毎月つづけるべきだ。コロナが収束するまで守りつづけるのです。どんな人を?どんな企業を?と選んでいる場合ではありません。非常事態です。全員救うべきだ。

 

 消費税の扱いは非常に難しくなっています。ボクは消費減税を優先する意見には懐疑的です。なぜなら、消費を増やすと人出が増えて感染状況の悪化を後押しするからです。

 まず、非常時の継続的財政支援で、長期的財政拡大路線への転換に必要な証拠を揃える。国民が助かる一方で、財政破綻や物価の急上昇は起こり得ないので必ず有効な証拠が揃います。そして、プライマリーバランス黒字化思考を終わらせる。そうして、消費税は廃止する。いきなりが無理なら2段階でも構わないでしょう。

 

 コロナ状況があるうちは10%を維持し、飲食料品と通信費など生活必需品目に限ってゼロ%にするのが良いと思う。それも、財政支援ができないようでは期待できませんので、やはり、継続的な財政支援を増強をさせるのが先なのです。

 

「Go to キャンペーン」は、ワクチンや薬剤が普及してコロナ収束後に、財政拡大路線とともにいくらでもやったら良いと思う。

 

 

 非常事態だと認識して、国民の金銭的な不安を取り除く。そうすれば行政も感染対策に集中でき、コロナ禍を早く終わらせることができると考えます。

 

 

 第三次補正予算の検討が(やっとこさ)はじまっています。

 世耕参院幹事長が30兆円という数字を出していた。要求がそれなら10兆円程度になると見なければならないでしょう。全く足りません。そんな数字に満足してはいけない。

 少なくとも前回と同様、100兆円を要求しなければ、非常時の対応など不可能です。

 

 

 

 + + +

 

 三橋TVに出演した小野盛司さんの提言です。

 シミュレーションの結果、消費減税だけではコロナ禍を脱することはできず、景気回復へ持っていくには不十分と説明。

 そもそも、緊縮財政路線のままでは減税は必ず短期限定になり、再増税時には10%以上にあげられます。その上、感染防止策と相反してしまうため悪手になります。

 

 今は非常時です。消費を増やすことに固執すればコロナ状況を悪化させる。

 国民を守るには、給付と補償を徹底的に実行・継続させなければならない。

 

https://twitter.com/Hiramatz/status/1322837637376344064

 小野盛司氏の提言。

 

 これができてはじめて長期的財政拡大路線へ転換できる。

 消費税廃止へ持っていける。

 そして好景気へ。

 経済成長する(=所得が増える)正常な日本にすることができるのです。

 

 

 

 

 + + + 

 

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