明日は天気がいいらしい。
んじゃ山登りだっ!
…とはいえ、まだまだ寒い季節であり、チェーン規制や冬季の通行止等でどこの山でも行けるという状況ではない。
そこで熊本市内から近くてお手頃な山といえば…
俵山である。
~俵山(たわらやま)~
熊本県阿蘇郡西原村と南阿蘇村にまたがる標高1,095mの山。山頂は西原村にある。先史時代の阿蘇山大噴火によって形作られた東西18km、南北25kmにおよぶ阿蘇外輪山の一部であり、その西端に位置する一峰である。
俵山は、昨年の熊本地震で大きな被害を受け、登山道もいくつか崩壊・封鎖されている箇所があり、最近になって登山口の「萌の里」へのアクセスも容易になったばかり。
また、ここ俵山は、言わずと知れた私の初登山の地であり、私の中では聖地と言っても過言ではない。
加えて最近は森の中ばかり歩いていたので、たまにはお天道様の下を堂々と歩きたいという欲求もある。
そういった諸事情により、今回は復興祈願も兼ねて俵山に再度登ろうと思ったわけでだ。
コースはもちろん、初登山の時の展望台からの「峠コース」ではなく、萌の里からとする。
自宅を朝7時すぎに出発、県道36号(第二空港線)から県道206号に入り、西原村中央部を抜けてセブンイレブンのある交差点から先の県道28号をまっすぐ進むと、大きな交差点から先は通行止めとなっている。
迂回路があり、その交差点をミルク牧場方向に右折する。迂回路は途中から左折して新しい道路を進む。
看板がたくさんあってわかりやすいので間違えないと思うが、工事の大型車両も多いので注意しよう。
迂回路を大きく右カーブすると、すぐに萌の里に到着する。
萌の里の駐車場にも書いてあるが、登山目的の車両は、もう一段上の駐車場に停めよう。
駐車場は比較的広く、砂利ではあるが、区画線もロープで表示されている。
すでに何台かの車が停まっていた。土曜日でこんないい天気だと、やっぱり登山者も多そうだ。
ここから見上げる俵山は山頂こそ見えないが、草原を歩くコースなので景色を楽しみながら登れそうだ。
2月なのに、天気もいいので気温も高い。今日は時間もたっぷりあるので準備もゆっくりだ。
さて準備も整ったところで…
俵山に出発~w
駐車場から山に向かって伸びるコンクリート道へ進む。
右折して伸びるコンクリート道からも行けないでもないらしいが、基本的に「崩落危険」らしい。
コンクリート道が終わると山道となる。もちろん上り坂であるが、それほどの急勾配でもない。
まずは右手に見える尾根に取り次ぐ。
あとはしばらく尾根登りだ。
電線鉄塔の下を登ると岩場を通っていく。
足場は悪くない。岩場が階段代わりで登りやすい。
太陽も昇ったばかりなので、まだ道には霜柱があるが、風がないので寒くはない。絶好の山登り日和だ。
岩場で呼吸を整えるついでに風景を楽しむ。
天気が良いのでいろんな山が見える。
北の方向は鞍岳とその先に八方ヶ岳、西方向は金峰山とうっすらと小岱山、南の方には一ノ峯とニノ峯が顔を覗かせている。
東はもちろん俵山山頂だ。
山がわかると地形がわかるので風景を見てても飽きない。
さて、先を進もう。
尾根をひたすら登り続ける。道が途中で右左に分かれたりしているが先で合流しているのでどっちを進んでも大丈夫。
ただ、明らかに尾根を外れた方向に進む道がたまに現れるが、そっちにはいかないように…。
途中で地割れを発見。すごい地割れだ。俵山は地震が直撃したんだもんなぁ…。
そうこうしているうちに第一のピークに到着。
ちょっとした広場となっており、休憩場所にいいかも。
その先は一旦下りとなり、下り終わると柵があり、ゲートを開けて通る。
このゲートは牛の放牧場の柵を通り抜けるためのゲートであり、閉めてある。通ったらきちんと閉めておこう。
ここからはしばらく防火帯を登る。ゲートで追いついてきた初老のおじさんと一緒に進む。
聞けば同じ市内からの登山客で、何回も登っておられるようだ。
俵山にまつわるいろいろな話が聞けて有難いのだが、如何せんひとりが好きな私には人と一緒に登るのは少し苦痛と感じてしまう。
というよりその人に気を遣ってしまい、風景や自然の風や音に集中できないのだ。
しかし、良かれと思って一緒に歩いてくれているこのおじさんに悪いし、とりあえずもう少し一緒に歩こう。
分岐が現れる。
おじさんはここが分岐と知らなかったらしく、左の「林道コース」に進もうとしている。私的にもそちらでいいのだが、教えるつもりで「こっちにも道がありますよね?」と右の道に指をさすと「あ~ 新しい道ができたんだね。こっちを進もう」と、勝手に進み出した。
私もしょうがないのでそっちについていく。
この道は帰りに使おうと思っていた道なのだが、まぁいいか…。
真っ直ぐで短距離のこのバイパスのような道は杉林の中を歩く道で、けっこう登りが多い。
途中にもうひとつ分岐があって、これを右に進むと標高865mの看板へ出る。いっぽう左へ進むとニノ坂と呼ばれる、さっきの分岐から左に進んだ道と早めに合流する。
文章だと実に分かりづらいと思うが、まぁどっちに進んでもちゃんと山頂へ進めるので好きな方を進もう。
私(たち)は左に進んだ。
その先でT字となる分岐があるが、そこは普通に右(上りの方向)へ進もう。「萌の里」とある道標の方向は帰ってしまうので注意。
途中でおじさんは先にどんどん進んでいったが、私は自分のペースでゆっくりと森を楽しみながら進む。
分岐に到着する。ここが林道コースから登ってきたニノ坂との出合だ。
おじさんはここで待っててくれていたが、先を進もうと急いでいる様子だったので、私は休憩すると告げてこの親切なおじさんと別れる。
ここからの登りは足にきそうな急勾配だ。ただし、さほど長くないので心配いらない。
急坂を登るとそこに「標高865m」の看板があり、さっきの森の中の分岐を右に進むとここに着く。
ここからは尾根を歩くのだが、勾配はほとんどなく平坦な道だ。
ここの付近も地割れがすごい。崩落箇所もある。地震のすごさを目の当たりにできる場所だ。
しばらく進むと標高926m。ここら辺りは小さな腰掛けれそうな岩がたくさんあり、休憩適地である。
この先も平坦な道が続く。とはいえ、山に登っているわけだから少しずつ登ってはいるのでまったくの平坦ではないので悪しからず。
この先の杉林に入るとテープ等の表示があまりない。道は踏み跡がありはっきりしているので、道を確かめながら進む。
林を抜けると山頂が見えてくる。いよいよ終盤だ。
霜柱の道を進み、最後の登り。少しだけ勾配が急である。
そして山頂到着~w
ひさしぶりの俵山山頂だ。
登山客がごった返しているかと思いきや、私の他には一人しかいなかったので、これ見よがしに自撮り。
いい自撮り写真が撮れたので、次に風景撮影に入る。
見晴らし最高、天気も最高!
少し霞んで遠くは見えないが、それは贅沢というものである。
それでは東側から順にどうぞ…
阿蘇の写真は少し東側に行った方がいいと思い、山頂東側に行ってみる。
前回、山頂と間違った東端からの阿蘇山はやっぱり美しかった。
東の山々も見えるし、地蔵峠へ伸びる縦走路も見える。
さて、風景を堪能したら俵山山頂へ戻り、昼食としよう。
少し風が出てきたので、山頂を避けて少し南側に降ったところに陣を敷く。
前回の山メシで味をしめた「野菜煮込みラーメン」で本日もいこう。
今日は野菜に少し火を通してから麺を茹でたのでちょうどいい具合の麺の硬さで、調理は大成功ってとこかw
一ノ峯・ニノ峯~冠ヶ岳方向の山々を見ながらの食事は最高だ。
食事の後はコーヒーブレイク。
お昼が近くなってくると山頂も人が多くなってきた。
彼方此方で話し声や笑い声が絶えない。
やっぱりメジャーな山は賑やかだねぇ~w
さて、山頂も十分楽しんだので下ることにしよう。
下の坂道は霜柱が溶けて滑りやすい。注意しないと滑りこけてしまう。
ニノ坂分岐に到着、ここからは森に入らずに真っ直ぐ進む。
しばらく進むと下りとなる。これがけっこうな急勾配だ。
下り終えて見返してみると、登りとしても急に見えるのでちょっとキツそう…。
平坦な道になるといろんな表示が現れる。登り方向に対して通行止めの表示。一般車通行禁止とは…まさかここまで車で来れるのか?
標高735mの看板もある。ここ付近は道がいいのでズンズン進もう。
しばらく進むと林道と出合う。出合うというか、さっきの通行止めの表示から林道だったのだろう、自然と林道になったって感じだ。軽のオフロードなら登れそうな道幅がある林道を進む。石が散乱し、一部崩落した箇所があるが、もともと林道なので歩きやすい。
最初の分岐に到着する。ちょっと休憩しながら考える。
この表示では今やって来た林道が「急坂」で、最初に登った森の中が「ゆる坂」とある。
う~ん…これはどうだろう…。
私的には「急坂」と書かれたコースの方が楽だと思う。歩きやすいし、勾配はあるが、結局は同じ標高になるわけだがらね。
だから林道の方を「ゆる坂」と表示すべきではないだろうかと…。
まぁ、人それぞれの感じ方があるので一概には言えないが、なんともモヤモヤ感の残る気分で元来た道を戻る。
途中、放牧場にいる赤牛を見ながら防火帯を進み、ゲートを越えて最後の尾根を下る。
眼下に広がる熊本の街を見ながらの下りは気持ちいい。
ただ岩場なので足元にも注意しないと蹴つまづいて転がりでもしたら大変だ。
道の良い草原地帯はリズムよく下る。
そして駐車場に到着~っ
本日も無事に終了~w お疲れ様でした~w
今回は俵山の萌の里スタート登山であったが、ここからのコースも険しい箇所はなく、初心者でも気軽に楽しめるコースとなっている。
ただし、コースが多いので分岐が多く思わぬ方向へ進んでしまう可能性がある。また地震の影響による崩落箇所も多数あるのでコースが塞がっている場合も多い。
地震後にできた新しいコースもあり、何回も登っている人でも知らないコースもあるようなので、初心者や初めて俵山に登る人は事前の計画でコースをしっかり決めて、地図とコンパスの携行、そしてできれば地図アプリを入れたスマホを上手に使いながら道に迷わないようにして登ってもらいたい。
ちなみにこのコースでは以前、私の職場の同僚が下りで迷ったという話も聞いたことがある。あまり安易な気持ちで挑むと大変な目に会うことになるので「迷うかもしれない」ということを頭の片隅に忘れないようにして、楽しく登ってもらいたい。
~今回のルート(クリックで拡大)~
おわり