ホテルになる前、
ここは何だった?

旅人を迎える前、
そこには別の人が出入りしていました。

お金を預ける銀行。

糸を紡ぎ、布をつくる工場。

遠くの声をつなぐ電話局。

酒を仕込み、町へ送り出す蔵元。

子どもが学び、地域の人が集まる学校。

客室とベッドを入れれば、
建物はホテルになります。

けれど、今回見たいのは、
ホテルへ変わったあとも、
建物の以前の「仕事」が残っているか。


古い外観だけでなく、
人の動きや、町との関係まで引き継ぐ宿を訪ねます。

THE BUILDING HAD A JOB BEFORE IT HAD GUESTS

建物を残すだけではなく、
かつての役割に泊まる。

リノベーションホテルの魅力として、古い煉瓦、太い梁、高い天井、木造の廊下などがよく紹介されます。

たしかに、失われずに残った素材や形は美しいものです。

ただ、建物の記憶は、目に見える意匠だけに宿るのでしょうか。

銀行なら、町の信用や復興を支えた役割。
工場なら、人が働き、地域の産業を育てた時間。
学校なら、学びと交流のために町へひらかれていた性格。

以前の役割を、現代の宿泊へどう読み替えたのか。

そこまで見てみると、リノベーションは、
古い建物をおしゃれにすることとは少し違って見えてきます。

画像はテーマをもとに作成したイメージビジュアルです。実際の建物、外観、客室、家具、料理、設備、人物、周辺景観とは異なる場合があります。

EDITOR’S NOTE

古い窓を残せば、
建物の記憶を継いだことになるのか。

古い煉瓦や梁は、ホテルの魅力を分かりやすく伝えてくれます。

けれど、以前の用途を示す意匠だけが切り取られ、写真を撮るための背景になれば、建物の歴史は単なる雰囲気として消費されるかもしれません。

反対に、昔と同じ使い方へ戻すことだけが、正しい保存とも限りません。

使われなければ、建物を維持するための費用も、人が訪れる理由も失われていきます。

何を残し、何を変えるのか。
誰のために、もう一度ひらくのか。


保存と再利用の間にある判断まで含めて、
6つの宿を読み解いてみます。

FOUR LAYERS OF MEMORY

建物の記憶を読む、4つの層

01

外壁、窓、柱、梁、廊下、天井、庭。以前の建物を目で確かめられる部分です。

02

動線

人がどこから入り、どこへ集まり、どう移動していたのか。建物の使われ方に残る記憶です。

03

役割

信用を預かる、ものをつくる、情報を送る、学ぶ。建物が町の中で果たしていた仕事です。

04

関係

地域の人にひらかれているか。新しい仕事や交流が生まれたか。ホテルになったあと、町とどうつながっているかを見ます。

HOW TO READ EACH BUILDING

それぞれの宿を、4つの問いで見る

BEFORE 以前の仕事 誰が
何のために
使ったのか
TRACE 残ったもの 形、素材
動線や
空間の癖
CHANGE 変わった役割 ホテルとして
何を新しく
加えたのか
QUESTION 残る問い 保存か演出か
地域へ何が
戻ったのか

SIX BUILDINGS, SIX AFTERLIVES

以前の仕事が異なる、6つの宿

 
01 TOYOOKA1925
02 倉敷アイビースクエア
03 エースホテル京都
04 風の ならまち
05 オーベルジュ オーフ
06 河辺ふるさとの宿

01 / BANK & RECOVERY

TOYOOKA1925

兵庫・豊岡 旧銀行 震災復興建築

信用を預かる建物から、
町の復興を語る宿へ。

TOYOOKA1925の建物は、1934年に兵庫縣農工銀行豊岡支店として建てられました。

その背景には、1925年に豊岡の町を襲った北但大震災があります。

大きな被害を受けた町では、火災や地震に備えた建築が次々と建てられました。この旧銀行も、復興期の豊岡を伝える建物の一つです。

現在は、旧銀行の構造や意匠を生かした、全6室の小さなホテルとして使われています。

銀行が扱っていたのは、お金だけではありません。

復興の途中にある町で、人が将来を信じ、商いを続けるための信用を支える場所でもありました。ホテルになったいま、この建物は、豊岡の復興を旅人へ伝える役割を担っています。

BEFORE|以前は何をする建物だった?

町の産業や暮らしを金融面から支える銀行。震災後の豊岡に建てられた、復興期の近代建築です。

TRACE|今も残っているもの

旧銀行の堅牢な構造、窓や装飾、中央の広い空間。建物のつくりそのものが、昭和初期の町の再建を伝えています。

CHANGE|ホテルになって変わったこと

お金を預ける閉じた場所から、町を訪れる人を迎え、食事や滞在を通して豊岡の背景を知る場所へ変わりました。

QUESTION|残る問い

レトロな銀行建築として楽しむだけでなく、なぜこの建物が震災後の町に必要だったのかまで伝えられるか。名前の「1925」は、その問いを現在へ残しています。

 

 

02 / FACTORY & PUBLIC SQUARE

倉敷アイビースクエア

岡山・倉敷 旧紡績工場 複合文化施設

ものをつくる工場から、
文化が集まる広場へ。

倉敷アイビースクエアは、1889年に建設された倉敷紡績所の本社工場を再開発した複合文化施設です。

赤煉瓦の外壁や工場の基本構造を残しながら、ホテル、レストラン、歴史館、体験工房、ショップなどが置かれています。

中央には大きな中庭があり、宿泊者だけでなく、美観地区を歩く人や地域の人も立ち寄ります。

工場時代、この場所には、多くの働く人と原料、製品が集まりました。

現在、糸や布を大量につくる機能はありません。

それでも、人やものが集まり、倉敷の産業と文化を町の外へ伝えるという性格は、ホテルと文化施設の中へ形を変えて残っています。

BEFORE|以前は何をする建物だった?

原料を運び込み、糸を紡ぎ、製品を生み出す紡績工場。倉敷の近代産業を支えた場所でした。

TRACE|今も残っているもの

赤煉瓦の外観、工場の基本構造、広い敷地。旧原綿倉庫は、紡績産業の歴史を伝える記念館として使われています。

CHANGE|ホテルになって変わったこと

製造のための場所から、泊まり、食べ、学び、買い物をする複合施設へ。閉じた工場敷地が、町を訪れる人の広場になりました。

QUESTION|残る問い

蔦と赤煉瓦の美しさだけが前に出ると、工場で働いた人や地域産業の歴史は見えにくくなります。記念館や体験施設が、建物の背景を滞在へ戻しています。

 

 

03 / TELEPHONE OFFICE & EXCHANGE

エースホテル京都

京都・烏丸御池 旧電話局 アート・音楽・交流

声を送る電話局から、
文化を交換するホテルへ。

エースホテル京都が入る新風館には、1926年に竣工した旧京都中央電話局の建物が保存されています。

かつてここでは、遠く離れた人同士の声や情報をつなぐ仕事が行われていました。

現在は、保存された旧建物と新築部分が、中庭や通路を介してつながっています。

ホテルのロビー、カフェ、レストラン、ギャラリーやイベントの場には、宿泊者だけでなく、京都で暮らす人や働く人も訪れます。

電話交換という技術的な仕事は終わりました。

けれど、人と人、京都と海外、工芸と現代の表現を結ぶという役割は、別の形で建物の中に戻っています。

BEFORE|以前は何をする建物だった?

京都の近代化を支え、人の声や情報を遠くへ届ける中央電話局でした。

TRACE|今も残っているもの

旧電話局の外観や歴史的な建物部分。客室の一部も、保存された旧建物の中に設けられています。

CHANGE|ホテルになって変わったこと

通信を管理する施設から、宿泊、食、音楽、アートを通して人が自由に交流する場所へ。敷地内には町を通り抜ける動線もつくられています。

QUESTION|残る問い

「電話局から文化交流の場へ」という物語は魅力的です。ただの言葉遊びで終わらず、地域の人が日常的に利用できる場所であり続けるかが、新しい公共性を決めます。

 

 

FROM WORKPLACE TO MEETING PLACE

仕事をする場所から、人が交わる場所へ。

以前の用途は違っても、
3つの建物には人やものを集める力がありました。

銀行|TOYOOKA1925

町の信用を支えた建物が、復興の記憶を旅人へ伝える。

工場|倉敷アイビースクエア

ものを生産した場所が、文化と人の流れを生み出す広場になる。

電話局|エースホテル京都

声を交換した建物が、表現や文化を交換する場所へ変わる。

04 / SAKE BREWER & TASTE

風の ならまち

奈良・ならまち 蔵元旧邸宅 日本酒・食

酒をつくる家から、
酒の背景を味わう宿へ。

風の ならまちは、奈良豊澤酒造の蔵元旧邸宅や、酒造りに使われていた建物を再生した全8室のホテルです。

2026年6月、旧称「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」から、現在の名称へ変わりました。

高い天井、梁、床の間、欄間、蔵や茶室など、蔵元の暮らしと仕事を感じる空間が客室として使われています。

かつてここでは、日本酒そのものがつくられていました。

現在、宿の中で中心になるのは、日本酒と奈良の食材を組み合わせる食事や、日本酒の多様な味わいを知る時間です。

製造の場所から、味わい方を伝える場所へ。酒造りの仕事は、食と滞在の中へ翻訳されています。

BEFORE|以前は何をする建物だった?

蔵元が暮らし、日本酒を仕込み、地域へ送り出していた邸宅と酒造関連の建物です。

TRACE|今も残っているもの

蔵や茶室、梁、床の間、欄間など、蔵元の仕事と暮らしが同じ敷地にあったことを伝える空間です。

CHANGE|ホテルになって変わったこと

酒を生産する場所から、日本酒と奈良の食を味わい、酒造りの文化を知る宿へ。つくる仕事が、伝える体験へ変わりました。

QUESTION|残る問い

蔵の雰囲気と日本酒を組み合わせるだけでなく、米、水、発酵、蔵人の仕事まで想像できるか。食事が、建物の以前の仕事へ戻る入口になります。

 

 

05 / SCHOOL & GASTRONOMY

オーベルジュ オーフ

石川・観音下 廃校 里山・美食

教室から、
里山の素材を学ぶ食卓へ。

石川県小松市の観音下にあるオーベルジュ オーフは、過疎化によって廃校となった小学校を再生した宿です。

校舎の面影を残す空間に、客室、レストラン、アートが加えられています。

滞在の中心にあるのは、この土地でとれる食材を使った料理です。

学校では、地域の子どもたちが、言葉や数字、社会や自然について学びました。

現在は、旅行者が料理を通して、土地の気候、農産物、海と山、つくる人の仕事を知ります。

学ぶ対象は変わっても、知らなかった世界へ出会う場所という性格は、校舎の中に残っています。

BEFORE|以前は何をする建物だった?

地域の子どもが学び、行事や日々の交流を通して、集落の時間を共有する小学校でした。

TRACE|今も残っているもの

校舎の輪郭や廊下、教室の記憶。学校だった建物の中に、現代のアートや客室が重ねられています。

CHANGE|ホテルになって変わったこと

地域の子どもが通う学校から、料理を目的に国内外から人が訪れるオーベルジュへ。里山の素材と感性が出会う場所になりました。

QUESTION|残る問い

高価格帯の美食宿が、かつて地域へひらかれた学校の公共性をどう受け継ぐのか。外から人を呼ぶことと、地域の日常との関係が問われます。

 

 

06 / SCHOOL & HOMECOMING

河辺ふるさとの宿

愛媛・大洲 旧大伍小学校 山里・郷土料理

学ぶ場所から、
帰ってくる場所へ。

河辺ふるさとの宿の本館は、かつての大伍小学校を活用した宿泊施設です。

木造校舎の外観や懐かしい雰囲気を残し、客室や食事処として使っています。

周囲には川、山、星空があり、食事には地域の山菜、野菜、川魚などが取り入れられます。

洗練されたデザインホテルというより、昔の学校や山里へ戻ったような感覚を大切にする宿です。

学校は、子どもが勉強する場所であると同時に、地域の人が集まり、顔を合わせる場所でもありました。

現在も「ふるさとに帰る」ように人を迎えることで、校舎が持っていた親しみや公共性を、新しい宿泊の中へ残しています。

BEFORE|以前は何をする建物だった?

地域の子どもが通い、行事や交流を通して、山里の暮らしをつないでいた小学校でした。

TRACE|今も残っているもの

木造校舎の外観や、学校らしい空間の雰囲気。過度に整えすぎず、懐かしさを宿の個性として残しています。

CHANGE|ホテルになって変わったこと

毎日子どもが通う学校から、山里の自然や食を体験する宿へ。地域外の人も、この場所へ一時的に帰ってこられるようになりました。

QUESTION|残る問い

豪華さや新しさを加えない再生は、建物を古いまま使うこととも隣り合わせです。快適さを更新しながら、校舎の素朴さをどこまで守れるかが課題になります。

 

 

ONE FORMER USE, TWO FUTURES

同じ元学校でも、残し方は違う。

校舎を残すことと、
学校の役割を残すことは同じではありません。

オーベルジュ オーフ

学校を、里山の食と現代の感性が出会う目的地へ。

地域の外から新しい人や評価を呼び込み、料理を通じて土地の価値を伝える再生です。

河辺ふるさとの宿

学校を、山里へ帰ってこられる素朴な宿へ。

校舎の親しみや地域の食を残し、以前の公共性に近い感覚を引き継ぐ再生です。

WHAT WAS REALLY PRESERVED?

6つの宿が残したもの

町の記憶

TOYOOKA1925|震災後の復興と近代化を伝える建築

産業の歴史

倉敷アイビースクエア|紡績工場と繊維の町の歩み

人をつなぐ性格

エースホテル京都|通信施設から文化交流の場所へ

仕事の味

風の ならまち|酒造りの空間と日本酒を味わう体験

学ぶという機能

オーベルジュ オーフ|教室から土地を知る食卓へ

地域へひらかれた親しみ

河辺ふるさとの宿|学校から、帰ってこられる宿へ

ホテルの外に、
旅の主役を。

ホテルで夕食をとり、
大浴場や温泉へ入る。

館内の売店で土産を選び、
翌朝は朝食会場へ向かう。

ホテルの中ですべてが整っていれば、
旅はとても快適です。

けれど、フェアフィールド・バイ・マリオットの
「道の駅ホテル」には、館内レストランも温泉もありません。

食べる場所も、湯につかる場所も、
ホテルの外で探す。


その少しの手間によって、
ホテルではなく、地域が旅の主役になります。

A BASE FOR LOCAL EXPLORATION

ホテルで、
旅を完結させない。

フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテルは、全国の道の駅に近接する宿泊特化型のホテルです。

客室には、快適なベッド、シャワー、洗面設備など、休むために必要な機能を整える。

共有スペースには、コーヒーマシン、電子レンジ、トースター、製氷機などを置く。

一方で、館内にはレストランや温浴施設を設けず、食事、買い物、温泉、体験を地域の中へ残しています。

ホテルが地域の魅力をすべて代行するのではなく、
安心して休める拠点だけをつくり、旅行者を町へ送り出す。


それが、道の駅ホテルの基本的な考え方です。

画像はテーマをもとに作成したイメージビジュアルです。実際の外観、景観、客室、道の駅、道路、食事、農産物、施設とは異なる場合があります。

EDITOR’S NOTE

設備を減らせば、
地域のためになるのか。

館内にレストランを置かなければ、宿泊者は周辺の飲食店を利用するかもしれません。

ホテルに温泉がなければ、地域の共同浴場や日帰り温泉へ向かうかもしれません。

けれど、それだけで地域へ人やお金が流れるとは限りません。

店が早く閉まる。定休日が重なる。夜は車でなければ移動できない。ホテルの周りに歩ける場所が少ない。

ホテルの外へ旅をひらくことは、
旅行者にも下調べと小さな行動を求めます。


設備がないことを自動的に「地域貢献」と考えず、
外へ出やすい情報や交通、店との接点まで用意されているかを見ることが大切です。

HOW A STAY OPENS TO THE REGION

ホテルの外へ、旅がひらく4つの段階

01

眠る場所をシンプルにする

客室は全国で一定の快適性を保ち、旅先での睡眠や休息に集中できる場所として整えます。

02

食事を地域に残す

夕食は町の食堂や居酒屋へ。朝食は道の駅でパンや農産物を選ぶ。一部施設では、土地の味を詰めた予約制の朝食ボックスも用意されています。

03

道の駅を、旅の案内所にする

地域の食、農産物、工芸品、観光情報が集まる道の駅を起点に、まだ知らなかった場所や店を見つけます。

04

ホテルを、次の土地へ向かう拠点にする

一つの施設に滞在して終わるのではなく、車や自転車で周辺を巡り、次の道の駅ホテルへ移動する。ホテルそのものより、旅の経路が主役になります。

THREE PERSPECTIVES

道の駅ホテルを読み解く、3つの視点

BLANK 余白 設備を減らし
町へ出る時間を
残せるか
MOVEMENT 移動 道の駅から
食、温泉、自然へ
旅を広げる
RESPONSIBILITY 計画 営業時間や交通を
自分で調べる
必要がある

SIX LOCAL BASES

ホテルの外に異なる旅がある、6つの拠点

 
01 フェアフィールド・バイ・マリオット・北海道南富良野
02 フェアフィールド・バイ・マリオット・栃木日光
03 フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ
04 フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫淡路島福良
05 フェアフィールド・バイ・マリオット・熊本阿蘇
06 フェアフィールド・バイ・マリオット・鹿児島たるみず桜島

01 / FOREST BASE CAMP

フェアフィールド・バイ・マリオット・北海道南富良野

北海道・南富良野 森・川・湖 アウトドア

大きな自然の前では、
ホテルは静かな拠点でいい。

南富良野には、川、森、湖、山がつくる広い風景があります。

カヌー、マウンテンバイク、森林散策、季節ごとの雪の体験など、旅の中心になるのは屋外です。

ホテルへ戻ってからも館内で予定を詰めるのではなく、コーヒーを飲み、翌日の天候や行き先を確かめ、静かな客室で身体を休める。

豪華な山岳リゾートを目的地にするのではなく、自然の中へ出かけるためのベースキャンプとして使うホテルです。

建物が風景を代表するのではなく、地域の自然に対して一歩引くことにも、このブランドらしさが見えます。

HOTEL|ホテルにあるもの

安心して眠れる客室と、翌日の計画を立てられる共有スペース。旅の疲れをいったん整えるための場所です。

OUTSIDE|ホテルの外で出会うもの

道の駅で地域の食を探し、川や森、湖へ出かける。ホテルで時間を使い切らないからこそ、朝から自然の中へ入れます。

PLAN|気をつけたいこと

食事場所、アクティビティ、季節ごとの道路状況を事前に確認したい地域。夕食を済ませる時間と移動手段を決めてからチェックインすると安心です。

 

 

02 / BEYOND THE LANDMARKS

フェアフィールド・バイ・マリオット・栃木日光

栃木・日光 世界遺産・工芸 無料送迎あり

有名な日光から、
まだ知らない日光へ。

日光の旅では、東照宮をはじめとする社寺が、大きな目的になります。

けれど、日光には、杉並木、霧降高原、牧場、木彫りや漆の工芸、地域の食など、寺社以外にも多くの時間があります。

ホテルを観光の終着点にせず、翌朝どこへ出かけるかを考える拠点にすると、定番の名所から旅を一段外へ広げられます。

現在はホテルと最寄り駅・中心地を結ぶ無料送迎も実施され、車を使わない旅行者にも入口がつくられています。

ただし、郊外の店や自然へ進むほど、公共交通だけでは動きにくくなります。どこまでを徒歩と送迎で巡り、どこからタクシーやレンタカーを使うかが、旅の設計になります。

HOTEL|ホテルにあるもの

全国ブランドとしての安定した客室と、スタッフから周辺情報を得られる拠点。名所を巡ったあとの静かな休息があります。

OUTSIDE|ホテルの外で出会うもの

社寺だけでなく、杉並木、霧降の自然、農場、工房、町の飲食店へ。宿を起点に「日光」の範囲を広げます。

PLAN|気をつけたいこと

無料送迎は時刻や利用条件の確認が必要です。夜の飲食店や、郊外の観光地までの移動方法も予約前に組み立てておきたい場所です。

 

 

03 / TEA VILLAGE

フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ

京都・南山城村 宇治茶・茶畑 京都唯一の村

お茶を買うだけでなく、
お茶が育つ村へ泊まる。

南山城村は、京都府で唯一の村であり、宇治茶の生産地として知られています。

山あいには茶畑が広がり、季節になると新芽が斜面をやわらかな緑に染めます。

隣接する道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」には、村の茶葉や、茶を使った菓子、飲み物、食品が集まります。

京都市内で抹茶スイーツを味わう旅とは違い、ここでは、お茶を育て、摘み、加工し、販売する村の暮らしが旅の背景になります。

ホテルに茶室をつくって文化を完結させるのではなく、道の駅や茶畑へ旅行者を近づけることで、「お茶の京都」を生産地から見せています。

HOTEL|ホテルにあるもの

茶畑や周辺地域を巡ったあとに休める、シンプルで落ち着いた客室。共有スペースで道の駅の食品を温めることもできます。

OUTSIDE|ホテルの外で出会うもの

道の駅で茶を飲み比べ、村の商品を選び、茶畑の風景を歩く。土地と飲み物のつながりが見えてきます。

PLAN|気をつけたいこと

道の駅や周辺店舗の営業時間、夕食を取れる場所、茶畑への移動手段を確認。夜遅くに到着すると、地域の食を選ぶ余地が少なくなります。

 

 

WHAT THE HOTEL LEAVES OUT

「ないもの」が、旅の動きを変える。

同じ宿泊設備でも、
ホテルの外にある旅は場所ごとに異なります。

南富良野|館内アクティビティがない

だからこそ、川、森、湖へ早く出かける理由が生まれる。

日光|館内で観光が完結しない

定番の社寺から、工芸、農場、自然へ旅を広げる。

南山城|館内で茶文化を演出しすぎない

道の駅や茶畑で、実際にお茶が育つ村へ触れる。

04 / PORT & FOOD

フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫淡路島福良

兵庫・南あわじ 福良港・うずしお 魚・玉ねぎ

海を眺めるホテルではなく、
港町で食べるためのホテル。

福良は、淡路島の南端にある港町です。

道の駅からは、鳴門海峡のうずしおへ向かう船が出航し、周辺には魚介や淡路島玉ねぎを扱う店が集まります。

海辺のリゾートホテルなら、館内レストランで海を見ながら夕食を取ることもできます。

ここでは、ホテルを出て港を歩き、店を選び、地域の魚や料理を食べることが滞在の一部です。

客室から絶景を所有するより、港町全体をレストランやラウンジのように使う。ホテルの外にある生活の気配が、旅の記憶になります。

HOTEL|ホテルにあるもの

港を歩いたあとに戻れる快適な客室と、買ってきたものを楽しめる共有スペース。島を巡る旅の休息地点です。

OUTSIDE|ホテルの外で出会うもの

うずしおクルーズ、福良港、魚介の店、淡路島の食。ホテルの外へ出るほど、島が観光地ではなく暮らしの場所として見えてきます。

PLAN|気をつけたいこと

人気店の定休日と閉店時間、クルーズの運航状況を確認。夕食難民を避けるため、候補を一軒だけでなく複数決めておきたい場所です。

 

 

05 / VOLCANO & GRASSLAND

フェアフィールド・バイ・マリオット・熊本阿蘇

熊本・阿蘇 火山・草原 農業・温泉

大景観を、
車窓だけで終わらせない。

阿蘇には、世界最大級のカルデラ、草原、火口、農地、温泉が広がっています。

車で走るだけでも景色の大きさを感じられますが、道の駅や農産物の店へ立ち寄ると、その風景を支える暮らしが見えてきます。

フェアフィールド・バイ・マリオット・熊本阿蘇は、阿蘇駅や道の駅阿蘇に近く、火山や草原へ出かける拠点として使えます。

ホテルの中に温泉を持たないため、湯につかりたい場合は地域の温泉施設へ向かいます。

少し移動が増える一方で、どの温泉を選ぶか、どこで土地のものを食べるかを考えることが、阿蘇を自分で組み立てる旅になります。

HOTEL|ホテルにあるもの

大きな自然を巡ったあとに身体を休める、安定した客室。共有スペースで翌日のルートを相談し、旅を整えます。

OUTSIDE|ホテルの外で出会うもの

火山、草千里、農産物、地域の料理、温泉。絶景を見るだけでなく、その土地で生産し、暮らす人の時間へ触れます。

PLAN|気をつけたいこと

火口周辺の規制、天候、温泉施設の営業時間、車での所要時間を確認。景色が近く見えても、カルデラ内の移動には時間がかかります。

 

 

06 / BAY & VOLCANO

フェアフィールド・バイ・マリオット・鹿児島たるみず桜島

鹿児島・垂水 錦江湾・桜島 海の食・温泉

桜島を見るだけでなく、
錦江湾沿いの暮らしへ。

ホテルは、錦江湾に面する道の駅「たるみずはまびら」と同じ通りにあります。

海の向こうには桜島。条件が整えば、開聞岳まで望める大きな景色です。

一部には海を望む客室もありますが、館内で景色だけを楽しんで終わるホテルではありません。

道の駅で垂水の食を探し、錦江湾沿いを歩き、周辺の温泉へ出かける。

地域では、かんぱちの養殖をはじめ、海と火山の環境を生かした仕事が続いています。

桜島という象徴的な風景から、魚、温泉、水、港町の暮らしへ視線を下ろすための拠点です。

HOTEL|ホテルにあるもの

錦江湾沿いの旅を支える客室とラウンジ。一部の客室では、地域の大きな景観を身近に感じられます。

OUTSIDE|ホテルの外で出会うもの

道の駅、港、地域の魚、周辺の温泉、錦江湾の水辺。桜島を眺める時間を、垂水で食べ、歩く時間へ広げます。

PLAN|気をつけたいこと

飲食店や温泉の営業時間、鹿児島市側からのフェリーや車の移動時間を確認。周辺施設を含めて一つの滞在として計画したい場所です。

 

 

SIX BASES, SIX JOURNEYS

ホテルではなく、外にある旅から選ぶ。

泊まりたい客室より、
翌朝どこへ出かけたいかを考えてみます。

森と湖へ|北海道南富良野

自然の中で活動するための、静かなベースキャンプ。

名所以外の日光へ|栃木日光

社寺から工芸、農場、自然へ旅を広げる。

お茶が育つ村へ|京都みなみやましろ

茶畑、道の駅、村の食から宇治茶を見る。

港町で食べる|兵庫淡路島福良

うずしお、魚、玉ねぎを福良の町で味わう。

火山と草原へ|熊本阿蘇

カルデラの景色を、農業、食、温泉へつなぐ。

湾と火山の間へ|鹿児島たるみず桜島

桜島の眺めから、垂水の魚や温泉へ入る。

IS THIS STYLE FOR YOU?

このホテルが合う旅、合わない旅

合いやすいのは

町の店を自分で探したい。道の駅が好き。車や自転車で広く巡りたい。ホテルは清潔で快適に眠れればよい。旅程を考えること自体も楽しめる人。

合いにくいのは

館内で食事、温泉、買い物まで完結したい。到着後は移動したくない。遅い時間にチェックインする。車なしでも細かな計画を立てずに旅をしたい人。

THE JOURNEY CONTINUES OUTSIDE

ホテルの外に、
旅の主役を。

南富良野では、
森と川と湖へ。

日光では、
社寺の先にある自然と工芸へ。

南山城では、
お茶を育てる村へ。

福良では、
港と町の食卓へ。

阿蘇では、
火山、草原、温泉へ。

垂水では、
桜島を望む錦江湾の暮らしへ。

道の駅ホテルには、
館内レストランも温泉もありません。

それは、人によっては不便です。

けれど、食事を探して町を歩き、
道の駅で明日の朝を選び、
地域の湯まで車を走らせる。

その小さな移動の中で、
予定になかった店や人、景色に出会うことがあります。

ホテルが旅を完成させないから、
旅行者が自分で旅の続きをつくる。


フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテルは、
泊まる場所というより、
ローカルな旅を外へひらく出発点です。

REFERENCE

記事作成にあたり、フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル、北海道南富良野、栃木日光、京都みなみやましろ、兵庫淡路島福良、熊本阿蘇、鹿児島たるみず桜島、および各施設・周辺地域の公式情報と予約情報を確認しています。

※掲載内容は2026年7月時点の公開情報をもとに構成しています。施設の営業状況、客室、朝食ボックス、送迎、道の駅、飲食店、温泉、観光施設、道路、アクティビティ、設備、サービス内容などは変更される場合があります。最新情報は各施設・店舗の公式サイト、予約ページでご確認ください。

見る文化から、
やってみる文化へ。

旅先で、
郷土芸能を見る。

伝統工芸が置かれた、
美しい客室に泊まる。

土地のお茶や日本酒を、
館内で味わう。

それだけでも、
地域文化に触れる旅にはなります。

けれど、星野リゾート「界」がつくろうとしているのは、
文化を眺めて終わる温泉旅館ではありません。

音を聴く。手を動かす。火を囲む。
土地の人から、技や言葉を受け取る。


温泉宿を、
地域文化へ入るための小さな入口にしています。

LOCAL CULTURE, TRANSLATED FOR TRAVELERS

文化を薄めるのではなく、
最初の一歩をつくる。

界では、各地域の伝統工芸、芸能、食などを体験できる「ご当地楽」が用意されています。

客室には土地の素材や技法を取り入れた「ご当地部屋」があり、さらに職人、作家、生産者など、文化を受け継ぐ人と出会う「手業のひととき」も展開されています。

ただし、地域文化を、そのまま旅館へ持ち込めばよいわけではありません。

長い歴史や複雑な背景を持つ文化を、限られた滞在時間の中で、初めて訪れる人にも伝わる形へ変える必要があります。

何を残し、何を短くし、
どこから旅行者に参加してもらうのか。


「界」を読み解く面白さは、紹介される文化だけでなく、
文化を旅人へ渡すための編集方法にもあります。

画像はテーマをもとに作成したイメージビジュアルです。実際の建物、客室、温泉、演目、衣装、工芸品、食事、人物、施設とは異なる場合があります。

EDITOR’S NOTE

ホテル向けに短くした文化は、
「本物」ではないのか。

郷土芸能を十数分の演目にする。伝統工芸を、初心者でもできる小さな体験へ変える。

そう聞くと、本来の文化を分かりやすく薄めた「観光ショー」のように感じるかもしれません。

けれど、文化の入口がなければ、多くの旅行者は、存在を知らないまま町を通り過ぎます。

大切なのは、館内の体験だけで文化を理解したことにするのではなく、そこから先へ興味が続くかどうか。

宿で聴いた音が、町の景色と結びつく。
使った器から、職人の仕事を知りたくなる。
神話を見たあと、土地の歴史を読みたくなる。


体験が結論ではなく、次の問いを生む入口なら、
ホテルによる編集にも役割があります。

HOW CULTURE REACHES A TRAVELER

文化が「体験」になるまでの、4つの段階

01

見る

音、踊り、器、模様、火、建築。まずは説明を読む前に、身体が反応する場面をつくります。

02

知る

なぜその土地で生まれたのか。誰が受け継いできたのか。短い解説によって、目の前のものへ背景を加えます。

03

試す

楽器に触れる。茶を淹れる。模様を刺す。歌う。火を囲む。見る側から、少しだけ文化の内側へ入ります。

04

町へ出る

宿で得た小さな知識を持って、工房、温泉街、茶畑、博物館、神社、山里へ。体験の続きを地域で見つけます。

THREE QUESTIONS

「ご当地楽」を読み解く、3つの問い

ORIGIN どこから来た? 土地の歴史や
暮らしと
どう結びつくか
PARTICIPATION 何をする? 見るだけでなく
身体や手を
どこまで使うか
AFTERWARD そのあと何が残る? 体験のあとに
町や文化の
見え方が変わるか

SIX CULTURAL ENTRANCES

文化への入口が異なる、6つの界

 
01 界 津軽
02 界 加賀
03 界 遠州
04 界 ポロト
05 界 玉造
06 界 アルプス

01 / SOUND & MEMORY

界 津軽

青森・大鰐温泉 津軽三味線 こぎん刺し

音を鑑賞する前に、
身体へ響かせる。

界 津軽で毎晩行われるのは、津軽三味線の生演奏です。

演奏の背景には、日本画家・加山又造による大壁画「春秋波濤」。華やかな舞台ではありますが、最初に届くのは視覚よりも音かもしれません。

津軽三味線の特徴の一つは、弦を繊細に爪弾くだけではなく、撥で皮を強く叩くように奏でること。

低く太い音、高く鋭い音、速い撥さばきが、広間の空気と身体を震わせます。

さらに、限定体験では奏者から歴史や奏法を聞き、実際に三味線へ触れることもできます。

名曲を一曲覚えることが目的ではありません。音を出す難しさを知ることで、夜に聴いた演奏の凄さが、少し違って感じられるようになります。

BEFORE|宿へ来る前

津軽三味線は、観光地の華やかな民謡ショーとしてだけでなく、津軽の風土と人の移動、演奏者の生き方の中で育ってきた音です。

EXPERIENCE|界で何をする?

夜の生演奏を聴く。こぎん刺しの模様に触れる。さらに深く知りたい人は、奏者から直接、歴史や奏法を学び、音を出してみる。

AFTER|体験のあと

弘前や津軽を歩くとき、三味線の看板を見つけるだけで、昨夜の音がよみがえる。土地の風景へ、自分の耳で受け取った記憶が加わります。

02 / PERFORMANCE & CRAFT

界 加賀

石川・山代温泉 加賀獅子舞 九谷焼・山中塗

工芸を飾るのではなく、
演じ、使い、味わう。

界 加賀では、客室、温泉、食事、夜の演目まで、異なる加賀文化が滞在の中に重ねられています。

大浴場には九谷焼のアートパネルや金沢箔。客室には加賀友禅、水引、九谷焼の茶器。

夕食では、料理と九谷焼の器との組み合わせを味わい、夜には加賀獅子舞が披露されます。

加賀獅子は、武家文化を象徴する勇壮な芸能です。界 加賀では、その特徴を生かしながら、宿泊者が見やすい独自の演目へ編集されています。

さらに季節限定の「手業のひととき」では、山中塗の木地師がろくろで無垢の木から酒器を削り出す技を間近で見られます。

完成した器だけを見るのではなく、木の塊が少しずつ薄く、滑らかな形へ変わっていく過程に触れる。翌日の酒器や町の工芸店が、単なる土産物ではなくなります。

BEFORE|宿へ来る前

加賀には、九谷焼、山中漆器、加賀友禅、水引など、素材も工程も異なる工芸が共存しています。

EXPERIENCE|界で何をする?

獅子舞を見る。九谷焼の器で食べる。加賀友禅や水引に囲まれて休む。木地師の手元を見て、器が生まれる速度を知る。

AFTER|体験のあと

山代温泉や金沢で工芸品を見たとき、色や形だけでなく、材料、工程、使う場面まで想像できるようになります。

03 / TEA & ATTENTION

界 遠州

静岡・浜名湖 静岡茶 遠州綿紬

お茶を飲む宿ではなく、
違いに気づく宿。

旅館で出されるお茶は、多くの場合、到着したときの飲み物として自然に消費されます。

界 遠州では、そのお茶を滞在の主役へ押し出しています。

全客室には「茶処カウンター」があり、到着後、就寝前、朝など、過ごす時間に合わせた茶葉、茶器、菓子が用意されています。

茶香炉から漂う香り、湯の温度、蒸らす時間、器を持ったときの感触。

季節の「ご当地楽」では、新茶や地域にちなんだ茶を飲み比べます。

高価な茶葉の名前を覚えることよりも、同じ「緑茶」にも香りや渋み、甘み、飲む時間の違いがあることへ気づく。翌日から、いつもの一杯にも少し意識が向く体験です。

BEFORE|宿へ来る前

静岡茶は、単一の味ではありません。土地、品種、季節、摘み方、淹れ方によって、香りも口当たりも変わります。

EXPERIENCE|界で何をする?

客室で自分で茶を淹れる。時間帯によって茶葉を変える。季節の利き茶で、香りや味の違いを比べる。

AFTER|体験のあと

茶畑や茶店の前を通ったとき、以前よりも茶葉の産地や淹れ方が気になる。静岡の風景と、口の中に残った味がつながります。

THREE WAYS TO RECEIVE CULTURE

文化は、同じ方法では届かない。

音、動き、味。
入口が変われば、記憶の残り方も変わります。

耳から入る|界 津軽

音の迫力を身体で受けたあとに、歴史や奏法を知る。

動きから入る|界 加賀

獅子舞と職人の手元を見て、静かな工芸品の中にある動きを知る。

味から入る|界 遠州

飲み比べ、自分で淹れることで、一杯のお茶の違いへ気づく。

04 / VOICE & NATURE

界 ポロト

北海道・白老 アイヌ文化 ポロト湖・モール温泉

展示を見るのではなく、
声を受け取り、声で返す。

界 ポロトでは、建築、温泉、客室、料理、体験の各所に、アイヌ文化から得た考え方や形が取り入れられています。

湖へせり出す「△湯」は、アイヌ民族の建築の特徴から着想を得た湯小屋。客室にはアイヌ文様をイメージしたアートがあり、全室からポロト湖を望みます。

無料の「ご当地楽」では、植物のイケマとハーブを使った魔除けをつくり、自然と共に暮らしてきた考え方に触れます。

さらに「手業のひととき」では、アイヌ文化の伝承者から伝統歌「ウポポ」を耳で聞き、短い一節から真似して歌います。

楽譜を見て正確に再現するのではなく、声を聞き、覚え、自分の声で返す。

言葉や旋律が、人から人へ渡ってきた方法そのものを体験することで、文化を「昔の資料」ではなく、いまも誰かが受け渡しているものとして感じられます。

BEFORE|宿へ来る前

アイヌ文化は、模様や工芸品だけではなく、言葉、歌、自然観、口承によって人から人へ伝えられてきました。

EXPERIENCE|界で何をする?

植物を使って魔除けをつくる。火を囲む。伝承者の歌を耳で受け取り、参加者同士で声を重ねる。

AFTER|体験のあと

隣接するウポポイや白老の自然を歩くとき、展示物だけでなく、言葉、植物、湖、火、人の声の関係に目が向きます。

05 / MYTH & RITUAL

界 玉造

島根・玉造温泉 石見神楽 日本酒・勾玉

神話を読むのではなく、
夜の宿で目撃する。

界 玉造の「ご当地楽」では、ヤマタノオロチ伝説を題材にした石見神楽が披露されます。

鮮やかな衣装、大蛇の動き、太鼓や笛のお囃子。文字で読む神話とは違い、善と悪、恐れと勝利が、音と動きによって目の前へ現れます。

客室には、玉造温泉の特産品である勾玉や、温泉街を流れる玉湯川をイメージした設えがあります。

館内では日本酒や茶の湯に触れられ、限定の「手業のひととき」では、酒蔵を訪ねて酒造りや温度による味の違いを学ぶ体験もあります。

神話、温泉、酒、工芸は、別々の観光素材ではありません。

出雲の土地で、人が祈り、湯に入り、酒をつくり、物語を語ってきた時間が、一晩の中で少しずつ重なります。

BEFORE|宿へ来る前

出雲の神話は、古い物語として本に残るだけでなく、神楽や祭りを通して、現在も演じられています。

EXPERIENCE|界で何をする?

石見神楽を見る。玉造温泉へ入る。勾玉の形に触れる。日本酒を味わい、さらに深く知りたい人は酒蔵や鍛冶職人を訪ねる。

AFTER|体験のあと

神社、川、温泉街、酒蔵を歩くとき、昨夜の神楽と物語が風景へ重なる。神話の舞台が、地図上の名所ではなくなります。

06 / FIRE & RURAL LIFE

界 アルプス

長野・大町温泉郷 囲炉裏 おやき・燗酒・民話

昔の暮らしを再現するのではなく、
火のそばに座ってみる。

界 アルプスの中心には、土間と囲炉裏があります。

午後には信州名物のおやき、夜には燗酒などが用意され、宿泊者は火を囲みながら過ごします。

囲炉裏は、昔の農家を演出するための飾りではありません。

暖を取る。料理をする。家族や旅人が集まる。炎を眺めながら話す。

複数の役割を持っていた場所へ実際に座り、温かいものを食べることで、山里の暮らしを身体の距離から想像できます。

さらに、紙芝居を通して大町温泉郷の歴史や民話を知り、そのあと温泉へ入る「温泉文化いろは」も用意されています。

物語を聞く、湯につかる、火を囲む。異なる体験を続けることで、北アルプスが美しい観光地であるだけでなく、人が暮らしてきた土地として見えてきます。

BEFORE|宿へ来る前

信州の山里では、火、保存食、温泉、民話などが、厳しい季節を過ごす暮らしの中で受け継がれてきました。

EXPERIENCE|界で何をする?

囲炉裏のそばに座り、おやきや燗酒を味わう。紙芝居で土地の民話を聞き、アルプスを望む温泉へ入る。

AFTER|体験のあと

大町や白馬を歩くとき、雪景色や山の美しさだけでなく、そこで冬を越してきた人の暮らしに目が向きます。

SIX CULTURES, SIX DOORS

どの文化の入口から入る?

泊まりたい客室ではなく、
どんな感覚を使いたいかで選んでみます。

音を身体で受ける|界 津軽

津軽三味線の迫力から、土地の音と演奏者の技へ入る。

工芸を動きとして見る|界 加賀

獅子舞、器、木地師の技から、加賀文化の層を知る。

味の違いに気づく|界 遠州

茶を自分で淹れ、飲み比べることで、静岡茶を細かく見る。

声を受け継ぐ|界 ポロト

伝承者の歌を耳で覚え、自分の声で返す。

物語を目撃する|界 玉造

石見神楽を通して、神話、温泉、酒の土地へ入る。

火のそばへ座る|界 アルプス

囲炉裏、食、民話から、北アルプスの暮らしを想像する。

CHOOSE YOUR CULTURAL ENTRANCE

どんな方法で、土地を知りたい?

力強い音や演奏技法に触れたい

界 津軽

工芸を、飾りではなく使う文化として知りたい

界 加賀

お茶を、自分で淹れながら味わいたい

界 遠州

アイヌ文化の歌や自然観に触れたい

界 ポロト

神話、神楽、日本酒が重なる島根を知りたい

界 玉造

囲炉裏を囲み、山里の暮らしを感じたい

界 アルプス

CHECK 予約前に確認したいこと
● ご当地楽の開催時間、開催日、予約の要否
● 手業のひとときの料金、定員、対象年齢、除外日
● 演目や体験内容が季節によって変更される可能性
● ご当地部屋の名称、設え、客室風呂、眺望の違い
● 夕食、朝食、特別会席、日本酒などプランの内容
● 宿から工房、温泉街、博物館など周辺文化施設への移動方法

CULTURE DOES NOT END AT THE HOTEL

見る文化から、
やってみる文化へ。

津軽では、
三味線の音を身体で受ける。

加賀では、
工芸の中にある動きと技を見る。

遠州では、
一杯のお茶の違いに気づく。

白老では、
人の声から歌を受け取る。

玉造では、
神話が演じられる夜を目撃する。

大町では、
火を囲み、山里の暮らしを想像する。

宿の中で体験できることは、
地域文化のほんの一部です。

けれど、最初の音を聴き、
初めて手を動かし、
短い物語を知ることで、
町へ出たあとの視線は変わります。

温泉旅館の中で、
文化をすべて理解する必要はありません。

もっと知りたいと思うこと。
文化を受け継ぐ人の存在に気づくこと。
次は町の中で続きを探してみること。


「界」のご当地楽は、
文化の完成形ではなく、
旅人が最初の一歩を踏み出すための入口なのだと思います。

REFERENCE

記事作成にあたり、星野リゾート「界」、界 津軽、界 加賀、界 遠州、界 ポロト、界 玉造、界 アルプス、および各施設のご当地楽・手業のひととき・ご当地部屋の公式情報を確認しています。

※掲載内容は2026年7月時点の公開情報をもとに構成しています。施設の営業状況、演目、開催時間、体験内容、料金、客室、食事、温泉、設備、サービスなどは変更される場合があります。最新情報は各施設の公式サイト・予約ページでご確認ください。