ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド | 海をみていたい

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日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

こんなに子供がうじゃうじゃ出てくると思っていなかったので、戸惑っています。

劇団四季のサウンドオブミュージックのように出演者のレベルを保つため、子供にも容赦しない姿勢は稀なのかもしれませんね。
いくつかの重要な役が作品によっては要になることが多いんだけれど、今回、ガキがうじゃうじゃいる意図は?
 
スワローの妹、弟は重要でそれなりでしたが、話してはいけない秘密をどんどん話してしまう展開でどんどん子供に話してしまうという意図はわかるんだけれど、大勢の子役たちは決して優秀なアンサンブルではないので、ただうるさいんです。まともな子役もいるんだけれど学芸会みたいなのが混じっているから、目立つんです。とにかくさっさとこのシーン終われ!って心の中で叫びそうでした(笑)
しかも、出演者が多い上に子役全員ダブルだから稽古のつけようがないというか、無理なんでしょうね。数ヶ月連続公演するのならまだしも、1ヶ月の公演で大人のカラードの女の子とバイクの男の子役までダブルキャストで、入替え稽古だけでも大変だったろうかと。
芝居の中身を吟味する時間さえなかったのではないでしょうか?
舞台は大掛かりな道路のセットも動くし、盆もぐるぐる回るから、怪我しないように段取りするだけでも相当気を遣ったと思います。
なんだか演出の白井晃さんが気の毒です。好きな演出家さんなので、もっと細かな芝居の部分が、見せ場がある作品ならよかったのにと。現実的に演出より交通整理していたんじゃないかと?
こういうキャスティングは制作側が何にも考えていないとしか思えませんでした。
 
どうしてこんな作品の上演を、いったい誰が選んだんでしょ?
アンドリューロイドウェバーだから、という理由だけなんでしょうが。
 
そのなかで、子役に混じって子供(スワロー)を演じている生田絵梨花は、逆にこれまでの出演作の中でも、とても合っていたと思います。天使のようでした。
こういう少女役が似合います。
 
三浦春馬さんも悪くないんだけれど、役柄が(白井さんと同じ理由で)もったいなかったです。
納屋に寝そべっているだけ。(設定上、そこから逃れられない)
この男の書かれている部分が少なすぎて、そのわりに唐突に歌うし。
というか、日本人でしかない私にはこの物語の本質がわからなかったです。
そうなんだろうな、と想像するだけで、何もわかりませんでした。
ロイドウェバーの楽曲もオペラのような単純な歌詞を繰り返す手法で、その上、音域もかなり高くて難しそうです。カウンターテナーの音域かも?まさにゲッセマネです。「ゲッセマネ」を歌えないと、この男の楽曲は無理そうです。
 
クリスマスといい、走り回る子供といい、ラ・ボエームを意識したんでしょうか?ロイドウェバーは。
そして、物語はある意味ジーザスです!
頭の中でかなりこじつければほぼJCSです。
ところが劇場内の様相が、客層が、舞台ではなく孫を観に来る老年層というか、ファミリーが多くて、こんなとき来ちゃいけない人たちじゃないの?と、かなり埋まっている客席に驚いたり、ますます混沌としてしまいました。
 
明らかに隣のとなりの更に向こうの有楽町の方の演目の上演内容が、クオリティが高いんですが、客入りがあちらはあまりにも寂しく、こちらは意外に盛況でした。
 
舞台は1959年の12月23日、アメリカのルイジアナの貧しい家の納屋。
その背景やルイジアナという土地柄もわかりにくいんです。
ワンピースに薄手のカーディガンを着ている少女にクリスマスシーズンの季節感を感じられないし、南部だから暖かいのかな?
生活も農家がほとんどなのかな?
中南部の暮らしも時代の背景もよくわからないし。
白人ばかり出てくるなかでひとりのカラードの女の子の立ち位置もよくわからないし。
演出が白井晃さんなので相当工夫されたはずなんですが、たぶん、もともとの本にこれしか書かれていないんでしょうね。
膨らますも何も、変えようもないし。
むしろエルサレムであった方が入りやすかったかも。
 
タイトルの英語の意味がわかりません。
ホイッスルダウンザウインド
アメリカ人には意味が通じるんでしょう?
思い込みの強い女の子と凶悪な脱獄者、それを鵜呑みにして観るのか、少女の信じる奇跡を信じるのか?
何を云いたいのか?
 
ただ、
これから先に繋がるかも、と思えるのは、三浦春馬さんの演じた役柄がジャン・バルジャンなんです。
これはもしかしたら布石ですか?この役柄から三浦春馬さんのレミゼが確実に見えた気がします。コゼットそのまま生田さんで大丈夫です。
レミゼで言えば、初期マリウス役の安崎求さんも脇役でいい味出していました。
現バルジャン福井さんも出演してます。
観点を変えてみると面白かったです(笑)
 
 
日生劇場のあちこち窓が開いていました。
外の右手が日比谷公園、左が帝国ホテル。
 
 
トイレ休憩を通常より長めに設定したそうです。
 
 
普段、開いていない窓から眺められるとは。
 
 
カーテンコールで三浦春馬さんが肩にスワローの弟を乗せて嬉しそうに手を振っていました。
設定が昨年主演された逃亡者役のドラマ(TWO WEEKS)にも被っていたし、あのドラマで子供をすごく可愛がられていたので、子役たちと舞台に立たれるのは違和感ないのかもしれません。Fight for your heart歌っちゃえば、って思っちゃいました。
 
 
日比谷公園。
今日は雲ひとつない青空でした。