遠野放浪記 2015.12.26.-12 風雲急 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

建物の中でゆったりと過ごしているうちに、外では何時の間にか雪が降り始めていた。天気は一気に変わり、ものの数十分のうちに吹雪になっていた。

 

 

我々はめがね橋のライトアップが見たくて日が暮れるのを待っていたのだが、橋を照らすライトが雪にも反射し、写真で見てもかなりの雪が降っていることがわかる。

冬の遠野らしく、瞬きをする毎に天気が移り変わって行くようだ。

 

 

 

 

 

17時台の汽車が宮守駅を発ち、向かい風に抵抗して遠野へ走って行く。吹雪の中でも、旅人は文明の利器のおかげで安心して旅が出来るようになった。そしてそれを川面から見守る我々とのコントラストによって、どうしようもないノスタルジイに満たされる。

 

 

 

汽車が行ってしまえば、川の流れる音さえも雪に吸収されてしまったかのように、周囲は静寂に包まれる。時折、街道を走る車の音が遠くに聞こえ、後方に流れて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我々は雪が積もりつつある斜面をよじ登り、街道に上る。駅に向かって歩きながら、もう少しめがね橋の姿を堪能したい。