権力とマイノリティ -10ページ目

やっと、政府はIAEA査察を受け入れ

IAEA

 もうー、当然でしょ! コメントなし。

●NHKニュース 7月22日 20時49分
【IAEA現地調査 受け入れへ】
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/07/22/d20070722000120.html

 今回の地震で、柏崎刈羽原発では、想定をはるかに超える揺れを観測し、放射性物質が外部に漏れたり変圧器の火災で消火活動に遅れが出たりするなど大きな被害が出ました。これを受けて、IAEAは、今回の情報を国際的に共有して原発の安全性を高めるために現地で調査を行いたいと、今月19日に原子力安全・保安院に申し入れていました。

 これに対して、原子力安全・保安院は、安全性の確保や被害状況の確認は十分に対応できており、技術的な援助は必要ないとしながらも、情報を国際的に共有することは重要だとして、現地での共同調査を受け入れる方針を決めました。

 原子力安全・保安院は、23日、IAEAに対して受け入れの意向を伝えるとともに、薦田院長が新潟県に出向き、県や柏崎市それに刈羽村に対して受け入れを決めた経緯などについて説明することにしています。

■IAEA(国際原子力機関)とは? 
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 国際原子力機関(こくさいげんしりょくきかん、International Atomic Energy Agency (IAEA))は、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関である。2005年度のノーベル平和賞を、エルバラダイ事務局長とともに受賞した。本部の所在地はオーストリアのウィーン。

■沿革 1957年に創立され、事務局長は、1981年から1997年までハンス・ブリックス、その後はモハメド・エルバラダイ。2002年のエリトリア、キルギス及びセーシェルの加盟により、加盟国は137ヶ国となった。

■構成 主な組織としては総会、理事会、事務局がある。総会は全ての加盟国の代表者からなり、理事国の選出、新規加盟の承認、予算の承認などを行う。

 理事会は35ヶ国の理事国によって構成され、機関の任務遂行を行う。理事国の選定は、前任の理事会が原子力に関する技術の最も進歩した13ヶ国を指定し(理事会指定理事国または指定理事国と呼ばれる)、その他の22ヶ国を地域的な構成を考慮しながら総会が選出する。日本は機関の創立当初から指定理事国である。事務局長は事務局の長であり機関の首席行政官であり、総会の承認を得て理事会が任命する。


▼加盟国(指定理事国)
•日本、アメリカ合衆国、カナダ、ブラジル、フランス、ドイツ、スペイン、イギリス、ロシア連邦、南アフリカ、インド、中国、オーストラリア

▼その他加盟国(ラテンアメリカ)•アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ

▼西ヨーロッパ •オーストリア、ベルギー、キプロス、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、バチカン、アイスランド、アイルランド、イタリア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、スイス、マルタ

▼東ヨーロッパ •アルバニア、ベラルーシ、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、ウクライナ、ユーゴスラビア、エストニア、リトアニア、クロアチア、スロベニア、ウズベキスタン、アルメニア、チェコ、スロバキア、カザフスタン、マケドニア、ボスニア・ヘルツェコビナ、ラトビア、モルドバ、グルジア、アゼルバイジャン

▼アフリカ •アルジェリア、カメルーン、コートジボアール、エジプト、エチオピア、ガボン、ガーナ、ケニア、リベリア、リビア、マダガスカル、マリ、モーシャス、モロッコ、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、スーダン、チュニジア、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ、コンゴ、シエラレオーネ、ブルキナファソ、ベナン、アンゴラ、中央アフリカ

▼アジア •アフガニスタン、バングラデシュ、イラン、イラク、トルコ、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、パキスタン、カタール、サウジアラビア、スリランカ、シリア、アラブ首長国連邦、イエメン、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ、韓国、モンゴル、フィリピン、ベトナム

▼オセアニア •ニュージーランド、マーシャル諸島

■動向 2003年11月の定例理事会では、イランの核開発問題が取り上げられ、イギリス・フランス・ドイツ・日本が共同提案した非難決議案を全会一致で採択した。アメリカの主張する国際連合安全保障理事会への付託は見送られた。

柏崎原発がチェルノブイリの二の舞にならないことを祈る

柏崎2  柏崎 1

 マスコミに柏崎刈羽原発の内部が公開された。変圧器の火災や油漏れ、地震による地盤沈下で消火設備も破損。東電はマスコミに言い訳をしている暇があったら、早急に応急措置すべきだ。
 もうホントに、日本をチェルノブイリの二の舞にしたいのか。黒澤明監督の映画「夢」で、色のついた放射能が蔓延しているところを、なすすべもなく寺尾聰が、ウロウロしているシーンがあった。しかし、実際の放射能には色も臭いもないから、私たち人間にはわからない。

●朝日新聞 07月21日15時08分
【他の原発5基も変圧器損傷 油漏れも 柏崎刈羽】
http://www.asahi.com/national/update/0721/TKY200707210218.html
 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発3号機の変圧器で火災が発生した問題で、他の原子炉5基の変圧器でも油漏れや土台がずれるなどのトラブルが相次いでいたことが明らかになった。地震による地盤沈下の影響で消火設備も損傷していることから消火能力は大幅に低下した状態で、一部の変圧器では油漏れが続いている。依然として余震の恐れもあり、火災の危険性が今も残っている。

 変圧器の内部は、電気を流す銅帯が通っており、絶縁のために大量の油が注入されている。県などによると、3号機の火災は、変圧器周辺の地盤が沈下し、銅帯と、本来直接触れることのない周りの金属とが接触したためショートし、変圧器内の絶縁油に引火して発生した可能性が高いという。

 1号機では、変圧器が土台からずれたり、配線の接合部にずれがみられたりした。1、2、4、7号機では変圧器周辺に設置した油の流出を防ぐ堤が沈み込んだり傾いたりした。1、2、3、6号機は油漏れの改修措置が終わっていない。全7基の原子炉のうち、5号機以外で変圧器関連の異常が見つかっている。(以下省略)


●東京新聞 7月21日 21時12分
【黒焦げの変圧器から刺激臭 柏崎刈羽原発を公開】
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007072101000446.html
 どす黒く焦げた変圧器、落差1・6メートルの地盤沈下。東京電力は21日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の内部を報道各社に公開した。東電側は「被害は原子炉に関係のない場所」と説明するが、敷地内を見渡すと、いたる所に地震のつめ跡が生々しく残っていた。

 地震後、真っ黒な煙を上げて燃えた3号機の変圧器。近づくと、今も漏れ続ける油の刺激臭がつんと鼻を刺す。高さ約6メートルの変圧器の側面には、炎が激しく立ち上った焦げ跡が。傍らでは東電職員が「被害は一部。延焼は食い止めた」と説明した。
 「これはひどい」。変圧器から約100メートル離れた軽油タンク周辺では報道陣から一斉に声が上がった。地割れが無数に走り、最も激しい場所では落差約1・6メートルもの地盤沈下。近くでは工事関係者が地割れに足を取られ、転倒しそうになっていた。(共同)

外国メディアに指摘されるニッポンの原発の安全性や隠蔽体質

■原発は時限爆弾だ! 
 地震がグラッと来たときに、思わずNHKテレビをつけた。しばらくして、柏崎刈羽原発から、黒煙が上がっている映像が流れたとき、オッ原発はだいじょうぶかよ? と思わず思った。その後の東電のインチキな発表やそれを検証できないマスコミ、そして言わずもがな、政府の対応もひどいものですね。
 この地震大国ニッポンで原発を55基も持っているということは、自らの国内に「時限爆弾」を抱え込んでいるいるようなもの。それを承知の上で、高速増殖炉の増設や放射能漏れの隠蔽工作、廃棄物処理など、メチャクチャな電力・エネルギー政策を推進してきた。

■原発に関する正確な報道を
 日本国内のメディアや世論より、外国メディアの方が関心が高いっていうのは、どういうことなんでしょう? 「日本の原発事故の隠蔽体質批判にとどまらず、自国内の原発に対する安全性についての議論に発展している」と、米国、英国、フランス、ドイツ、ロシアについての情報を朝日新聞は伝えている。
 確かに外国メディアの動向を報道することも必要ですが、柏崎刈羽原発は日本にあるんですよ。日本の原発に関する確かな報道をマスメディアは、手を抜かないで欲しい。

●朝日新聞 07月19日09時23分
【地震の柏崎刈羽原発問題 欧米原発国でも論議】
http://www.asahi.com/international/update/0719/TKY200707180681.html?ref=rss

 新潟県中越沖地震の影響で、東京電力柏崎刈羽原発で放射能を含んだ水が海に流れ込んだり、火災が発生したりした問題は、海外でも大きな関心を呼んでいる。多くの原発を抱える欧米では、日本の原発の安全性や隠蔽(いんぺい)体質を厳しく批判するメディアの論調に加え、自国内の原発の安全性をめぐる議論にまで発展している。

 104基の原発を抱える世界最大の原発大国・米国にとって、今回の事故はひとごとではない。ワシントン・ポスト紙は柏崎刈羽原発について、米国にも多数(35基)ある沸騰水型だと指摘した。
 同紙はさらに、放射能を含んだ水があふれた使用済み核燃料プールについて「地震で損傷したのではないか」などとする専門家の意見を掲載。また、「専門家は東電の説明を受け入れることに慎重だ。日本の原発業界はトラブルを隠蔽してきた歴史がある」と、厳しい論調で伝えた。
 ニューヨーク・タイムズ紙も本紙や電子版で「東電は当初、放射能漏れはなかったと説明していた」「(放射能を含んだ水が海に流れ込んだ)報告が遅れた理由の説明がなかった」などと批判した。

 また、英科学誌ネイチャーは17日付の電子版に「日本の原発は耐震設計が不十分?」という記事を掲載。今回、設計時の想定の2倍を超える揺れが記録されたことを取り上げ、「今後の安全評価報告の結論次第では、(柏崎刈羽の)7基の原発が閉鎖される可能性がある」などと報じた。

 消費電力の79%を原発に頼るフランスでは、メディアに原子力庁幹部らが登場し、不安解消に躍起になっている。当局は「大地震が起きる可能性は低いうえ、十分な対策をとっている」と説明。しかし、「過去に大地震の記録もある。テロや洪水など新たな脅威も高まっている」と指摘する専門家もいる。
 仏環境政党「緑の党」は海岸沿いや湿地に立地する原発を問題視し、「温暖化に伴う海面の上昇や、異常気象による洪水の頻発など新たな脅威にさらされている」と指摘した。

 ドイツでは先月、北部の原子力発電所の変電設備で火災が発生し、原子炉を停止させた事故があったばかりだけに関心が高い。ターゲスシュピーゲル紙は連日にわたって原発問題を取り上げた。「日本の事故はドイツの事故と重なるばかりでなく、今後への問題提起となっている」と警鐘を鳴らした。
 ガブリエル環境相は17日、テレビなどのインタビューで「危険性が高く、古い原子炉は予定されている操業停止の時期よりも早めて停止するべきだ」と安全性確保の必要性を話した。

 ロシアでは、柏崎刈羽原発から放射性物質を含んだ水が日本海に漏れた問題について、気象庁がロシアに影響が及ぶ可能性はないとの見通しを発表、ロシア極東の住民の不安に配慮した。
 ロシアのテレビ各局は今回の地震を大きく取り上げており、地震直後の火災で原発関連施設が黒煙を吹き上げる映像も、ニュース番組で繰り返し報じられた。
 経済紙「RBCデイリー」(電子版)は18日、「毎月のように新たな事故と、それを隠蔽しようとしていた事実が明らかになっている」と指摘した。

憲法二十五条「生存権」に関するニュース

■もはや、サバイバルとレジスタンスしかない
 イヤー、しかし、何なんねぇ~~?! 
 北九州市の「餓死事件」の二件目っていうのは・・・。わたしのコメントは「もやい」に同じくでーす。…っていうか、そっちのが方が現場を担っているので、わたしごときが何か言うよりも、よっぽど説得力があるので。

●西日本新聞朝刊 07/12付
【北九州の52歳男性 生活保護辞退し孤独死 日記に「働けと言われた」】
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20070712/20070712_015.shtml
 北九州市は11日、同市小倉北区の独り暮らしの男性(52)が自宅で亡くなり、死後約1カ月たった状態で見つかったと発表した。男性は昨年12月から生活保護を受けていたが、今年4月に就労の意思を示し、受給を辞退していたという。自宅に残された男性の日記には、市側の対応に不服を訴える記述があった。

 同市によると、10日午前、男性宅の異変に気付いた住民が、小倉北福祉事務所を通じて小倉北署に通報。同署員が一部ミイラ化した男性の遺体を発見した。外傷はなく、病死の疑いがあるという。

 男性は昨年12月7日、「病気で働けない」として同事務所に生活保護を申請。同事務所は病状を確認した上で「働けるが、水道が止まるなど生活ができない状態」として、同月から月額約8万円の生活保護費の支給を決めた。

 今年に入り、男性の主治医から病状回復の報告があったことなどを受け、同事務所は男性に就労を促した。男性も求職活動を始めたと報告し、4月2日に「自立して頑張る」として生活保護の受給を辞退したことから、同事務所は同10日付で廃止した。その後、男性から連絡はなかったという。男性の日記には「働けないのに働けと言われた」「おにぎり食べたい」などと書かれていた。

 市は「男性が働けると判断した。生活保護の廃止は適切だった。廃止後のことは把握していない」と話している。


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■NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の緊急声明

 今回の北九州市の餓死事件について、下記のように緊急声明を出しましたので、お知らせします。


☆北九州市餓死事件に対する緊急声明

162-0814 東京都新宿区新小川町8-20 こもれび荘
NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
理事長 稲葉 剛
03-3266-5744  info@moyai.net  www.moyai.net
担当:事務局長 湯浅誠

 またも悲劇が繰返された。7月11日各紙が報道したように、北九州市小倉北区で死後1ヶ月と見られる遺体が発見された。亡くなった52歳男性は、昨年末から生活保護を受けていたが、4月に生活保護の辞退届を提出、「受給廃止」となっていたという(7月12日朝日新聞)。

 本件に関して、私たちは、

(1) 男性の辞退届け提出が、本当に男性の真意にもとづくものだったのか(事実上福祉事務所職員に強要されたものではないのか)、

(2) 真意にもとづくものだったとして、男性のその後の生活の見通し(経済的に自立して生活していける見通し)について、福祉事務所は十分な調査(報道されているタクシー会社に就職できる確実な見通しがあったか、それによって生活保護基準を上回る収入を得られる確実な見通し)を行ったのか、

(3) 経済的に自立の見通しが高かったとして、なぜ実際に就労して保護基準を上回る収入を得た後に廃止する、という生活保護法が予定している通常の手続きを取らなかったのか、

(4) 辞退届けを提出する義務も必要もないことについて、男性に十分な説明が行われたのか、

(5) 説明が行われたのだとしたら、どうして報道されているように男性の日記に不満(「働けないのに働けといわれた」)と記されているのか、

 等々について、数々の疑問をもっている。北九州市は、昨年5月に発覚した餓死事件同様「対応に問題はなかった」と話しているが、本当に自信をもってそう言えるのであれば、北九州市は自ら積極的に生活保護ケース記録を開示するなどして、説明責任を果たすべきと考える。

 私たちが、東京を中心に活動しながら、北九州市の件で今回のような緊急声明を発表することには理由がある。それは、北九州市以外でも同様の事態(経済的自立の見通しがないにもかかわらず、保護辞退を強要する、不適切な指導指示にもとづいて保護を廃止する)が頻発していると考えるからである。以下、私たちが受けた相談の一端を紹介する。

(1)先月、相談に訪れた50代男性は、都内の福祉事務所から「平成19年5月10日までに就労を開始すること」というきわめて不適切な「保護指示通知書」を渡され、6月22日付で「法第27条指示違反による廃止」という違法な「廃止の理由」で生活保護を職権廃止されるに至っている。職権廃止取消を求める不服審査請求はもちろん、精神的苦痛を与えられたことによる国家賠償請求も提起しうる事案だったが、本人がどうしても「あそこ(の区役所)にはもう行きたくない」と言って、権利回復は果たせなかった。

 (2)昨年相談に訪れた50代夫婦は、その一年半前に強圧的な就労指導によって精神的に追い詰められ、経済的自立の見通しがまったく立たないにもかかわらず、生活保護を辞退した。私たちの元に相談に来るまでの一年半、妻が難病をもつ夫を支えながら月収7万のパート労働で暮らしてきた。私たちは、再度の生活保護申請を勧めたが、妻が「もうあんな思いは二度としたくない」と言って、ついに生活保護申請には至らなかった。

 このように、「自立」の美名の下、実際には生活していく見通しが立たないまま、生活保護から半強制的に追い出されている人たちが全国に多数存在している、と私たちは推測している。その人たちは、心にトラウマが残るまで圧力をかけられ、権利回復を求める意欲も残らないところまで追い詰められ、そして放り出されている。福祉事務所は、本人たちから声を上げる力を奪っておきながら、「声が出ていない以上、対応に問題はない」と涼しい顔をしている。その声を上げられない力の剥奪の究極形態が「死」に他ならない。力を付ける(「自立の助長」生活保護法1条)はずの福祉事務所が、受給者から力を奪うという悲惨な逆転現象が起こっている。

 事は北九州市のみに留まらない。その事態の深刻さに鑑み、以下主張する。

1)北九州市は、今回の餓死事件の厳密な検証をただちに行うべきである。生活保護を廃止した行為は、「辞退届けが提出されたから」などという薄弱な理由では正当化されない。

2)全国の福祉事務所は、不適切な指示書の乱発、辞退届けの強要、違法な職権廃止をただちにやめるべきである。もうこれ以上、福祉事務所被害者を出してはいけない。

3)政府は、経済的自立偏重の「自立支援」を根本的に見直すべきである。現行「自立支援」「再チャレンジ」は、多くの場合、弱者いじめにすぎない。人々に負担を求めるばかりでなく、人々の生活を保障する国の責任を果たすべきである。

2007年7月13日  NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
www.moyai.net
便利屋あうん
www.awn-net.com
ホームレス総合相談ネットワーク
www.homeless-sogosodan.net

●朝日新聞 07月12日
【三郷市を夫婦が提訴】
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000707120003
▼「4人で月収10万円なのに生活保護適用拒否は不当」
 病気で経済的に苦しくなり、三郷市に生活保護を申し込んだのに断られ、引っ越しまで迫られたとして、同市に住んでいた夫婦=東京都葛飾区=が11日、市を相手に受給できたはずの費用や慰謝料など約1千万円の賠償を求める訴えをさいたま地裁に起こした。
 訴状によると、夫婦は家族4人暮らし。04年末に夫が白血病で倒れ、妻は介護に追われたため一家の収入は途絶えた。長男が働き始めたが月収は10万円程度。入院費用と月7万弱の家賃、次女の学費などが工面できなくなったという。

 女性が同市に生活保護の申請をしたところ、福祉課の担当者から「国に頼らず自分で働きなさい」と拒否され、認めてもらうのに1年半かかった。その後、「夫の実家がある都内に引っ越しをしないと保護を打ち切る」と転居を催促され、一家は都内に転居したという。

 代理人の吉広慶子弁護士は「今すぐ働けない状況だから申請したのに『働け』と言って断ったり、支給後に理由をつけて必要のない引っ越しをさせ、保護を打ち切ったりするのは明らかに違法だ」と話した。
 同市は「訴状を見ていないのでコメントできない」と話した。

●朝日新聞 07月14日20時13分
【生活保護、不法に廃止 収入など調べず 北九州の孤独死】
http://www.asahi.com/national/update/0714/SEB200707130072.html
 辞退届によって生活保護を廃止された北九州市小倉北区の男性(当時52)が孤独死した問題で、同市は「収入などを調べずに受給を廃止するのは不法」とした06年の広島高裁の確定判決を知らずに、収入などを調べることなく男性の生活保護を不法に廃止していたことがわかった。厚生労働省はこの判決を各自治体に通知していなかった。
 この裁判は、広島県東広島市の女性がパートに就くことを理由に調査を受けないまま生活保護の辞退届を書かされ、保護を廃止されたとして、東広島市を相手取って廃止処分の取り消しと慰謝料を求めた。

 06年9月の高裁判決によると、女性の実際の収入は月5、6万円だったが、市は給与などの調査もせずに「自立のめどがある」として辞退届の文案を作り、女性に出させた。高裁は「自立のめどがあるかどうか客観的に判断せずに保護を廃止したのは不法」として市の処分を取り消し、慰謝料30万円の支払いを命じた。市側は上告を断念し、判決が確定した。

 北九州市の小林正己・地域福祉部長は「判決は知らず、『自立のめどがあるかどうか客観的に判断する』という運用はしていなかった。生活保護法の趣旨にもとるような運用は改めないといけない。だが、今回の件では男性の自発的な意思に基づいて廃止を決定した」と話している。判決を通知しなかったことについて厚生労働省は「辞退届については法律などに規定がないため推移を見守ることになった。北九州市は当然認識していると思っていた」と説明する。

 孤独死した男性は昨年12月、病気で働けないとして生活保護を認められた。その後、北九州市側から働くことを勧められ、4月2日に辞退届を提出。同月10日付で保護は廃止された。7月10日、死後約1カ月の遺体が自宅で見つかった。

 大友信勝・龍谷大教授(社会福祉学)は「辞退届はそもそも強制で違法に近い。市の対応は高裁判決に照らしても正当性を欠き、生存権の保障を放棄したといえる。司法判断を知らなかったことは生存権を扱うプロとして怠慢だ」と指摘する。

60年代に沖縄で枯れ葉剤の散布 なぜ伝えないマスコミ

 沖縄の梅雨が明け、7月になると、ヤマトンチューの「沖縄レジャー」モードになってくる。しかし、沖縄北部・名護の辺野古では、連日米軍や自衛隊、海上保安庁に対する監視活動が続いている。何で沖縄にこれ以上、米軍の飛行機場が必要なのか。小池百合子・新防衛大臣は、国民に対して「説明責任」を果たせるのか、はなはだ疑問である。

●ブログ「辺野古からの緊急情報」より引用
2007年07月09日 7/9・18:20
 今日は阻止行動はせずに済みました。また一日辺野古の海が平穏に守られました。ただ明日からまた大量動員で作業強行して来ると思います。完全に消耗戦の様相を挺しているので、また厳しい阻止行動となると思います。監視の目は山ある方が有利です。辺野古のたたかいを覚えてください。
 とにかく国は参議院選に向けて辺野古から市民の目をそらすことを重要視していると思いますので、私たちもそれに負けずに情報発信して行きましょう。安倍さんが参議院選に向けて一発逆転のネタとして何を出して来るのかも十分注意して見ていてください。

■米軍の植民地「沖縄から日本」への拡大
 ベトナム戦争当時、沖縄から米軍の航空機がベトナムに向けて、次ぎづきに飛び立っていった。ベトナムに大量に撒かれたダイオキシンを含む枯れ葉剤が、沖縄の水がめ周辺に散布されていた。ベトナムに大量散布する前の「人体実験」と除草目的があったという。
 現在、沖縄は日本であるが、行ってみればよくわかるが、「米国の植民地」から脱していない状況がいたるところで見受けられる。いったい米軍は、どこまで沖縄を蹂躙すれば気が済むのだろうか。
 今後、日本本土への米軍の更なる活躍・進出で、日本の「沖縄化」が図られるということではないのか。いま沖縄で起きていることを他人事だと片づけてはならない。

●沖縄タイムス 7月9日(月)夕刊 
【北部で枯れ葉剤散布/米軍、60年代訓練場一帯】
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200707091700_01.html
 米軍がベトナム戦争で使用した、猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤を一九六一・六二年、沖縄の米軍北部訓練場などで散布、作業に携わった元米兵が前立腺がんの後遺症を認定されていたことが八日までに米退役軍人省の公式文書で明らかになった。

【国頭・東】緑豊かな県民の水がめの周辺に、猛毒ダイオキシンを含む枯れ葉剤がまかれていた。「ショック」「住民の健康と環境の調査を」。地元の国頭、東両村の村長らは報道に衝撃を隠せない。米軍北部訓練場は一部返還が決まっており、跡利用への影響も懸念した。エコツーリズムの舞台として活用する住民は、不安の払拭を求めた。

 国頭村の宮城久和副村長は「大変ショック。アメリカの公的な機関から発表されている事実。国はきちんと調査をし、住民に知らせてほしい」と話した。同村では訓練場の返還後、新たな土地活用について話し合いを進めており、「今後、計画に影響を及ぼすのでは」と懸念した。

 東村の伊集盛久村長は「散布が事実なら由々しき問題。県民の水がめを抱える村として看過できない」と語気を強めた。「国に事実を明らかにしてもらい、その上で村民の健康調査を求めていきたい」と話した。

 高江区の仲嶺武夫区長は「ヘリパッド着工も進む中、住民の不安がますます大きくなった。まず場所の特定が必要。ダムに流れた可能性も否定できない」と、不安を隠せない様子で語った。国頭ツーリズム協会の山川安雄代表は「まったく初めて聞いた。北部訓練場には生物調査などで多くの人が入っているが、植物の生育が悪いなど、異常さを裏付ける情報は聞いたことがない」と語る。「報道が事実なら、完全に不安を払拭するためにも場所の特定やきちんとした環境調査をしてほしい」と求めた。

     ◇     ◇     ◇ 
    
▼ベトナム向け「実験」か
〇枯れ葉剤の影響について長年ベトナムで取材を続ける報道写真家の石川文洋さんの話  
 一九六一年当時はまだ枯れ葉剤の人体への影響については把握されてない時期だが、同時に米国はベトナム戦争への本格介入を前に、既に軍事顧問団を送っており当然、米軍は枯れ葉剤の戦略的な重要性に気が付いていたはずだ。北部訓練場での散布は、ベトナム戦争へ向けた「実験」の位置付けと、訓練の障害を取り除くための雑草除去という二つの目的があったのではないか。
 枯れ葉剤の影響は長期間続く。二〇〇五年にベトナム現地で取材した時も障害がある赤ちゃんが次々と生まれていた。今後十年で終わるのか百年続くのか、誰も断言できないところが一番恐ろしい。

▼基地返還にも影響/琉球政府 元担当者
 米軍による枯れ葉剤の散布が判明した米軍北部訓練場(東村など)は、部分返還に向け政府が米軍ヘリパッドの移設工事に着手したばかり。枯れ葉剤による汚染の有無などその実態は不明のままで、周辺住民は「汚染の程度や健康被害が分からないことが不安」と話している。「米軍の毒ガス移送が大きな問題になったことは知っているが、枯れ葉剤の使用が問題にされた記憶はない」。一九七二年の沖縄の本土復帰前から琉球政府(現沖縄県庁)に勤務、基地問題にかかわってきた元幹部は話した。

 ヤンバルクイナに代表される貴重な動植物が残る沖縄本島北部。人口が多い島の中南部へ水を供給する複数のダムもある。元幹部は「枯れ葉剤は後遺症の問題もあり、事実なら基地返還にも影響するはずだ」と指摘する。同訓練場は一九九六年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で一部返還で合意。順調なら数年以内に返還されることになるが、米側には汚染除去などの義務はない。

 隣接の同県名護市で環境保護に取り組む「ジュゴンの里」代表の東恩納琢磨さん(42)は「枯れ葉剤散布は聞いたことがないだけに被害が恐ろしい。これまでも別の基地で有害物質が発見された経緯がある。汚染をきれいに除去し、情報公開すべきだ」と話した。

▼水がめ地帯 散布は重大
〇沖縄県環境審議会会長の桜井国俊沖縄大学長(環境学)の話 
 北部訓練場は沖縄県民の水がめでダムがつくられ続けており、その地帯で枯れ葉剤がまかれたということは重要な問題でたいへん気になる。枯れ葉剤に含まれるダイオキシンは環境の中では消えないからだ。米軍基地内で行われることは分かりにくく、枯れ葉剤の散布は県も知らされていないだろうし、われわれも知らなかった。


しばらく、パス! そんな気分

 世の中は、選挙モード一色。たしかに今回の参院選は、今後の日本の行方を考える上で、大きな選挙であるという認識は、わたしにもあります。
 そして、民主党の小沢代表が、「与党を過半数割れに追い込まなければ、辞任する」とのニュースもあります。

 政権交代に対して、政治評論家の森田実氏は、7月8日のホームページで以下のように語っています。まったくの正論だと、わたしも思います。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03483.HTML

「いま、一番悪いのはトップの安倍首相だ。乱暴なことをやれば小泉政権同様、「強力な指導力」と称賛されると勘違いしているようだ。自民・公明両党もひどい。米ブッシュ政権や創価学会が安倍政権の背後にいるとおびえ、金縛りになっている。首相一人の意思に振り回されるのは、もはや政治集団でなく軍隊かロボットだ。造反者が出ないのは、本当にだらしがない。

 強行採決の背景には、与党が連立政権であることも指摘できるだろう。自公両党の幹部で合意した政策をひっくり返すのが難しく、与党全員が思考停止になっている。だから、野党との修正協議などできないし、するつもりもなくなっている。(中略)

 この状況に対する最大の薬、治療法は、やはり政権交代だ。参院選は事実上の政権交代選挙になる。地域医療の衰退や年金問題、松岡利勝前農相の疑惑、増税などもろもろの問題に怒っている有権者は多い。全国民が選挙で利権や情実でなく、政権交代を意識した投票行動ができれば、独裁と強行採決という悪循環を止めることができる。

 一方、野党には、国民を信じて腹を決めて、暴走する安倍内閣と戦えと言いたい。欠席しても乱闘しても構わない。マスコミの反応も気にすべきでない。今や新聞、テレビは与党化し、野党が何をしても悪く書かれる。昔の社会党が新聞の支持を受けて、自民党や中央官庁と戦った時代とは違う。

 現実問題として、与党が数の力で採決を強行すれば、野党には有効な抵抗手段はない。最終的には、選挙に勝って独裁政権を倒すしか道がない。ぞのためには野党が団結し、選挙協力を実現しなければならない。民主党は自公連立政権の分裂・懐柔工作をはねのけて、より「反自民度」が高い社民、国民新の両党と協調して選挙を戦うべきだ。

 安倍独裁政治をただす道は、来るべき7月29日の参院選において、与野党逆転を実現し、次の衆議院議員選挙で政権交代を実現することである。これしか道はない。ぜひとも実現したい。このために全力をあげたい」

 森田実氏の主張は、あまりにまっとうである。が、ささやかながら、市民運動などで地方自治に関わっているひとりとしては、このまっとうさが、ひどくむなしい。どうしてなんだろう?

今日のレシピ トマトと豆腐のバジルサラダ

バジルの花 トマトサラダ


 ベランダのバジルの白い花が咲いた。植木鉢が小さいので、水をあげないとすぐにシナってしまう。トマトとバジルはイタリア料理の定番素材。

 スパゲティ・トマトソースは、イタリアン・トマトの水煮缶詰、オリーブオイル、ニンニク、唐辛子、バジルでつくる。トマトの水煮缶をソースに、ズッキーニ、カボチャ、ナス、タマネギ、トマトなど夏野菜でつくる、イタリアン煮込み料理が簡単で美味しい。温かくても冷やしても、どっちもとても美味、スパゲティ・ソースにもなる。タッパウェアに入れて冷蔵庫に入っていると、夏の食事にとても便利。今年はつくっていないなぁ~。

 トマトとモッチェレラ・チーズを使ったサラダがあるが、モッチェレラ・チーズを木綿豆腐に替えてヘルシーで簡単に。トマトと豆腐を食べやすい大きさに切って、バジルのみじん切りを添え、その上から、塩・コショウ・オリーブオイル・リンゴ酢をかけるだけの超・簡単レシピ。豆腐はキッチンペーパーで水切りをしておくと崩れにくい。

 

主権在民の形骸化 機能不全に陥る国会運営

菅直人

■国民に信を問うなら衆参ダブル選挙を
 この間の強行採決が常態化した国会を見ていると、いったい何のための国会審議なのかと、きわめて不思議な気分になる。
 深夜ニュースで国会の様子を見ていたが、国会議員は未明まで国会議事堂に拘束させられ、数の論理による与党の横暴につきあわされることになる。国家公務員の天下り法案に至っては、参院内閣委員会での採決をせずに、いきなり本会議で採決なんて、どうみてもおかしくないですか。
 内閣不信任案の賛成討論で、民主党の菅直人代表代行が安倍首相に対して「国民に信を問うために、衆議院を解散して参議院とダブル選挙をすべきではないか」と演説していたが、それが筋っていうものでしょう。

●朝日新聞 06月30日01時26分
【社保庁・年金特例法が成立 公務員法案は早朝採決へ】
http://www.asahi.com/politics/update/0629/TKY200706290344.html
 国会での与野党の攻防は最終盤に入り、30日朝まで続く「徹夜国会」となった。社会保険庁改革関連法と年金時効特例法は30日未明、参院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。引き続き参院本会議では国家公務員法改正案について参院内閣委員会の採決を省く「中間報告」の手続きに入り、同日早朝までに成立する。通常国会はこれで事実上閉幕、各党は参院選に向けて走り出す。

 これに先立ち、資金管理団体の5万円以上の経常経費支出に領収書添付を義務づける改正政治資金規正法も29日午後、参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立した。
 与党は、参院選の投票日を1週間先送りして国会会期を7月5日まで12日間延長した。しかし、成立をめざした重要法案の処理は、会期を5日間残して30日までにほぼ終え、会期末に請願などを処理して閉会する。

 29日の国会では、社保庁法案と年金特例法案の参院厚生労働委員会での採決強行に反発した民主、社民、国民新の野党3党が、参院に柳沢厚生労働相と安倍首相の問責決議案、鶴保庸介厚生労働委員長の解任決議案、衆院に内閣不信任案を相次いで提出した。採決では共産党も賛成したが、いずれも与党の反対多数で否決された。内閣不信任案は賛成130票、反対330票の大差だった。

「沖縄戦・集団自決の日本軍関与否定」教科書検定に沖縄県議会が意見書可決

■親米保守・歴史修正主義者たちの活躍
 ワシントンポストの、あの恥ずかしい広告「THE FACTS」もそうだけどーー。どうして第二次世界大戦に関する、日本軍が行った歴史的史実を、なかったことにしたいという「親米保守・歴史修正主義者」たちのさまざまな活動が、なぜ、こんなに活発に行われているのか。私たちはもう少し冷静に考えてみる必要があると、最近つくづくとみに、そう思う今日この頃。

 以下の沖縄タイムスの報道にある、沖縄県議会の意見書可決を、わたしはヤマトンチューとして、支持表明いたします。「従軍慰安婦」問題も、「集団自決」問題も、きわめてセンシティブな問題であるため、こうした課題にジャーナリストとして、市民運動家として関わるためには、ある種の覚悟を持って望まなければなりません。それはきわめて、わたしの生き方に関わる大変に重たい課題を抱え込むことになるため、真摯に取り組んだことはありません。ハッキリいって、とっても自らに自信が持てなかった。

 ただ、こうした重たい課題を自らの問題と捉え、これまでざまざまな問題提起やアクションを起こしてきた人たちの発言や活動については、わたしなりに寄り添ってきた、そう考えています。「同伴者」として・・・ただ、それだけ。


●沖縄タイムス 6月22日(金)夕刊 
【県議会「集団自決」意見書可決 本会議、全会一致】
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706221700_01.htmlhttp://www.okinawatimes.co.jp/day/200706221700_01.html
 県議会(仲里利信議長)は二十二日午前、本会議を開き、高校歴史教科書の沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」の記述から軍の関与を削除した文部科学省の教科書検定の撤回、記述の回復を求める意見書案を全会一致で可決した。本会議終了後、県議会代表らが上京し、文部科学省などに要請行動を展開する。
 午前十時に開会した本会議は冒頭で、同意見書案を全会一致で可決した文教厚生委員会の前島明男委員長が文案を読み上げ、提案理由を説明した。その後、全会一致で可決した。

 意見書は「沖縄戦における『集団自決』が、日本軍による関与なしには起こりえなかったことは紛れもない事実」と指摘。「今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定しようとするものだ」とし、「一般県民を含む多くの尊い生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとって、到底容認できない」として、検定意見の撤回、記述の回復を求めている。

 同問題に対する意見書案をめぐり、野党側は定例会冒頭での採決を与党側に要請した。
 だが、県議会最大会派の自民党内に反対意見が表面化。同党内の意見調整が続いていたが、賛成で意見がまとまった。与野党で意見書案の文案を調整し、文教厚生委員会が十九日、全会一致で可決。「慰霊の日」前日の二十二日の本会議採決を要請していた。
 県内では二十一日までに、四十一市町村のうち、三十七の議会が教科書検定意見に反対する意見書を可決している。

     ◇     ◇     ◇     

▼県民の総意 国へ 
 高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から「軍命」を削除した文部科学省の教科書検定問題で、県議会は二十二日午前、全会一致で意見書を可決し、県民の強い意志を示した。県議会の要請団は早速、意見書を携え上京した。検定意見の撤回と記述の回復を求めてきた県民の運動に大きな弾みがつくことになる。

 傍聴席に駆けつけ、意見書が可決される様子をじっと見守っていた高教組の松田寛委員長は「慰霊の日の前に可決されたことをまず評価したい」と語り「文科省へ要請に向かう皆さんには、県民の声を背に県議会として記述の復活をしっかりと申し入れてほしい」と話した。

 元高校教諭の宮里尚安さん(65)は「六十年余りたった沖縄戦から『軍命』を削るのは許せない。議員団は強く要請し、ぜひ撤回させてほしい」と期待を込めた。「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」事務局長の山口剛史琉大准教授は可決の知らせに「明日来県する安倍首相にも、県民の意志をきちんと示せる効果がある」と評価。加えて「せっかく一致点を見たのだから、歴史認識を正しく伝える役割を発揮してほしい」と要望した。

 県議会文教厚生委員会メンバーら七人は二十二日午前、要請行動のため那覇空港から上京した。文科省では、布村幸彦審議官が対応することが固まっている。伊吹文明文科相への面談を求めていた前島明男委員長(公明)は出発前、「県民代表として大臣に会いたかったが、国会開会中でもある。記述の削除に憤りを持ち、強く検定撤回を訴えたい」と話した。共に上京する比嘉京子県議(社大)は「歴史の事実は一つで、変えられない。県民の意志をしっかりと示したい」と力強く語った。

 自民の伊波常洋政調会長は「教科書問題は、与野党を超えて可決された画期的なこと。意見書の通りに抗議を含め県民の意志を伝えていきたい」とした。要請行動ではこのほか内閣府沖縄担当部局や県関係国会議員に面会し、同日中に帰任する。

▼意見書全文
 去る3月30日、文部科学省は、平成20年度から使用される高等学校教科書の検定結果を公表したが、沖縄戦における「集団自決」の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させている。
 その理由として同省は、「日本軍の命令があったか明らかではない」ことや、「最近の研究成果で軍命はなかったという説がある」ことなどを挙げているが、沖縄戦における「集団自決」が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実であり、今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定しようとするものである。
 また、去る大戦で国内唯一の地上戦を体験し、一般県民を含む多くのとうとい生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとって、今回の削除・修正は到底容認できるものではない。
 よって、本県議会は、沖縄戦の実相を正しく伝えるとともに、悲惨な戦争を再び起こさないようにするためにも、今回の検定意見が撤回され、同記述の回復が速やかに行われるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成19年6月22日

 沖縄県議会

 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 沖縄及び北方対策担当大臣あて

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