ノーマ・デズモンド サンセット大通り | 海をみていたい

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日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

ノーマ・デズモンドが実在した女優さんのような気がしました。

そのくらい、その時代に存在したかのような、違和感なく大女優のめぐさん。

 

めぐさんは昨日(21日)が初日で、本日のソワレ、そしてあと5公演しかないそうです。

こんな状況じゃなかったら、日にちがまだ残っている状況だったら何回もリピートしたいです。

そんなことは言ってられないので本日一日限りとなった観劇ですが、

前回とは同じお話・台本にもかかわらず、新たな舞台が出来上がっていました。

ジョーギリスが柿澤勇人から平方元基に変わったのも大きいし、濱田めぐみさんが以前から上手い方なのに更に進化していらっしゃったんです。あんな上手い方がさらに上を行くって、どんなにすごいんですか!濱田めぐみさんは✨

 

5年ぶりだそうですが、その月日の積み上げたものも加わって、

前回は観る前にめぐさんには若すぎるんじゃないかと思っていて、今回ももうちょっと先での再演が良かったなぁ~なんて、思ったんですが、実際に見て観れば、今、ちょうど観るタイミングだ、と確信しました。

 

 

ジョー・ギリスが前回は個性の強い柿澤くんだったから、その印象から平方さんはソフト過ぎるんじゃないかと思っていましたが、それは全然違ってました。

その優しさが、あの豪邸から逃げられなかった要因にも思えたし、ノーマへの同情のような縁に読み取れました。

野心的なジョーギリスとは役作りが違っていて、このジョーもとてもリアルに感じたんです。

そんな背が高く、顔も小さく見た目にもカワイイ、カッコイイ平方さんがめぐノーマの前に破滅に向かっていく青年を好演していました。

借金取りに追われて脚本家としての仕事もないジョーは現実の世界にも居場所がなくなりつつあったんでしょうね、過去にしかいられなかったノーマ邸にひきこまれていくのは必然だったのかもしれません。たしか前回の安蘭さんとのコンビでも観ていましたがめぐさんノーマへのリアルな反応が平方さんのジョーをさらに高めていたんじゃないでしょうか。

 

 

王家の時にはゴリラ顔の隣国の王子とダブルでやはり印象が優し過ぎる感が否めなかったんですが、組み合せの相乗効果でしょうか、まさかの、平方元基ジョーギリスが気になります。

 

また前回まで好演だった鈴木壮麻さんから山路和弘さんにマックスが変わりましたが、歌唱力はあきらかに壮麻さんですが、ノーマを支える尋常ではない芯の部分が愛の深さが山路マックスの見どころです。当然メリーポピンズのお父さんのような家庭感は全くありません。愛に生き、愛の為に騙すという意味で、お見事。

ベティーも平野綾がかわいらしく、新たなキャスト陣も良かったです。

 

映画の父と呼ばれるD・W・グリフィスとかバレンティノなど有名な映画人の名前や浜畑さん演じるセシルBデミルが撮影所(パラマウント)で撮影中だったり、だからノーマ・デズモンドも実際のサイレント時代にいたような錯覚がおきます。

そのくらいリアルな、めぐノーマでした。

実際、冒頭のめぐノーマ、歌いきったときの拍手がショーストップものでした。

本当にすごい歌唱でした。

 

今回の東京フォーラムホールCはオケがあるので最前列が5列からだったのですが、たとえ、そんな良席を手に入れた方でもウィルスのせいでキャンセルされたようでした。

一昨日、20日に観た芝居よりさらに空席が多く、どちらかといえばホール全体まばらな入りでした。通常なら公演出来ないくらいの客席の状態でしたが入り口ではひとりひとりの検温があって、消毒もありました。

中止になってしまった分も含め、採算は全くとれないでしょうねしょぼん

 

そんな中、ほんとうに素晴らしい上演を観られたことに感謝です。

 

 

塩田明弘さんがタクトをふる美しい生オケがまた見事で、オーケストレーションが素晴らしいです。