遠野放浪記 2015.09.20.-01 喧騒から始まる一日 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

一夜明け、二日目の遠野まつりの舞台は遠野郷八幡宮に移る。流鏑馬や神事の後、郷土芸能団体が芸を披露しながら馬場を周回する馬場めぐりが最大の見せ場だ。

 

何時もよりやや早起きし、眠い目を擦りながら、宿の朝ごはんをいただく。

塩鮭、たまご焼きに幾つかの副菜と、素朴な朝ごはんだ。だが、普段忙しい東京の生活に慣れてしまった我々には、旅先でこのような食事がいただけることがとても嬉しい。

 

 

身支度を整え、御主人の車で八幡まで送っていただく。今日は他にも外国の客の応対をしたりと、普段よりも慌ただしい中で此処まで来ていただいた。御主人に礼を言い、今回は此処で別れた。

 

 

あまり知られていないが、八幡宮の駐車場にある赤い立派な鳥居ではなく、340号沿いにあるこちらが一の鳥居だ。

鳥居の脇には祭事の幟が掲げられている。

 

 

御主人と別れてすぐに、通りを上って来る威勢の良い声が聞こえたので見に行くと、神輿が運ばれて来たところだった。神輿は昨夜街外れの伊勢両宮神社に一泊し、今再び戻って来たところなのだ。

 

 

 

神輿を見送った後、我々も参道を歩いて本殿へ向かう。薄曇りの空模様だが、並木に日が射して美しい影を地面に映している。

 

 

こんな参拝客も来ている。

 

 

二の鳥居の前は意外に混み合っていなかった。まだ朝早いので客が集まっていないのか、もう馬場の中に居るのか……。

 

 

参道にも未だ人は多くない。これから盛大な祭りが始まるのに、のんびりとした雰囲気だ。

 

 

馬場では流鏑馬の準備が行われており、神職たちが的の設置を行っているところだった。

 

 

流鏑馬の本番こそ人気が高けれど、このような場面にまで注意を払う人はあまり多くないのではないだろうか。ひとつひとつの準備にも意味があり、無駄な工程など無いのだ。

 

 

とはいえ流鏑馬が始まるまでにもたくさん見るべきものがあるので、今は未だ場所取りはせずに境内を歩くことにした。