円安の行き着く先は1ドル200円ではないか。 | 旅一郎のブログ

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国鉄(日本国有鉄道)が、最後の全盛期を迎えた昭和47年ー53年までをテーマにした、汽車旅のブログです。

旧型客車亡き後、日本の鉄道旅行は本当につまらなくなりました。そのため海外ネタも載せています。

当時の雰囲気を伝えるものは鉄道にかかわらずアップします

円安はどこまで行くのか。


今の円安はアベノミクスの第一の矢

異次元金融緩和に端を発する。


それまでの金融政策との差は日銀のHP資料マネタリーベースを見ればわかる。

アベノミクス前の2012年当時マネタリーベース(通貨発行高)は100兆円強、そこからぐんぐん増えて現在は700兆弱、およそ5倍になっています。

これが平等に行き渡れば給与も物価も5倍になる。その代わりに為替は1/5になり、結局同じこと。


でも実際には給与も物価も5倍なっていないのはなぜ?


お金には日銀が刷る札のほか、銀行が貸し出す事で増やす信用創造分がある

信用創造とは、銀行が集めた預金の一部「支払準備金(現在平均0.8%)」として残し残りを貸し出せるというもの。

限界まで貸し出しを続けると1/0.08まで、つまり元の預金額の12.5倍まで、信用によって増やす事ができる。この信用創造分を合わせた総計をマネーストックと呼ぶ。そして信用創造分を合わせたマネーストックの総量が実態経済に与える影響が大きいため、物価は5倍にはなっていないのだ。


グラフを見るとアベノミクス前のマネーストック総額が800兆円(マネタリーベースの8倍)だったのに対し、2023年で1,230兆円と1.5倍に留まり、マネタリーベースの5倍より低くなっている。これは

実際には低迷する経済状況ではお金を借りる人が少ないので、マネーストックの推移はマネタリーベースより緩やかという事だ。

アベノミクス前と後をみてもマネーストックの増加速度は緩やか。


ここまでのまとめ。

円の価値はお金の総量が増えればその逆数だけ実質価値を下げる。お金が倍になれば円の為替は半分になる。


この理屈から、アベノミクスで増えたお金は1.5倍となり、円は1/1.5=66%に価値を下げることになる。


ただしそれはこれまでの話。

今後インフレが続くと考える人が増えると、銀行の貸し出しが増え、最終的にはマネタリーベースの12.5倍まで信用創造が膨らむ可能性がある。


結果、2012年比5倍(円の価値は1/5)になる可能性がある。


【結論】

為替はすでに半分になっているので、残り2.5倍を為替と物価で吸収するならば、

1ドル=200円(2012年比1/3)、物価2倍にすれば

アベノミクスの負の遺産を吸収できるだろう。


なお、正しく物価をみるには価値が不変のものを基準にしないとわからない。

僕が提唱するのは、駅弁と公共料金だったけど、宮内庁御用達も価値が不変なものと考えられる。


(参考)以下は以前のツイート。

2000と比べ宮内庁御用達商品は平均倍になっている。(2000年からの比較なので若干ずれはあるけれど、金融緩和との関係でみると誤差と考える)


このことから、物価倍はほぼ達成したといえる。

あとは為替が1ドル200円になることで清算完了ではないか。


なお、ドル自体も金融緩和で価値を下げているので見た目のドル円相場は1ドル100円に戻る事もあるだろう。しかしドルの購買力は半分になっていることを忘れないように。←将来的に「1ドル百円戻った!」という意見が出ると思うけど1ドルの価値も不変ではないのでその時の米国物価が2倍になっていたとすると、1ドル百円は200円と同じ価値しかない、ということを知っておいてください


https://x.com/tabiichiro/status/1787167082947412187?s=46&t=Rd0eLx4nBTorSsBc1IvUKg


宮内庁御用達商品の価格推移に見る円の購買力


円の本当の実力を知るには、変わらないものの価格推移を見るとわかるので駅弁を例にしてきたけど宮内庁御用達もいい対象だろう


2000年と2024年の比較では平均204%のインフレ


実質実行為替レートの推移(228%)ほぼ同じ

2000年 161.92

2024年 70.94


宮内庁御用達商品価格推移の一例:2000年と2024年