建築家 田口知子の日常をつづったブログ -20ページ目

「永福町の教会」の見学。

大寒に入り、雪が降ったり北風も沁みて寒さきびしいこのごろです。
ちょっとほっこりしたい気分なのでうちの実家の猫の写真などご紹介。

お正月に実家に帰った際撮った写真ですが、うちのミミちゃん。もう11歳ですが、豆大福のようなころころとしたかわいい猫です。段ボールに入って昼寝する姿がたまりません♡


さて、先日の雪の翌日、友人の建築家、村上晶子氏が設計された「永福町の教会」を見学させていただきました。


木造の小さな教会で、つつましく、同時にディテールを大切にした、人間的な優しい空間でした。
床の近くにあけられた礼拝の際に見上げる高窓を持つ屋根のボリュームには、職人さんが手作りしたステンドグラスが配置され、オリジナルの照明や家具などを妥協なく丁寧にデザインされています。



教会という場所が、暖かな祝福の居場所とするために、建築に必要なことは、このようなものである、ということを感じました。その場所に愛を表現する誠実な建築家、という仕事の基本を教えていただくような体験でした。


音を想像しながら空間をつくること

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年のお正月は暖冬と晴天つづきで気持ちのよいお正月を実家で過ごし、エネルギーが充電されました。感動していただける空間を実現するためにがんばります。


今年は昨年から設計をしてきたプロジェクトを竣工させたいと思っています。
ひとつは中野区K邸。


事務所の屋上で模型を撮影すると、東京タワーが背景にあってなんだかおめでたい雰囲気です。音楽家のご夫婦のための住宅で、練習室兼地音楽教室やミニコンサートを開くためのホールのような場所を期待されています。

音楽家が家で練習する部屋は、防音室という概念で2重構造の内装を行い、内装をほとんど吸音で仕上げるのが一般的のようです。自分は音楽家の日常練習は、小さな部屋で練習するのに大きすぎる音が不快なので、吸音するほうが快適なのかと思っていました。

しかし、実は吸音の練習室というのは弦楽器やピアノなどの演奏家にとって、かなり厳しい演奏空間らしい、という事実を聞いて、興味深いお話しだと思いました。

 以前自分が作った世田谷の住宅、「Trapezium」のホールを見学していただき、そこでの音の反射にとても感動され、このような空間が家の中に持てるならそれほどの幸せは無い、という話をお聞きしました。

コンサートホールでの演奏は、反射音を聞きながら空間と一体になって演奏することの喜び、快感にひたることが、演奏家の感覚を高揚させ喜びを感じる。そのような空間を、家の中で実現できるなら、それほど素晴らしいことはないのだと。

「全身で感じる音」と建築の関係・・・。想像するだけでわくわくします。
楽器のように快く音が響く、小さな空間を、丁寧に実現していきたいと思います。

建築ジャーナル「仕事場」に掲載されました。

12月号の「建築ジャーナル」で、「仕事場」という連載コーナーがあるのですが、今月私達の事務所の紹介を掲載していただきました。


手書きスケッチと問答形式の原稿を依頼され、素朴な感じのページです。


私達の事務所は、港区の飯倉に近い古い建物の7階で、南と西に全面のバルコニーがあって、見晴がよく、夕焼けもとてもきれいに見える景色が気に入っていて、この場所に引っ越してからそろそろ6年近くになりました。
自分の机のスケッチを描いてみました。


小さな事務所ですが、それぞれのデスクと模型作りのコーナー、打ち合わせスペースなどほどほどの広さがあって結構快適です。
オープンデスク、アルバイト、募集中です。一緒に、人とまちを元気にする建築をつくりませんか?

さて、話は少しずれますが、建築ジャーナルの同号の記事で、山崎亮さんが、まちの胃袋という連載を書いておられて、北海道のお寺でコミュニティーデザインの手法をつかった居場所作りを手掛けておられる、という記事がありました。おー、なるほど、と共感・・。私も、そういう、仕事にかかわりたいです!(笑)

コミュニティーの問題、場所をつくること、今の建築のテーマではありますが、そのことを深く掘り下げていくと、お寺、教会という宗教性のある場所にとても近い価値観が浮かび上がってくると感じます。

日本ではそういう場所が身近ではない、という現状のなかで、宗教空間を馴染みやすく開かれた場所にする工夫、デザインと企画の力で復活させることができるとよいのではないかしら、と最近とみに考えおります。