前日は夜更かしで遅くまで起きていたせいかちょっと遅めの目覚め。
起きて外をみてビックリした。
「なんだぁ~!この晴天わぁ~っ!」
雲ひとつない晴天。
こんな山登り日和に不覚にも寝てしまっていたっ!
実は天気がいいのは知っていた。しかし、この前「国見岳」に登ってきたばかりだったので「明日はゆっくりしよ~っと」と思っていたのだが、実際にベランダに出てみると「歯がゆいっ」「山行きてぇ」。
用事で家族を車で送った帰り道。
「ホントいい天気だなぁ~」
…で、気がつくと車は「甲佐岳」に向かっていた。
この時間(昼1時頃)で、なんの準備もしていないまま登れるお手軽な山といったら「登山口まで約1時間」「山頂まで往復1時間」の「甲佐岳」を思いついたのだ。
服装はジーパンにスポーツジャケットなので問題ない。靴も「転ばぬ先の杖くん」も車に積んである。
ただその他の装備品は持ってきていない。
家族の用事が済むのがだいたい4時過ぎ頃なのであとギリギリ3時間ほどなので家に取りに帰るわけにもいかない。
「まぁ30分程度で登れる山だし、軽装で大丈夫だろ~」
こういったわけで能天気な私は一路、甲佐岳の登山口のある「福城寺」に向かった。
国道443号から美里町に入り国道218号を進む。途中までは国見岳の時と同じ道だ。
霊台橋を過ぎるとすぐに細い道に入る。ここからは細い道になるので注意が必要だ。県道220号に入り、すぐまた山道に入る。
とてつもなく道が狭い。いつものことだが、登山口というのはどこも狭いなぁ。
山に向かってドンドン進む。途中民家があるのでゆっくり進もう。
道が終わると終点「福城寺」だ。
寺の手前に駐車場があるのでそこに駐車する。

駐車場から甲佐岳の悠々とそびえ立つ姿を見上げる。
「頂上、けっこう遠いなぁ…ホント30分で登れるのかなぁ」
少し不安もあるが、来たもんはしょうがないので準備する。準備といっても靴を履き替えるだけ。あとはリュックもないのでコンビニで買った500mlの水を片手に福城寺に向かう。

福城寺はとても由緒ある、そして趣のあるお寺だ。
時間的に急いではいるが無事を祈ってお参りする。
お寺の左側に「野外救急箱」というのがあり、登山道へはこの左のコンクリート道を登って行く。

さぁ出発っ!
しばらく進むと登山口を発見。
道は整備されていて登りやすそうだ。
それにしてもこんな山奥にお寺があるのもすごいが、周りに民家が沢山ある。
住職さんたちの家だけではないようだ。登ってきた経路にもちらほら民家があったし。
こんな山奥だといろいろと不便だろうなぁ…。

時間に余裕はないが心に余裕のあるので、そんなことを考えつつ、ふと山側に目を向けると花が咲いてる。キレイだね。
登山道は、すぐそこが頂上なのでずっと登りだ。
まずは杉の木林を登って行く。最初は角度の浅いジグザグ道、いわゆる急な勾配である。
しかし木の根っこが足場になってくれているので登りやすい。

ところどころではあるが、階段が整備されている箇所もあるので安心して登れる。
杉林も中間を過ぎると岩が見えてくる。

岩の間を登って行くようになるが、道にも岩があるので滑らないように注意。
ここくらいになると山の勾配が急になるが、ジグザグ度が深くなって道の勾配は緩やかになる。イメージはドンキーコングみたいな感じだ。ただしタルは転がってこないので安心してもらいたい。
ずっと登りなのでけっこう息が上がる。普通ならここいらで休憩するのだが、いかんせん今回は時間との戦いなので大休止はできない。小休止(立ち止まって息を整えるくらい)でガンガン登って行く。
杉の林をやっと抜けると看板あり。

「山頂まで200m」とあるが、道のり200mなのだろうか…直距離の200m先なのか…はたまた標高差200m?
などと疲労に加え酸欠も手伝って病人のようにブツブツ独り言を言いながら登ってると岩登りが現れたっ!
お?最後の岩場登りか?
予想通り、この岩場を登ったら山頂に到着した。

やった~っ!頂上到着~!!
短時間だったが、一気に駆け上がってきたようなもんなので達成感がある。

「甲佐岳~標高753m~元 九州百名山」
…「元」ってのが少し悲しいね…
心地よい風と美しい風景で疲れも吹っ飛んでしまう。少し霞かかっているが九州山地の山々がとてもきれいだ。
まだ息遣いが荒いが写真を撮りまくる。
岩場に登ればけっこう九州山地のいい写真が撮れそうだ。

この前登った国見岳…ってどれだろう…。
しかしこれだけの山があればこの先、当分は登る山には事欠かないなぁ。

麓の様子も見下ろすことができる。

西には長崎県(雲仙岳)を見ることができる。ちなみに私の故郷だ。
天気がいいとやっぱり見晴らしが良くていいね!
山登りは天気のいい日が一番だ。
…と、ここで自分の立場を思い出した。
こんなところでくつろいでいる場合ではない。私には時間がないのだ。さっさと帰らないきゃ。
でもせっかくなのでタバコ一本くらいいいだろう。
九州山地を眺めながら岩に座ってタバコを一服。
あぁ…至福の時間…。
山登りって楽しいなぁ♪
帰り道(降り)はとても早い。道がいいのでドンドン降りて行けるのだ。
急いでいるのも手伝ってか、ちょっと走ってる感じで降りるとすぐに登山口についた。
時間を見ると登りの半分しかかかってない。
登りに35分を要した。そして頂上で5分休憩。降りはなんと15分もかかっていない。
正味55分で今回の山登りは終了した。
福城寺に無事のお礼をして駐車場へ。途中、住職さんらしき人と会う。
「こんにちわ~」お礼を言って今回の山登り終了。
熊本への帰り道は、近道だと思った県道220号を利用して甲佐町まで出たが、道路が狭すぎる。対向車が来た場合、離合が困難すぎる。私は運がいいので対向車もほとんどなく、あっても離合が丁度できるタイミングだったのだが、それでも時間は往路と変わらなかった。
帰り道も往路と同じ国道218号に戻る経路を強く推奨する。
熊本市内からなら1時間程度で登山口まで行けて、登山時間もゆっくり見積もっても往復2時間足らずで気軽に登れ、見晴らしも1,000m級の山に劣らない「甲佐岳」は初心者や気軽に登りたい方にうってつけの山である。ちなみに携帯電話(docomo)は常時エリア内だった。
機会があれば登ってみてほしい。
さて、私はこれから家族を迎えに行かなければならないので失礼する。
おわり