あづまの書斎

あづまの書斎

基本的には私が読んで面白かった本のご紹介です。
時々、時事や身の回りの出来事なんかもお話させていただきます。

職場で労働組合の職場委員という役職にあたってしまいまして、何度か労働組合の会合に顔を出しました。

 

何度か顔を出してみて持った感想は、良く言えば歴史のある、悪く言えば古臭い体制でやってるんだな、というものです。

 

念のために軽く説明しておきますと、私が現在やっているのは組合専従ではなく、職場の代表者としてよろず困りごとを専従者に報告し、専従者を通じて会社側に改善を要望していく、という立ち位置です。

 

正直、今時こういうことを積極的にやりたがる社員はいないでしょうが、一方で、誰かがやらなければならない事でもあります。詳しくは言いませんが、そういう、積極的にやりたがる人は極僅かだけど誰かがやらなきゃいけない事というのは若かりし頃に経験したことがありますので、あみだくじでハズレを引いたことが分かった時は、それ以上ゴネずに引き受けることにしました。

 

 

タイトルについて

 

さだまさし氏が発表した楽曲ですが、私が好きなのはこれをカバーしているものです。

ウクライナの伝統楽器のバンドゥーラの美しい音色と、困難と長年向き合ってきた事が察せられる力強い歌声が魅力の一遍です。

 

 

一週間ほど前となってしまいますが、9月14日に阪神タイガースが18年ぶりに『アレ』を達成しまして、大阪を中心に関西は大盛り上がりだったのですが、道頓堀ダイブを警戒して大阪府警が1300人の警官を投入して警備にあたったことも注目されました。

今日はそんな『お巡りさん』の日常を描いた作品のご紹介です。

 

 

 

河合麻依は町山交番勤務の新人巡査。ブラック企業勤めの父のすすめで安定した公務員を目指し、警察にしか受からなかったために警察官になっただけであり、特に目的や志を持っていない。『こんなに激務で嫌われ者と知ってたら絶対に警察官になってない』と辞表を用意した日に町山交番に赴任してきた巡査部長 藤聖子と出会ったところから物語は始まる。

 

実写化、アニメ化されている作品を、いまさら感もありますがレビューしたいと思います。

『箱詰』というタイトルの通り警察モノで、交番勤務のお巡りさんの日常をコミカルを基本としながら、時に人情味豊かに、時にシリアスに描いた作品となります。作者が警察官として10年の勤務経験があるという事で、警察組織に好意的に描いているのだろうという所を割り引いて見たとしても、警察官の職務の大変さが伝わってくる良い作品です。(現職・元職の警察関係者からもリアルという評価を得ています。詳しくはこちら⇒

 

で、警察モノと聞くと、ついつい刑事ドラマでよくある殺人や強盗といった強行犯をイメージしがちですが、件数ベースでカウントすると、作中で強行犯よりも多く描かれているのは交通事案、生活安全事案です。これは、作者がこの分野、特に生活安全事案に最も多く携わっていたのかなと想像させます。

とりわけ実写、アニメには登場しませんでしたが、生活安全課の黒田カナ巡査長に関わるエピソードが多く、実写、アニメの両方に登場した牧高美和巡査長と比べても生活安全課に配属されたエピソードからその後の活躍と、作者自身がモデルであるか、あるいはどなたか具体的なモデルとなった方が存在するのではないかと想像するほど深く描かれています。

 

交通取り締まりをすれば違反者から税金泥棒など憎まれ口を叩かれ、テレビの警察密着モノの番組で見られるような、支離滅裂なことを言う酔っぱらいの相手をしたりと、作中で藤巡査部長に『警察官とはサンドバッグ』、元警官の立てこもり犯に『卑職』と言わせているように、本当に大変なお仕事であると思います。公務員の安月給で、使命感と国民への奉仕の精神で日本の治安を守ってくれている彼らには、ただただ感謝の一言です。

大学の同期に、某都道府県警察に奉職し、5年ほど前にあった時には警部補まで昇任していた友人がいますが…、アンタ凄ぇよ!

 

 

 

男女間トラブルで何度も町山署の手を煩わせていたカップル。その日も通報を受けてカップルの一方である秋田ルミが借りていたアパートに駆け付けた町山署員たちは、ルミを避難させるため荷物を運び出す一方でルミと同棲していた大山翔にルミには近づかず連絡も取らないよう警告をする。しかし、その2日後、ルミが借りていた部屋から異臭がするとの通報を受けて町山署員が駆け付けると部屋は血の海で…

 

記事で名前を出した生活安全課の黒田カナ巡査長を主人公に据えた外伝作品。

DV事案における警察の対応、警察ができる事できない事に『なるほど』と思うと同時に、以前から警察が関与していたにもかかわらず事件を防止できなかったことに対する世間のバッシングと、被害者が性産業に関わっていた事が暴露されるやいなや始まったネット民による被害者へのバッシングに心を痛める捜査官と、警察内部にいた人の視点で描かれる描写にはうならされるものがある。

2年と少し前から東海地方に出向しておりましたが、関西の元の所属への復帰が決まりました。
それを受けて、本日、関西に復帰してから借りる部屋の内見をしました。
私鉄の特急停車駅から徒歩で3分ほど、スーパーや個人でやっている食品を扱うお店、喫茶店やコンビニも近くにあるなど、初期費用が少々高い事を除けばなかなか満足度の高い部屋です。

関西に戻れる事、なかなか良い部屋が見つかった事を母に真っ先に報告しようとしたのですがーーー
ホンマに、お母ちゃんおらんようになってもうたんやな。

母が還暦を迎えたあたりから、母が亡くなったらおそらく泣くだろうなと思っていました。
母が難治性のガンである事を出向先の上司に報告した時、その後の経過を報告した時、いずれも泣きそうになりました。
ですが、いざ、母が息を引き取ったと知らされた時、その後の通夜、本葬でも泣けませんでした。
自分は悲しんでいるんだろうか?と、自分でもよく分かりませんでした。
ですが、こうして、嬉しいこと、楽しみにしている事を他の誰よりも先に共有したい母はもういない事を突きつけられると、しみじみと、何とも言えぬ寂しい気分になります。


追記(2022年5月29日)

いい年をして未だ独り身の上、仕事を抱えているため、まとまった時間を作ることが難しいので、一ヶ月先ですが、引越しの荷造りを今から始めたほうがいいだろうと考え、何から手をつければ良いか考えているのですが、ついつい、お母ちゃんおったら色々アドバイスもらえるのに、などと考えてしまい、考え出すと母のことを思いわずらうあまり何も手につかなくなってしまいます。

これが悲しいって事なんですね。