登る登ると公言しながらも長いコト登っていない山がある。
そろそろ登らないと山の神さまに怒られそう…
ということで…
〜国見岳〜
国見岳は、九州山地中央部の向霧立山地に属する山である。標高は1,739mであり、熊本県最高峰。九州本土では祖母山および市房山と並ぶ屈指の高峰であるが、交通の便が悪い地域に位置する。日本三百名山、一等三角点百名山の一つに数えられる。
この山は個人的に一番好きな山なのだが、そのアクセスの悪さからしょっちゅう登れるモンでもない。
さらに近年の豪雨災害や台風被害などで登山口へのアクセスがかなり悪くなってしまっており、そんなこんなでなかなか足が向かなかったワケである。
しかし今回は一念発起、長い道のりだが比較的アクセス容易な平家山登山口から登ってみようと思う。
この時期は、コレまた私の大好きなオオヤマレンゲの見頃でもあり、国見岳山頂付近の川辺川源流はその群落地なのだ。
というワケで、この好物ふたつをいっぺんに堪能してしまおうという山旅を計画したのである。
今回の計画ルートは、以前登ったこともある平家山へ登り、そこから稜線を辿って国見岳へと縦走する全長8kmほどの長距離ルートだ。
調べてみると道の程度や状態はそれほど険しくなく、また危険箇所もほとんどない登山道。
ただ天候があまり芳しくないので、もしもの事態を考えると厳しい山行になりそうである。
準備をしっかりして挑むことにしよう。
そんな当日は、登山口までのアクセスを考慮し、朝早くに自宅を出発する。
とぞの谷登山口へは7年前に五家宮山へ登った以来であったが、国道445号から葉木地区へ入り、そこから登山口までの細い山道はかなり荒れていた。
私のRAV4だと余裕で行けたが、陥没箇所や未舗装のダートな状態の道路なので通常の普通車だとちょっとキツいと思う…まぁそれでも何台か普通に来てたけど…
そんな登山口に午前6時過ぎに無事到着、先客もあったが駐車場には余裕で停めれた。
駐車場の近くにはキレイな花(ジギタリスというらしい)がたくさん咲いてた。
なんか出迎えられたようで嬉しいねぇ(美)
そんな中、準備が整ったら…
国見岳とオオヤマレンゲを求めて、いざっ 出発〜っ
今回のルートは長距離なのでコースを三分割してみた。
登山口〜平家山を急登エリア、平家山〜広河原分岐までを稜線エリア、広河原分岐〜国見岳を最終エリア。
そうすることで体力配分や水分行動食を調整して長距離を乗り切ろうと考えたわけだ。もう体力的に無謀はできないからね…(弱)
まずは急登エリア、平家山頂を目的地として目指す。
アスファルトの道を少し進むと平家山登山口の看板、コンクリ道を下り林道を進んでいく。
沢沿いに伸びる林道は荒れまくっているが歩きにくいわけではない。
道の状態が良くなり、辺りを見渡すと緑に囲まれてなかなかの良い雰囲気。気持ちいいねぇ〜
…天気は良くないけど(曇)
平家山登山口に到着、まずは渡渉して沢の向こう岸へ。
Uターンするかたちで進み、そこからさらに沢沿いをトラバースで進む。
ちょっと険しいところの先で二度目の渡渉。
う〜ん…あまり記憶にないなぁ…(汗)
渡り終えたらジグザグの登りとなる。けっこうキツい斜面なのでゆっくりと歩みを進めよう。先は長いしね…
尾根まで登るとしばらくはこの尾根を登っていく。これまたけっこう急な道なのでゆっくりと…(戒)
尾根から右に外れるように進んでいくと空が開ける。
山頂方面はガスがかかり、空も曇っており残念な天候である…まぁ雨降ってないだけマシか…
それより何より心地よい風が吹いててムチャ気持ちいい(涼)
麓では本日も記録的な暑さになっているというのに…ここは申し訳ないほど涼しい…(快)
開けたところも決して楽ではないが、気温も低く風もあるので気持ちよく登っていける。
尾根の上に出たら眺望が良くなった。曇ってて最高の景色ではないのだけども…美しい眺めには変わりないっ
絶景なりぃ〜♪
最後の登りは急登となる。かなり足に厳しいが、この先のことも考えて疲労を最小限となるよう歩幅を狭くしてゆっくりゆっくり登っていこう。
もう少しジグザグでも良かったんじゃないかと思うくらい急斜面…眺めは最高なんだけどね…(汗)
ゆっくりではあるが少しずつ歩みを進め、山頂もあとわずか…
そんな頑張りを神さまは見てくれてたのだろう、山頂にかかっていたガスが抜けてきた〜(喜)
お〜いい感じだねぇ〜と晴々とした気持ちで森の中を進み…
平家山頂に到着〜っ
山頂は森の中なので眺望はないが、天候も比較的良くなってきていい感じな平家山。
ひとつめのエリアを終えたところでひとまず休憩…そよぐ風が気持ちいい…ってか少し寒いくらいだな…(冷)
さて次は稜線エリア、広河原分岐を目指して進む。
ここから後平家山までは比較的なだらかな道だったと記憶している。
なんか感じのいい森の中を軽やかに歩き進む。
ほどなく後平家山に到着、分岐を国見岳方向へ。ここからは未知なる領域となるので気を引き締めて進んでいこう(戒)
とはいえ、ここからも地図上ではなだらかな稜線道なので大丈夫だと思うけど…
天候も回復して青空となってきた。
私の日頃の行いの賜物である…(謎)
道も予想通りに非常に歩きやすい。
スイスイ進んでいこ〜(楽)
ちょっと小高いピークから木々の間に見える高い山…あれ国見岳かな…(遠)
その先で北側の木々の隙間に見える山…あれは天主山だろね…(神)
さて…こんな楽チンな道がいつまでも続くわけはなく…アップダウンの起伏も少々キツくなつり、道も険しくなってきた…
が、まだ歩きづらいほどのレベルではない。
ただしこの付近は道がわかりづらくなっているので注意が必要だ(一応、最下段の地図にエリアを表示)。
そんな道も少しずつ穏やかになってきた頃、目的地である広河原分岐に到着する。
長い道のりだったが稜線道は歩きやすく、時間も計画より早く着いた。
ここからいよいよ国見岳までの最終エリアである。
最後のエリアも多少のアップダウンはあるものの、全般になだらかな道である。
天候も予報外れで晴天となっている。ゆったりと深緑を楽しみながらのお気楽なトレッキングだ。
あまりにもゆったりと歩いていたため、元気なお嬢さんに余裕で追い越されてしまった…まぁいいんだけどね…(笑)
なだらかだった道もジワリジワリと急になってきた…(汗)
たいした斜面ではないのだが、これまでの疲労も手伝ってか足にくる…(重)
そんな息も絶え絶えな状況の中…ふと左手の切れ落ちた斜面を見下ろすと…
おっ オオヤマレンゲっ 咲いてた〜(喜)
時期的に間違いないとは思っていたが、今年はいろんな花の開花が遅れていたので、もしかしたらオオヤマレンゲもまだ咲いてないかも…と心配していたのだけど…良かった良かった〜(安)
群落地の川辺川源流にも期待できそうだな(嬉)
気持ち的にアゲアゲなテンションではあるが、このルートはそんな甘いものではなく…最後に急登が現れた…(汗)
予報外れの晴天はありがたいが、おかげで気温が上がって暑くなっており、足にもこれまでの疲労もあって、普段ならなんてコトないくらいの急登も…現在の私には壁に見える…(弱)
まぁ…最後だと思うんで…ちょっと休憩してから…(煙)
よしっ いくぜっ
シャクナゲの木を掻き分け…
岩場を登り…
バイケイソウ畑を通過し…
川辺川の源流はとりあえずスルーして…
シャクナゲ群落を潜り抜け、最後の岩場を登り上がると…
とうとう国見岳山頂に到着したぁ〜
うお〜(涙) ひさしぶりの山頂〜っ
やっぱり景色いいねぇ〜
それに天候はまったく期待していなかったのにこの晴れた空はどうだ…(感)
360度全方向を見渡せる大パノラマは健在、ただ国見岳山頂のシンボルだった祠が台風被害で無くなってた…知ってはいたけど直に見るとやっぱり寂しい…(残)
まぁ…それでもひさしぶりな山頂はやっぱりいいねぇ…何回見ても飽きないこの風景…
やっぱ国見岳は最高だぁ〜っ
…と、そんな感動もひとしおな山頂ではあるが、そろそろ今回のもうひとつのお楽しみに行くことにしよう。
やって来た道を少し戻って川辺川源流へと下っていく。けっこう急な下りなので気をつけて…
そして辿り着いた源流付近に…
お待たせのオオヤマレンゲの群落〜っ
おぉ…
会いたかったよ〜オオヤマレンゲちゃんたち〜
美しいねぇ(惚)
森の貴婦人の名に相応しい可憐なお姿…(綺)
いつ見ても惚れ惚れするねぇ…(麗)
そんなオオヤマレンゲの写真を撮るため縦横無尽に歩き回っていたら…お腹が空いてきた…
誰も来なさそうだし、ここらで大休止するとしよう。
本日の昼食メニューは…
夏の定番のざるそばにおにぎり、豆大福とコーヒー♪
でゎ いただきまぁすw
日差しを避けて日陰にいると涼しい風がそよぎ気持ちいい…
目の前には美しいオオヤマレンゲ…
う〜ん…やっぱり山って最高だねっ
…ちょっと虫が多いけど…(汗)
さて、お腹も心もいっぱいになって元気を取り戻したところで、そろそろ帰るとしよう。
下山は元来た道を戻るだけ…だが長い道のりなので油断しないように気を引き締めていこう(戒)
とはいえ下山はスイスイと歩みを進めて、気がつくと平家山まで戻ってきた。
その先の開けた斜面ではガスもすっかり晴れて、登りでは見れなかった美しい景色が広がる。
遠くに国見岳…あんなトコまで行ったのか…
ん? ここから駐車場も見えてるじゃないか…けっこう遠いな…(汗)
最後の行程、まずは急な下りを慎重に進み…
渡渉を経て…
そして無事、駐車場に到着〜っ
国見岳へのオオヤマレンゲ鑑賞の旅はこれにて終了〜♪
長〜い旅、ホントお疲れっしたっ
今回登った国見岳は熊本県最高峰であり、またその名の通り見晴らしが良いため人気ある山ではあるが、九州山地の真ん中にあり、その登山口までのアクセスに難があるため登山者はそれほど多くない。
ちょっと行ってみようか…的な山ではなく、登山口までの経路や山頂までのコースなどをしっかり計画して、準備としてもビバーク覚悟でやっておかないと遭難の危険もある玄人向けの山だ。
とはいえ、そういう山だからこそ登ってみたいと思っている人も多いだろう。
今回私が使った平家山からのルートは比較的容易だと思うので参考にしていただきたい。
ただし距離が長いので、時間の余裕と自分の体力との相談をしっかりして、また万全の準備を整えて挑んでいただきたいと思う。
さらに道迷いを引き起こす箇所もあるので、出来れば上級者や経験者と一緒に登ることをオススメする。
参考タイム:7時間 距離:15km
(いずれも往復で休憩寄り道を含まず。)
〜今回のルート(クリックで拡大)〜
<オオヤマレンゲ>
<今回の植物たち>
〜Epilogue〜
やっと登ることができた…
今年もオオヤマレンゲを見たくなっていろいろ模索していたのだが、候補地の祖母山はこの前登ったし、猟師山は群落とまではいかないし、くじゅう山は何処に咲くか分からないし…
確実に見れて最近登っていない山となると…国見岳となったワケである。
平家山からは距離も長いし、当日の天候も芳しくなさそうなので、とにかく準備をしっかりした。
荒天の準備、ケガした時の準備、疲れて動けなくなった時の準備、道迷いした時の準備…等々…
とにかく万が一に備えて時間をかけ、いろいろと考えて準備を万端にした。
そのおかげか、前日はもうワクワクで眠れないほど楽しみとなり、当日朝も目覚まし時計より早く目が覚めたくらいだった…小学校の遠足みたいだったな(笑)
そういえば登山を始めた頃はこんな感じだった気がする。
初心忘るべからず…登山は計画と準備が大切というが、精神的な面でもしっかりと万全の準備をすることが重要だと感じた山旅であった。
ただひさしぶりの長距離を歩いたために、かなり足が疲れた…早く帰ってお風呂でゆっくり養生したいのでここらで失礼する…
でゎ、またっ
おわり