千駄木の家 半年ぶりに訪問してきました。
昨年の秋に竣工した「千駄木の家」 の半年点検に行ってきました。まだ竣工写真を撮っていないのでホームページもきちんとアップしていません。というのも、中庭のヤマボウシが緑になって、インテリア写真に写り込むまで待っているからです。昨日行ったときには、ヤマボウシの新芽がやっと芽吹きはじめていました。
さて、気になる質問をここで。「半年たって、千駄木の家の住み心地はどうですか?」と田口。「いやー、冬寒かったです。」と住み手のKさん。
「そうですか・・・」ある程度想定していたことですが、マンション暮らしに慣れていたKさん一家にとって、新居での冬の寒さは予想以上だったようで。。。「むむ。設計者としては・・・・なにかまずいような・・」。
この家のコンセプトは「夏の涼しさをつくる家」土間があって、風抜き窓と吹き抜けその他、開放的なつくりなのでした。クライアントとの設計中の打ち合わせで、「私は冬の寒さに強いので、少々の寒さは大丈夫なんです。それより、夏の暑さがとにかく苦手。涼しい家がほしい。」という言葉を真に受け、最後のコストコントロールの際、Kさんの同意の上で温水輻射熱暖房機を一気に削ってしまったのでした。
涼しさをかもし出す土間玄関。たたずむのは工務店の専務の山崎さん。
予算に合わせることも大切ですが、お客様の言葉を信じすぎて、そのままつくってはいけない、という典型的な教訓ケース。たとえ落ち度は無くとも、プロとしては、そこを予想して、ガス温水式輻射暖房器は最後まで死守すべきではなかったか、と後悔することに・・。とはいえ、この家ではまだエアコンを設置せず、ガスファンヒーターだけで過ごされたという経緯もあり、改善の余地はいろいろありますが・・・。
吹き抜け等でつながった開放的な家をつくるときには、夜間蓄熱ヒートポンプ暖房機入れることはコストが厳しくても最後まで死守すべき・・と最近の設計には100%取り入れることになりました。
とはいえ、そんな「寒い家」にもかかわらず、Kさんご一家には、ゆったりと、おだやかで、満ち足りた空気があふれているように感じました。
「いやー、もうマンション暮らしには二度と戻りたくないですね。この家に来て、生活にうるおいがあるっていう感じがあって。夕方、中庭を見下ろすと、ああ、家つくってよかったな、ってしみじみ思うんですよ。」
Kさんの言葉に、とても力づけられる思いでした。
マイナス要因があっても、それをカバーするような「何か」があって、全体としておおらかに笑っていただける、そういうお客さまの寛大さに、たびたび救われている私です。
本当に、本当にありがたいことです・・。
もう少しヤマボウシが繁ってきたら、竣工写真を撮らせていたくのを楽しみに、千駄木の家を後にしました。
「千駄木の家」
また伺いますね。
東久留米の家着工しました。
先日、昨年から設計を進めてきた東久留米の家 が着工しました。
久しぶりに気持ちのよく晴れた朝、地鎮祭を執り行いました。
工事は、清瀬にある小山工務店 さんです。この工務店さんは、恋ヶ窪の家 も施工していただき、今回は2回目です。小山社長は若いですが、真面目でしっかりした仕事をしてくれます。
クライアントの若いご夫婦と近所に住むご両親も参加されて、にぎやかな地鎮祭になりました。
地鎮祭は、最近はあまりやらないこともあるようですが、土地の氏神様に手をあわせてこの土地に新しい家をたてることを許可してもらい、工事の安全を祈願するもの。
縁起をかつぐという部分もありますが、新しい家を建てるにあたって皆が一同に心をあわせる機会として、実際的にも効果があるように思います。
ういういしい、若いご夫婦の家なので、明るく気持ちのよい家が無事に建ちますように、と手をあわせて皆で祈願しました。
サクラの季節
お花見は、大好きなのだが、今年は仕事の都合で歩きながらのお花見でがまんすることに・・。
駅から事務所に行く通り道、いつも通るのがこのサクラ坂。
独立して事務所を借りる際、行く途中にこの坂があったので、物件に着く前に、「これにしよう」と決めたほどの、とても美しい場所だ。
ゆっくりとカーブしながら上る石畳と、アーチのようにおおいかぶさるソメイヨシノ。満開のサクラも、散っていくサクラも、緑のしげる季節も、いつもそこにひとつの空気があって、気持ちの良い場が生まれている。
隣に保育園もあって、子供たちの歓声が聞こえてくるのも楽しいし、人懐いチャトラの猫がすりよって来て、ごろごろおなかを見せる、なんて、うれしい出来事もたまにある。
ノラ猫がなついているのもこのあたりの住民の人柄によるのだろうか。
住む家の心地よさは、建物内部の問題だけでなく、周りの環境から受ける影響はとても大きいと思う。自分の家だけでなく、近所の道や周辺の自然に愛情をそそぐとその空気が他人に伝わり、自分に帰ってくる。「まちづくり」というのは小さいところから誰でも始められる、大きなテーマだ。






