国土を意識した長期的な思考ができなくなっている日本 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

 

 

『さよならの朝に約束の花をかざろう』 http://sayoasa.jp/

岡田麿里監督 P.A.WORKS制作の長編アニメーション映画。

ボクはコア・ディレクター/作画監督で参加しています。

 

2月24日より上映中。

現在 4劇場で上映中! 

劇場情報(5月16日更新)をチェックしておいでくださいね。

http://sayoasa.jp/theater/

 

現在まで通算で125劇場で上映していただきました。

 

海外でも上映がはじまります。

北米を拠点とするELEVEN ARTSさんのツイートによれば、7月20日から公開予定。

https://twitter.com/ELEVEN_ARTS/status/983819936555401216
 

P.A.WORKS発刊『さよならの朝に約束の花をかざろう』

井上俊之原画集 6月下旬発売

《原画集には1カットずつコメント書きました。 購入特典として私と平松さん堀川Pのコメンタリー付きの原画を撮影した動画を見ることができますよ! よろしくお願いします。》

井上さんのツイッターより https://twitter.com/181ino/status/1001495100088664064

P.A.WORKSサイト http://paworksshop.jp/shopbrand/ct36/

 
西荻窪のササユリカフェで井上さん原画集の展示会も。7月16日まで。

 

最新予告「巡り合う世界篇」

 

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18日7時58分、大阪府高槻市で最大震度6弱の地震が起きました。

M6.1、震源の深さ13km

 

死者4名、負傷者は307名もでてしまった。

 

震度1以上の余震は

18日16回

19日14時15分の時点で12回

震度3が3回、震度4が1回起きています。

熊本地震を教訓とすれば、今後しばらくは震度6レベルかそれ以上の地震が連鎖する可能性を考えて警戒する必要があります。

 

今回の地震は、有馬-高槻断層帯の東端が動いたと思われます。

この断層の西端は阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震で動いた六甲-淡路島断層帯に隣接しています。

当時、危険性が指摘されたものの、30年間の発生率はゼロに近いと見込まれていた。

 

しかし、人間が計算した予測などまったく意味がないことが今回も証明されました。

 

我々にできることは

いつ・どこで・どんな規模で、起こるかわからない大地震に

起きる前から、防災・減災を常に行い続け

起きてしまった後に、早く立ち直れるように

備えること、です。

 

つまり 国土強靭化 です。

 

 

今回のような大きな地震がなくとも

環太平洋火山帯の活動と連動しているのがほぼ確実な日本の火山の活発化

兵庫県南部地震以来、地震活動期に入っていること

を、意識して中小の火山噴火や中小の地震が起きた際、または起きていなくても

「自然災害に備えよ」と書いてきました。

 

災害に備える体力を失っている日本

日本には、台風・大雨・洪水・土砂崩れ・大雪・雪崩…被害がが毎年あります。
天候不順による農作物の不作や海産物の不漁もある。
そして
日本全土で考えれば半世紀に1、2回は地域を壊滅させるような巨大地震、大津波がある。
世界でも稀な自然災害国です。
 

阪神淡路大震災は1995年。

この時には、日本はデフレ化しはじめていた、とFRB議長だったアラン・グリーンスパン氏が指摘していたそうです。

(大石久和著『「危機感のない日本」の危機』。以下データは同書より引用。)

日本経済はバブル崩壊後に惰性で続いた好景気が1996年あたりで終わり、「財政問題」の解決策として橋本政権は1997年に様々な改革と緊縮財政を行った。

現在まで続く公共部門の民営化で長期的広域的な思考が失われて災害に対処できなくなり。

5%への消費税増税で、日本経済はデフレ化し、以来20年間景気回復できずにいます。

14年には8%へ、さらに来年には10%へ増税してデフレを継続させようとしている。

 

何が間違っているのか、明確ですよね。

 

デフレ化で所得が減って需要が縮小した状態で

景気を直接冷え込ませる増税および緊縮財政

供給を増やして物価下落(デフレ)を進行させる構造改革・規制緩和・グローバル化

安全保障を弱体化させる公共部門の民営化

これを継続した期間、デフレは脱却できていないのですから。

 

デフレ化以降の歴代政権と同じく、安倍政権も

現実を直視せず、間違いを改めず、デフレを継続させようとしています。

 

 

物価が安くなるのは短期的かつ個人的にはうれしいことだが、価格を下げれば企業収益が減るためコスト削減圧力を高め、所得を下げることになる。

 

1995年に659.6万円あった世帯平均所得

2015年に545.8万円になり。

114万円も低下した。

しかも100万から400万の低所得層が増えた。

 

防災・減災を行うインフラ整備の予算、公共事業費は半減

大地震も台風も来ないフランスと同程度になったと、財務省や政府は脆弱化を誇って恥じない。

社会保障はデフレと高齢化のダブルパンチで削減されている。

 

ありもしない「財政問題」に囚われた結果、国民が貧困化し、所得や消費からの税収が減り、社会保障費や公共事業費によるインフラ投資が削られてきた。

緊縮財政の相互作用によって貧困化と脆弱化が加速度的に悪化してきたのが、この20年間です。

 

デフレは体力だけでなく、心の力も弱体化していきます。

 

余裕を失わせ、多様な選択肢がある状態よりも「この道しかない」と視野を狭めたほうが楽チンな、狂信的な状況に陥らせます。

 

インフレはマイルドな状態であれば好景気を意味します。

しかし

デフレは不況しか意味しません。悪いことしかないのです。

 

この20年で日本の経済成長率は世界最低レベルに堕してしまった。

日本はすでに先進国とはいえない。

「衰退途上国」、あるいは「衰退先進国」と呼ばねばならない状況です。

 

経済成長とは漠然としたことばではありません。

経済成長とは、国民の生産力、所得を作り出す力が増していくことです。

財政拡大で需要を喚起し、生産性向上を行い、経済成長することが、防災・減災の第一歩だ。

 

長期的な思考を取り戻さない限り災害を小さくすることはできない

短期的で個人的な快適さに意識が向かうようになったのは、ネットを中心とする炎上現象にも顕著に現れている。

社会が潔癖になり、ちょっとの不快も我慢できなくなる。

息苦しさが負のループとなって排除・排斥思考になっていく。

アニメや様々な文化も、息苦しい状況では衰退していくでしょう。

歴史・伝統・文化が顧みられない状況は、まさしく長期的思考の衰退そのものです。

 

今さえ心地よければ良い、という思考は、将来必ずやってくる巨大自然災害への長期的な備えをできなくさせます。

政府が、国土強靭化のための財政拡大をやろうとすれば、途端に「ムダな公共事業はやめろ!」の大合唱が起きてしまうだろう。

 

震災復興のための財政拡大もダメ。

じゃーどうするか。

増税で防災・減災・復興をやるのか。

そうすれば景気が悪化して誰も救えなくなるのがこの20年間で証明済みです。

 

 

くどいほど書いていますが、繰り返し書くしかありません。

 

まずは、経済の間違った認識を改めること。

日本に「財政問題」は ない。

自国通貨建て国債(政府の負債)は国民の資産になる。

政府が財政赤字を積み上げることで、国民に黒字をもたらす。

インフラ投資で形成される資産は長期に国民の所得を生み出す。

防災・減災は長期に国民の安心感を醸成し、生活の安定を生み出す。

 

いくら備えをしても被害をゼロにはできません。しかし、小さくすることはできる。

 

日本中どこででも、いつか必ず、巨大自然災害が起こります。

 

その時の備えを、ことが起こってからはじめても遅いのです。

 

備えていれば死なずに済んだ小さな命を思えば、できることは全部やる覚悟が必要だ。

 

長期的な思考で、国土に働きかけ続けなければ、日本人はこの列島で暮らしていくことはできないのです。

 

 

 

 

 

財政悪化なくして、財政健全化なし

https://ameblo.jp/tadashi-hiramatz/entry-12368029757.html

 

 

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