161:太郎丸嶽と次郎丸嶽 (住吉神社登山口) | 山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

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ハード過ぎた初詣

ということで今年最初の登山は軽めにしよう…そうしよう…

 

〜太郎丸・次郎丸嶽〜

次郎丸嶽と太郎丸嶽は兄弟嶽。九州百名山にも選ばれており、九州内を中心に多くの登山者が訪れている。山頂から眺める天草五橋や湯島「談合島」をはじめとした有明海、不知火海に浮かぶ島々の美しさはまさに絶景。

 

この山には6年ほど前に登ったことがある。

手軽に登れて距離も時間も難易度も初心者向けではあるが、その山容はゴツゴツした岩山で楽しい山登りが出来る山である。

6年ぶりではあるが同じルートじゃ面白くないと思い、今回はメジャーな今泉からではなく反対側の住吉コースを登ってみたい。

 

登山口は山の西側にある住吉神社。

国道324号から県道290号に入って1.5kmほどのところにある小さな神社で、駐車場も完備されている。

ということで朝早くに自宅を出て、夜明け頃に駐車場に到着した。

もちろん誰一人いない貸切状態で人気の無さが伺える…(汗)

まぁ、このコースはなだらかな尾根を登る単調な登山道らしいので、登るならやっぱり今泉コースの方を選ぶわな…。

そんなマイナーな登山口でひとり寒空の下で準備が整ったら…

 

久しぶりの太郎次郎兄弟山へ出発〜っ

まずは住吉神社に旅の安全を祈願して…

 

車道から登山口の看板がある生活道路へ進入して山に向かい民家の脇道を登り進む。

 

民家を過ぎて森の中に入ると登山道となる。

道はすこぶる歩きやすい良い道だ。

すぐに空が開けてきた。左側に見える谷間は岩が露出しており素晴らしい山容である。

尾根道なのだがシダの中を歩くような道で、しばらくはこんな同じような景色が続く。

岩山だが少し滑りやすい道なのでゆっくり安全に登っていこう。

まぁ距離も難易度も低いと思うのでのんびりと風景を楽しみながら…。

 

それにしてもシダがウザくなってきたな…

シダの回廊はまだまだ続く…(焦)

道の幅も気持ち狭くなってきた。しかしまだ歩きやすい道で、このシダを刈って道を整備していただいた関係者の皆様には感謝だ。

もしも刈ってなかったら道が分からず迷子になるか、もしくは背丈ほどもあるシダに埋もれて窒息していただろう…(謝)

滑りやすいところにはロープもあり、滑り防止の施しされていてなかなか良い整備具合だが…ちょっと古いな…(疑)

道が少し広くなり出したところで足を止めて風景を楽しむ…倉岳、海と雲仙…うん、なかなか良い景色だね♪

 

…と…その先で草刈りゾーンが突然終わった。

道が方向を変えるのかと辺りを見回ってみたが、それらしき道はない。

どうもここからはシダの藪漕ぎとなるらしい。

まぁ…シダの高さもそれほどではないし道もなんとか見えてるのでまだ大丈夫っ

っと…進むにつれてシダが深くなってきて凄い事になってきた(焦)

これは大変だぞっ

足元が見えないので歩きづらいし、シダの高さも背丈ほどになってきた…(汗)

これはもう…ジャングルじゃないか…

 

方向は間違ってないが進むにつれてシダのジャングルは険しくなってきた。

もう…にっちもさっちもいかないほどのシダ地獄となってしまった。

う〜む…これは…道を間違えてるに違いない…(焦)

とはいえ…もう今さら戻る事もままならない…

それならいっそのこと…登ってしまえっ

進むにつれジャングル度合は凄まじくなってくる…

もう人が通れる限界を超えているっ

うおぉぉ(大汗)

新年早々…こんな目に遭うとゎ…災難だっ

災難…に…遭う…と書いて…

 

遭難っ(焦)

 

う〜む…まだ誰にも迷惑はかけてないが、だんだんと動くこともできなくなってきた…撤退するのが最善…でも…戻ることも困難になってる気がする…

そうか…こうして人は遭難するんだなぁ…

分かる気がする…(吽)

 

…って、待て待てっ(焦)

何を弱気になってるっ

落ち着け…落ち着け…(深)

ここはなんとか脱出方法を考えよう。

 

まずは現在の状況から…

足元はまったく見えてないが尾根の上にいるので方向を見失うコトはない。

スマホの電波は大丈夫、地図上でも明らかな崖などはなさそう。

しかし窒息しそうなほどのシダに覆われていて身動きがままならない。

 

シダのないところまで左右どちらかに逃げる事も考えたが、もしも岩とかあって滑落でもしたら大変だ。

ここは…

シダを踏み倒してこのまま尾根を登って行こうっ(進)

 

…とはいえシダの高さは踏み倒せるようなものではなく完全にカラダが埋もれた状態…

カラダをゆっくり前に倒して…その上を四つん這いで進んでみる…

お?

これならなんとか進めるぞっ(閃)

 

少しずつ…なんか雪山でやるラッセルもこんな感じなんだろな…(汗)

斜面になると近くの木に掴まりなが少しずつ前進していく…。

大きな岩の上になんとか登り上がって…

一旦休憩…ふぅ…

なんかとんでもない山登りしてるな…(悲)

 

落ち着いて考えてみた…

あの草刈りが途絶えたところでもっと注意して進むべきだった。

いや…進むことができなくなった時点で戻るべきだったんだろうな…

低山だ〜(楽)と思って甘く見てたのが失敗した原因…(省)

 

ここからまたシダ地獄の中に入り込んでさらに進む…

ホントに進んでるのか…

ただただ右往左往してるだけじゃないか…

ホントに終わるのか…

…とマジで泣きそうになってきた頃…

 

広い一枚岩に出た…

ん?

もしかしてこの岩って…

うおおぉぉ

次郎丸嶽手前の一枚岩だぁぁ

 

良かった…良かった…

やっと終わった…やっと着いた…

遭難しなくて良かった…

生きてるっていいねぇ…(泣)

 

さてこの一枚岩を登り上がってその先の岩の上で休憩…

ここからの景色はとても素敵だが、本日の景色はこれまた美しく見えて感動もひとしお…

美しいねぇ(癒)

 

さて山頂へ向かおう。

途中のライオン岩で記念撮影して…

その先へと道を進み…

 

次郎丸嶽山頂に到着〜っ

久しぶりの山頂からの景色は絶景…なのだが本日は少し霞んでおり遠くまでの視程がなく少し残念…

 

山頂にはたくさんの人が休憩中で居場所が無さそうなのでさっさと退散する。

次は太郎丸嶽に向かう。

 

まずは険峻な次郎丸嶽から下っていく。

岩場の連続する険しい道だか…道があるっていいねぇ…(涙)

 

ピスタチオ岩を通過して、ロープ場や岩場をひたすら下り進む。

けっこう険しい道なのだがやっぱり道があるのが嬉しくなってしまう(楽)

 

ほどなく太郎分れに到着、ここから太郎丸嶽に進む。

しばらくはなだらかな道だが、少しずつ険しい斜面となっていく。

お兄ちゃんの方もけっこう険しかったんだね…(汗)

 

とはいえ、あの難儀なシダ尾根を経験した私にとって岩場でも急登でもなんでも道があるだけで有り難い。

そんな岩場を登りきると…

 

太郎丸嶽山頂に到着っ

おぉ

ここもやっぱり良い景色だな。

特に…ここからの次郎丸嶽の姿はとても勇壮でカッコいい(惚)

目の前に見える千元森嶽もゴツくていい山容だ。

 

さて…休憩を終えてここから下山する予定だが…果たして道があるのかどうか…(配)

一旦山頂から下って地図上の破線道を探してみる…

入口らしいところを見つけたが…

これは無理だ…(呆)

…と思いながらも少し進んでみたが…

やっぱり無理だ…(絶)

 

仕方ない…違う方法を考えよう…

ひとまず太郎丸手前の岩山で休憩する。

 

本日のオヤツは…

ホイップパンと大福、それとコーヒー♪

 

いただきまぁすっ

 

オヤツタイムに帰り道を模索してみる…

このまま今泉登山口に下りて国道を歩いて戻るのが一番確実で安全なルートだが距離は途轍もなく長くなる…。

元来た道を戻る…もしかしたら住吉〜次郎丸には登りでは分からなかったちゃんとした道があるのかもしれない…が、その道に進むためにはもう一度次郎丸嶽まで登り返しとなる。

 

う〜む…

もしかしてホントに道があるとすれば、それはちゃんと確認して皆さんに紹介しておかなければならない…もしその道がなくてもそれはそれで注意喚起になるではないか…

 

そんなよくわからない使命感に駆られた私の結論は「登ってきた道を戻る」となった。

 

ということで下山する。

下山といってもまずは次郎丸嶽までの登り返し…(汗)

これがまたかなり体力消耗となったが、思ったほどではなく30分足らずで一枚岩まで登ってきた。

さぁっ

ここからちゃんとした登山道を探して戻ろうっ

看板の方向に進み入る…

…数m進んだ先で道がなくなった…(焦)

やっぱり道はなかった…

ふむ…住吉コースの登山道は塞がっているようだ…

ということは…

またシダ地獄を行くのかぃっ(泣)

と、よくよく尾根を観察してみると…

尾根の南側の森の中にはシダがなく、岩がゴロゴロしているが下れないほどではなさそうな雰囲気…

そしてその森の中が地図の示す破線道…

これは下れるんじゃないか?

 

恐る恐る下ってみる…

森の中には道は無いがシダも無いので比較的進んでいける。

地図の破線から外れないように…しかしシダの中にも入らないように…そのギリギリを進んでいく。

岩場もあって危険なところではあるが、なんとか下っていける…これは行けるぞっ(嬉)

 

森の中も足元はよく分からないのでゆっくり慎重に進んで…そしてそろそろ頃合いか…と思ったところから尾根の上に登ってみた…

すると…

登山道のシダ地獄手前に出たっ

おぉ

ちゃんと戻れたぞっ

嬉しさのあまりホントに声に出してしまったが、この時はさすがにホッとした…(安)

ここからは悠々と歩いていける。

気持ちも緩んで見える景色も格別だ。

途中、シダに覆われた道にもなるが普通に歩けるだけでも快適な道である。

 

しばらく進むと整備された道となった。

ここに違う方向に進む道があるかどうか探してみたが…ない…(残)

やっぱりここまで整備はされているが、ここからは未整備ってコトらしい。

登山道は…なかったんだね…(汗)

ここからは更に安心安全ゆったりと下っていく。

そういえばここら辺りを登っていた時は「今回の山旅はのんびりだな」とか思っていたが、その時の呑気な私に言ってやりたい…

 

戻れぃっ(怒)

 

さて…なだらかな道を軽やかに下り、森に入ってさらに進み、民家の見えるところまで下りてきた。

そして駐車場まで戻って…

 

今回の山旅はこれにて終了〜

お疲れさまでしたっ

 

 

今回登った太郎丸嶽・次郎丸嶽は、山容は厳ついが登り易い山で、今泉登山口からは小さな子どもからお年寄りまで安心して登れるお手軽で優しい山である。

距離も時間もそれほどかからないので初心者でも楽しく登れる山だ。

山頂に登ると岩山らしい風景と天草の海を見晴らすことができる素晴らしい景勝地である。

天草の山に登るならまずこの山に登っていただきたいと思う。

今現在は住吉コースは道が塞がっているので今泉登山口からをお勧めする。

 

〜今回のルート(クリックで拡大)〜

 

<途中で立ち寄った三角港の夜景>

 

〜Epilogue〜

新年初の山旅は物足りないくらい楽チンな山に登ろうと思って計画したのだが、結果とんでもない山旅となってしまった。

登山口やルートの形状までは調べたつもりだったのだが、実際は過酷な登山となった。

また、無理して強行突破したシダ区域だったが、今考えると非常に危険な行為だったと反省している。

初めて通る道で足元や周りが見えない状況のまま進むと、滑落や大怪我につながるし、道に迷うかもしれない。

低山だと甘く考えて遭難した事例はたくさんある。

初詣でも大変な目に遭ったことも踏まえて、無理は禁物…そしてもう少し慎重になるべきだった…

そんな反省点がたくさんある中、天草チャンポンを食べて帰る予定だったのに時間が押したために断念せざるを得なかった(涙)

人生思い通りにいかないなぁ…と、山に登りたいのかチャンポンを食べたかったのかよく分からないが、まぁとにかく近いうちにまた天草の山に登らなければっ…と思う帰り道であった…

でゎ また次回に。

 

 

 

おわり