34:脊振山(坂本峠(霊仙寺跡から)) | 山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

山登りの日記っ!〜熊本から九州の山々へ〜

九州(主に熊本)の山登りやってますw
よかったら読んでやってください(o^^o)

前回、九千部山に登った時に思った。

佐賀県は「遠いようでそれほどでもない」ということ。

それなら「佐賀県も行動範囲内だ!」ということでいくつかの山をピックアップしてみた… うん…熊本から行けそうな山ばかり。

そういうことで今回は前回登った九千部山のお隣にある「脊振山」に登ってみることにする。

 

~脊振山~

脊振山(せふりさん)は、福岡県福岡市早良区と佐賀県神埼市との境に位置する標高1,054.6m、脊振山系最高峰の山である。日本三百名山の一つ。山頂には、航空自衛隊、アメリカ軍のレーダーサイト(脊振山分屯基地)がある。

江戸後期までは、脊振山ではなく、廣瀧山という。廣瀧山の麓に武家の廣瀧家を中心として村を築き、住んでいた。廣瀧家は織田家の正式な家紋と同一で、五つ木瓜。

なお、脊振山の表記は正式には「脊」を使い、「背」ではない。

 

登山口はいくつかあるが、熊本から近いのは佐賀県側の坂本峠から。

近くに「霊仙寺跡」があり、ついでにここも見てみようと出発をこの霊仙寺跡の参道入口とした。距離では往復を考えても1時間弱余計にかかるってところだ。

 

朝6時に自宅を出発。ほとんど直線的なルートをGoogleが設定してくれたおかげで2時間30分ほどで霊仙寺跡の参道入口駐車場に到着した。

まだ3月半ばというのに、けっこう暖かい。

準備を済ませて一服済ませて

 

さぁ~出発~!!

 

あ、言い忘れたが、今回のルートは「霊仙寺~坂本峠(林道)~蛤岳~脊振山」を往復するルートだ。

 

参道入口から階段があり、整備が行き届いている。もっと人が来ても良さそうなところだな。

階段は擬木で作られた遊歩道でよく見かけるヤツだが、盛ってあるのが土ではなく木のクズだろうか…ふわふわしている。

階段の段差もちょうどいい感じで歩きやすい。これなら高齢の方でも膝に優しくて良さそうだ。

この霊仙寺は、日本でのお茶栽培の発祥の地らしく、なんとなく「ワビサビ」を感じさせる。

しばらく進むと急な階段となる。左側にはお茶の木がたくさんあり、その開けた麓方向には佐賀の街が広がっている。

 

階段を登っていく霊仙寺跡はウォーミングアップにはちょうどよく、時間も15分ほどので寺院跡に到着する。

境内からの眺めは佐賀の街を見下ろすいい景色だ。ドライブ途中に立ち寄ってもいい感じだね。

 

境内のベンチで少し休憩をとって先に進む。

ここから御堂の左脇に伸びる道を進んで行くと階段に辿り着く。その階段を上ると林道と出合う。

このアスファルトの林道を右に進む。

現在は左は通行止めだったが、工事中だったのでもうすぐ通行可能となるのだろう。

 

林道をぼちぼち歩いて進む。右手に木々の間から遠くの景色も楽しめるこの林道は勾配も少ないのでキツさは感じない。

ただ3月も半ばを過ぎるとけっこう暖かいので暑く感じる場合はここで体温調整をしておこう。

 

蛤岳の登山口となる林道入口に到着。ここまで霊仙寺参道入口から予定通り約30分だ。

この林道入口は車両が勝手に入れないようゲートが施されているが、脇を抜けるように通らせてもらう。

ただ、ちょっと狭いので体の大き目の人にはちょっときついかもしれない…。

ここから先も車一台が余裕で進める程度の道幅で道の状態もいいので歩きやすい。

途中いくつかの林道分岐があるが、本道らしい道を進めば大丈夫だ。ただひとつの箇所は注意が必要である。

右に登る方とまっすぐ進む道の分岐で、まっすぐ行きたくなるが、ここは登る方に進もう。

 

緩やかな登りが終わるとその先の左カーブで登山用の遊歩道と出合う。ここは坂本峠からの遊歩道らしく、ちょっと手前に道標もある。

その先をもうちょっと進むと蛤岳登山道入口に到着。

ここまでで約1時間。ここらで一旦休憩しよう。

 

ここから本格的な遊歩道となるので改めて山登り開始となる。

ただし道の状態はいいので気負う必要はないので安心を。

当初は下りが続く。水のない沢にかかる橋を渡ると少し登りとなる。登りきると、そこからは平坦な道となり楽チンな山行となる。

林道と出合う。林道をまたいで進む遊歩道であるが、林道そのまま進んできても良かったんじゃないかと思ってしまう。

その後も何度か林道と出合うこととなるが、山登り感を満喫するためにはやっぱり遊歩道でしょ!と遊歩道を突き進む。

まぁ、最後の方に書いてはいるが、どっちを歩いても時間などはさほど変わらない。

ただし、最後まで林道を使うと遠回りになるので注意しよう(最後の地図を参照)。

 

しばらく進むと、さっきとは違うアスファルト林道に出合う。

ここ付近で川の流れる音が聞こえてくる。それもハンパないほどの水の量のようで、決して小川ではないことがわかる。

ここからは道のいい整備された遊歩道を進む。

ちょっと進んだところでさっきの川の音の正体がわかった。

水道だ。

 

しばらくはこの水道を沿って進むこととなる。

「蛤水道」というこの人工水道は、元は江戸の時代から作られた水道で、佐賀県側の水不足解消のために作られたそうだ。

人工のクリークのような水道なので普通の山の沢とは違って今ひとつ自然は感じれないが、道がいいので許すことにする。

しばらくのんきに歩いていると蛤岳分岐に到着する。ここから蛤岳を目指す。

 

緑の豊富な趣きのある杉林を登る。勾配はあるが道は歩きやすい。

杉林を抜けると少し空が開けた緩やかな登り道に出る。ここは空の光が入ってくるので気持ちよく歩くことができる。

しかし、しばらくすると沢のような道となる。勾配もあり少しキツいが頑張って登ろう。

勾配も佳境を迎え、最後の直線的な道を登り終えると蛤岳に到着する。

800mほどの山頂には残雪があり、ちょっとビックリ。

蛤岳というからには蛤のような形の山なのかと思っていたら、山頂に蛤のような岩があった。

これが名前の由来なのかと思いつつ一番高い岩に登ってみた。

見晴らしはちょっと残念だが、南西の方向が少し遠くまで見えるのでちょっとは山頂気分を味わえる。

しばらく山頂で佇んでいたら逆方向から登山客。

大勢登ってこられたので、挨拶もそこそこに出発することにした。

 

山頂からの下り手前に蛤岳の三角点を発見。そこから北方向を見ると、木々の間から脊振山が見える。けっこう遠いな…(汗)

ここからはなだらかな下りが続く。この間も残雪があちこちに残っており、見るからに寒そうだが、実際のところはそれほど寒くなかったな…。

途中にいくつかの分岐があるが、道標通り「脊振山」を目指せば迷うことはないだろう。

下り続けること20分ほどで水道分岐に到着する。帰りはここから水道沿いに帰るつもりだが、とりあえず脊振山に向かう。

ここからしばらく沢沿いの道を歩く。この辺りは気持ちの良い遊歩道となるので気をゆるゆるにして鼻歌でも歌いつつ進もう。

しばらく進むと沢とお別れして登りとなる。ただ、大した登りでもないので安心を。

登りが終わって少し緩やかな下りとなり、その先で林道と出合う。方向的には林道の方かな?と思うが、林道をまたいだ先に遊歩道があるのでそこを進もう。ちなみに林道は全然別の方向に行ってしまうのでくれぐれも林道を歩くことのないように…。

 

ここからはしばらく登りが続く。ここら辺りも残雪が残っており、気温の上昇に伴って道がベチャベチャになっているので滑らないように注意が必要だ。

登り坂なので汗が出てくる。残雪を手にとって火照った顔に当てると冷たくて気持ちいい。

 

しばらく進むと分岐に到着する。この分岐を左に下って進む。

ここからアップタウンが続くことになる。沢渡りなどもあり山を登ってる感を味わえる行程だ。

 

熊笹の茂るアップダウンの道を進み、最後の沢登りが終わって平坦な道を進んでいると、いきなり人工物が現れる。

航空自衛隊のレーダー基地だ。

こんな山奥で仕事をしている人たちも大変だなぁ~と、かなり人ごとみたいな感想を呟きつつ、その脇の杉林の中の遊歩道を進み続ける。

 

ここ付近は残雪…というより溶けていない現役バリバリの雪がかなり残っており、滑りそうなのでちょっと慎重に進もう。

それに加えてアップタウンが多くなり、膝の負担と心臓への負担もかかってきて、残りわずかな行程なのだが気持ち的にヘコみそうになる。

最後の下りはほとんど雪に隠れた急な階段を下っていく。

階段は好きじゃないけど、今日ばかりはありがたい。これ、階段じゃなければ滑りコケまくりですごいことになっていただろう。

雪と言えば「雪だるま」。作ってみた。

 

アップタウンが続く遊歩道を進むと、その先に丸太の歩道出現。

最後にきてこの歓迎ぶりはどうだろう。人工的な遊歩道ほど山に似合わないものはないが、疲れた足にはとてもありがたい。

丸太の遊歩道が終わり、その先を進むと石段に出合う。その先に県道も見える。山頂はもう少しのようだ。

石段と出合った先に「たにし仏」という祠がある。

このたにし仏、名前はおちゃらけているが石仏自体はとてもカッコイイ。

実物を見てもらうとわかるが、説明板にもあるように「スキがない」のだ。

この石仏にどのような謂れがあるのかよくわかっていないようだが、とにかくカッコイイので必見されたし。

 

石段を登り終えると駐車場に出る。

実はこの脊振山には若い頃に何度か登ったことがある。もちろん車でだ。

この脊振山から見る夜景は、それはもう百万ドルをはるかに超えるほどの夜景である。それも金曜日とか土曜日だと福岡から佐賀にかけての都市の灯が一望できて、それはそれはもう言葉の説明だけではどうにも伝わらないほどのキレイな夜景なのだ。

その夜景を見に何度か来たことがあるし、昼間にドライブで来たこともある。

もちろん彼女を連れて来たこともあるが、それは今のヨメさんとは違うので口外は無用である。

そんな懐かしさがほのかに感じられる駐車場を通り過ぎ、自衛隊基地の入口前の道を渡って石段を登る。

けっこう長い石段を登り終えると…

脊振山頂に到着~w

さすがは脊振山地最高峰だけあって景色は最高だ。

遠くは福岡市街から佐賀市街まで一望できる。近くにあるメロンみたいな自衛隊のレーダー塔が邪魔な感は否めないが、それを除いても絶景である。

天気はあいにくの曇り空で、霞もかかっているので遠くまで見通せない状態ではあるが、久々の脊振山は気持ちいい。

脊振山地の山々や西に広がる天山などの山々を見渡せる。

この前登った九千部山も東の方向に確認できる。

 

ここにきてあることに気づいた。

今回新調したサングラスがないっ(汗)

たぶんどこかで落としたようだ。

山頂を満喫した後は、いつものごとく昼食と洒落込むつもりだったが、山頂の寒さも手伝ってサングラスを探しに戻ることにする。

 

結果、わからずじまい…(悲)

戻る道すがら探し回ったが、サングラスが戻ることはなかった…。

 

ヘコんだ気持ちのまま、林道まで戻ったところで気持ちを切替えて昼食をとることにした。

今回のメニューは「醤油もやしラーメン」+ウインナーソーセージ。

美味いね~w

最近は昼食も凝りだしてきて、かなり山を満喫するようになったなぁ…

 

誰もいない山の中で「美味い美味いw」を連呼しながら食事をしていると…ポツリときた。こりゃ雲行きが怪しくなってきたぞということで、さっさとお昼を済ませて先を急ぐことにしよう。

 

お腹も満たされて戻る行程にも力が出る。

蛤岳手前の水道分岐に到着。

そこに登山客が地図を見ながら立ち止まっていたが、道を塞ぐようなかっこうで立っていたので邪魔だった。

立ち止まる場合は道を外れて他の登山客の邪魔にならないように気をつけよう。

ここからは蛤岳に戻らず水道沿いを歩くルートをとる。

小川のような沢を伝って進む。

道の踏み跡は弱いが、なんとなく道が見えるので注意しながら進もう。

何度か沢を渡ると道が分かりづらくなってくる。

見失なった場合は沢沿いに進めば大丈夫だ。

途中、完全に道を見失なうかもしれないが、ひたすら沢沿いに進むと人工の水道と出合うので、とにかく沢から離れないように進もう。

田んぼのクリークのような水道の脇の道に出てしまえばこっちのもんだ。

ここまでくるとちょっと安堵感が漂うが、くれぐれも安心のあまり気を緩め過ぎて水道に落ちないように気をつけよう。

しばらく進むと蛤水道の記念碑に到着する。

ここからは水道沿いの歩きやすい歩道を進む。

のんきに歌でも歌いながら歩き続けると蛤岳入口分岐に到着する。ここの手前にベンチが設けられているので、安心のあまり疲れを感じた場合はここで休憩してもいいだろう。

ここからは勝手知ったる元来た道なので安心だ。

ひとつめのアスファルト林道で一旦休憩。

ここから、また元来たルートを戻る。

 

ただ同じ道を帰っても面白くないので、次の林道出合から林道を歩いてみよう。

登り始めの部分は林道をまたぐような遊歩道だったが、果たしてどちらを歩いた方が楽なのか近いのか…。

結論は、さすがに整備されている林道は歩きやすい。

時間も遊歩道とあまり変わらないようだ。

登る際にもここまでは林道を使ってもよいだろう。

 

最初の登山口ゲートに到着。

そしてアスファルト林道を戻り、霊仙寺跡通過する。

霊仙寺参道のふかふかな道は、全行程約20km、8時間も歩いた疲れが残る足にとても優しい。

考えてみると…片道10kmなんてちょっと長すぎだったかもな…(汗)

 

そして階段を下り終えて今回も、無事に終了~!

お疲れ様でした~w

 

今回登った脊振山は、登山ルートがたくさんあり、また車でも登れることから、老若男女気軽に楽しめる山である。

また今回私の通ったルートも、距離こそ長いものの起伏もなだらかで、遊歩道もしっかりしているので、初心者も安心して登ることができる。

かなりオススメな山なので、機会があればトライしてもらいたい。

~今回のルート(クリックで拡大)~

霊仙寺参道入口〜坂本峠登山口ゲート(30’)〜蛤水道入口(1h30’)〜蛤岳山頂5.4km(1h50’)〜蛤水道分岐(2h15’)〜林道出合(2h30’)〜たにし仏(3h30’)〜脊振山頂10km(3h45’)

※休憩時間を除く

 

さて、帰りは高速でさっさと帰ろっと…。

 

 

 

おわり